NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バッド・デイ・ドライブ」(55点/サスペンス)

■■■「バッド・デイ・ドライブ」■■■
(55点/サスペンス)


 金融ビジネスマンで家庭を顧みない仕事人間のマットは、ある日、娘のヘザーと息子のザックを車に乗せて学校まで送り届ける事となる。


 子供たちを乗せてドライブを始めた彼だったが、車のダッシュボードの中から電話の着信音が聞こえ、確認してみたところ誰のものか分からないスマートフォンを発見。


 不審に思いつつ電話に出たところ、電話の声の主から『車のシートの下に圧力センサー付きの爆弾を仕掛けた。車のシートから立ったり不審な行動を取ろうとしたら、車を即爆破する』というメッセージを受け取る。


 声の主が、最近世間を賑わせている金融関係の人間を狙った爆弾テロ犯人だと考えた彼は、混乱しつつも家族の命を守るだめに犯人の要求に従う事となるが、犯人からの指示に従い向かった場所で、自分の会社の同僚が同じような爆弾で爆殺される現場を見せつけられ…

 


 正体不明の爆弾テロ犯人に車に爆弾を仕掛けられた男が、家族を守るために命がけのドライブに出発する…という、サスペンススリラー映画。


 「スピード」とかに着想を得た、『命がけのドライブ』を題材としたタイプのスリラー映画ですね。


 といっても、作品のメインの設定として『車のシートに感圧スイッチがあり、座席から立ち上がったら爆発する』というギミックはあるものの、他の作品のような『車の運転をやめたら爆発する』みたいな制限やら時間制限も無いため、そこまで緊迫感や緊張感が強くなくて『本作ならではの個性』にはなっていないのが、ちょっと残念なところ。


 プロットとしては『爆弾を仕掛けられた車で犯人の要求に強制的に従わされるサスペンス』に加えて『家族を顧みなかった仕事人間の主人公が家族を守るために奮闘する』という感じの内容で、サスペンス要素と人間ドラマの要素が半々といったような印象の作品です。


 人間ドラマ要素は月並みながらも割と良く出来ており、サスペンス要素も『犯人によって次々と自分の同僚が爆殺されていく現場を目撃させられる』という流れは、なかなか緊張感があって悪くない印象。


 ただ、『主人公に奇妙な要求を突きつける犯人の真の目的は何か?』みたいな部分を中心に謎解きが進んでいくのですが、ターゲットにされるのが『大手金融コンサルタントの社員』みたいな人たちばかりな時点で割と容易に目的の予想がついてしまうため、謎解きとしての面白さはそこまで無い印象。


 ツッコミどころも多い内容で、そもそも『車に家族が一緒に乗らなくて主人公が要求に従わなかったら、犯人はどうるすつもりだったんだ?』とか、『主人公の行動を逐一監視している』とか言いながらも、どうやって監視してるのか判然としなかったりとか不明な部分が多すぎ。


 なんとなく緊張感とイキオイでごまかしているものの、サスペンスとしては色々と設定がガバガバです。


 終盤の犯人の直接対決的な展開は熱くて良いのですが、『犯人が勝ち誇るために自分で爆弾を仕掛けた主人公の車に乗り込んでくる』という展開は、流石に『頭おかしいんじゃないのコイツ?』とツッコミを入れたくなりましたよ。(笑)


 オチも割と予想通りの展開でそこまで意外性はありませんが、まあまあキレイな終わり方で悪くないかなあ?
 というか家族との関係がこの事件で修復されたのかは、気になる部分ではありますが…

 


 総評としましては、それなりに楽しめるレベルの『「スピード」系の爆弾ものサスペンススリラー映画』って感じですね。


 正直なところツッコミどころも多いですが、イキオイやテンポの良さもあってまあまあ及第点って感じの作品です。


 強く推すには弱い内容ですが、予告やら設定やらを観て気になっているようであれば『まあお好みで』って感じの一本でしょう。

 

映画感想:「ノセボ」(55点/サスペンス)

■■■「ノセボ」■■■
(55点/サスペンス)


 ダブリン郊外で夫と娘と共に暮らす人気ファッションデザイナーであるクリスティーンは、8ヶ月前にショーの会場に迷い込んできた野良犬に寄生していた吸血ダニに噛まれ、それ以来、原因不明の筋肉の痙攣、幻覚、記憶喪失といった様々な症状に悩まされるようになる。


 病気のせいで仕事も上手くいかず悩んでいたある日、彼女の元に、『彼女から家政婦として雇用の依頼を受けた』とダイアナと名乗るフィリピン人の女性が訪れる。


 雇った記憶は無いが自分の記憶に自身の持てなかった彼女は、ダイアナを試用期間として雇用することとなるが、故郷で呪術医をやっていたという彼女は病気のクリスティーンへと民間療法による治療を施し、彼女の症状はみるみるうちに快方へと向かっていくが…

 


 ダニに噛まれて以来、謎の病状に悩まされるようになった女性が元呪術医の家政婦の治療によって病状から回復していくが、その家政婦には実は秘密の目的があり…という感じの、オカルト風味のサスペンススリラー映画。


 『ダニに噛まれたせいで謎の病気に感染する』という、少し前に話題になった『マダニ感染症』に着想を得たっぽい印象の作品ですね。


 ただ、いかにもメインっぽい『ダニ要素』は、作中で生理的な嫌悪感を煽るような要素として機能しているのですが、実はそれ以外にストーリー的にはあまり関連は無くて、アクマで『風味付け程度』に使われている要素という印象。


 お話としては『奇妙な病気に悩まされるデザイナーの女性の家に雇った記憶のない家政婦が現れ、試用期間として雇ってみたところ実は元地元の呪術医(ウィッチドクター)で彼女の治療により病状は劇的に改善。しかし、その謎の家政婦には実は驚くべき秘密と目的があり…』みたいな感じのストーリー。


 『ある家庭に侵入してきた謎の家政婦の奇妙な行動と、その真の目的は?』みたいなのがメインで進んでいく感じで、サスペンス要素が強めなのですが、家政婦が実は呪術医だったりするせいでオカルト要素も含まれていたり、先述のダニ要素も加えて『とにかく色々と詰め込んでみました』感があります。


 主人公の『謎の病気』の秘密やら『謎の家政婦の目的』やらが、徐々に明らかになっていくプロセスはなかなか面白く、先の読めない展開のためそれなりに楽しめるサスペンスではあるのですが、『謎の家政婦』が呪術を使ったり常識的ではない部分やら『独自の世界観』の強い部分が多くオカルト要素も強めのため純粋にサスペンスとして素直に楽しめるかと言われると微妙なところなのが困りもの。


 かといって実際には『オカルト要素』は味付け程度で、そこまで怖かったりする訳でも無いので、色々と要素を詰め込んだ割には散漫な印象の作品になってしまっているんですよね…


 また『謎の家政婦』の目的とかも中盤あたりにはなんとなく予想できてしまうため、そこまで意外性が強い訳でも無くて、全体的にちょっと中途半端です。


 独特の世界観やらは悪くないのですが、もう少しその辺の要素がシッカリと活かされていればなぁ…という感じの作品でしたよ。

 


 総評としましては、『そこそこ楽しめるレベルのオカルト風味のサスペンススリラー映画』って感じですね。


 前述のとおり、サスペンスとして観てもオカルトとして観てもやや印象の薄い内容になっており、敢えて推すにはちょっと弱い感じの作品になってしまっている印象。


 独特の世界観やらテイストやらは悪くないので、予告とかで観て気になっているようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。

映画感想:「シャーク・ド・フランス 」(45点/生物パニック)

■■■「シャーク・ド・フランス 」■■■
(45点/生物パニック)


 フランス南西部ののどかなリゾート地であるラ・ポワントで、マリンスポーツを楽しんでいた一人の男性が、何らかの生物に変死するという事件が発生。


 検死の結果や目撃情報から、事件は『巨大なサメの仕業』だと判断され、リゾートシーズン中の海水浴場の閉鎖の是非も含めて、地元はパニックに陥ってしまう。


 引退を間近に控えた海上憲兵隊の隊員であるマジャは、正義感の強さから引退を延期して隊員たちと共にサメ退治へと赴き、巨大なサメを捕獲する事に成功。


 彼女は英雄として賞賛され事件は一件落着に思われたが、サメを捕獲していた檻からサメが逃げ出して再び住民を襲った事から、一転して批判を浴びる事になってしまう…

 


 のどかなリゾート地に出現した巨大な人食いザメと、サメの被害から住民を守ろうと果敢に立ち向かう憲兵隊の女性の戦いを描いた、フランス製のサメもの生物パニック映画。


 あまりお目にかかった事のない『フランス製のサメ映画』という事で、なんかツール・ド・フランス」っぽい響きのオシャレな感じのタイトルが付けられていますが、そもそも『フランス語でサメはシャークじゃないやろ?』とか根本的な部分も含めて色々とツッコミを入れたくなるようなタイトルとパッケージの作品です。(ちなみにフランス語ではサメは『ルカン』だそうです。)


 そんな訳で『フランス製のサメ映画って、確かにあまり観た記憶が無いけど、どんなノリなんだろう?』と思いつつ観てみたのですが、お話としては『のどかなリゾート地に突然現れた巨大ザメから住民を守るために、海上憲兵隊(いわゆる湾岸警備隊)の女性隊員が単身で立ち向かう』みたいな感じで、プロットやらはいかにも『オーソドックスなサメ映画』という感じ。


 ただ、プロットやらはいかにもサメ映画っぽい(というか「ジョーズ」をオマージュしてるっぽい)内容ではあるのですが、実際の中身の方は人間ドラマ部分に重きが置かれている作品という印象。


 『正義感と責任感が強く、住民を守るために単身でサメに立ち向かおうとする主人公』に対して、『身勝手に無責任な事ばかりを言って主人公に責任を押し付けようとする住民たち』の姿が対照的に描かれ、責任感やプライドがないまぜになった主人公のキャラの掘り下げに力が割かれています。


 他にも、無茶をして責任を果たそうとする妻の心をなんとかしてケアしようとする夫との関連性やら、人間ドラマ要素が非常に深く描かれていたりする辺りも、いかにも『フランス映画らしいテイスト』という感じですね。


 逆にサメ要素や特撮にはあまり力が入っておらず、サメはアニマトロニクスっぽい作りのマペットなのですが、作りも合成も非常に雑で安っぽさが隠せないような出来(というか、ほぼパッケージの写真そのまんま)ですし、襲撃シーンも少ないうえに面白味もなくてどうにも物足りない印象。


 『人間ドラマ』として観るなら出来はそこまで悪くないのですが、ぶっちゃけ『サメ映画』として観ると物足りない部分が多い作品でしたよ…

 


 総評としましては、『どうにも物足りなさの残るサメもの生物パニック映画』って感じの内容ですね。


 人間ドラマが中心で、妙に淡々とした口調で語られる『教訓があるんだか無いんだか良く分からないようなオチ』とかは、独特の印象を受けるフランス映画風のテイストではあるのですが、一般的なサメ映画の要素を期待していると肩透かしを食らわされてしまうかも?


 ツマんない映画ではないですし、そもそも『フランス製のサメ映画』というのが希少な存在なので『とりあえずチェックしてみたい』というのであれば止める事はしませんが、オススメするにはちょっと弱い作品かなぁ…というのが正直なところですよ。

 

映画感想:「ロスト・フライト」(65点/アクション)

■■■「ロスト・フライト」■■■
(65点/アクション)


 大みそかの夜に、シンガポールから東京に向かうジェット機でフライトを行う事になった機長のトランスは、離れて暮らす娘と正月の休暇をホノルルで過ごす事を楽しみにしていた。


 しかしそんな矢先にフライト先の悪天候や、移送中の殺人犯であるガスパールを搭乗させる必要がある事を告げられたりといった事態に不安を感じつつも、14人の乗客を乗せてフライトに挑む彼だったが、フィリピン沖上空で機体は激しい嵐に遭遇。
 落雷の直撃を受けて計器が故障したことから、付近に不時着を余儀なくされてしまう。


 なんとかジャングルの空き地に着陸を成功させた彼だったが、彼らが着陸したその場所は凶悪な反政府ゲリラによって支配された、世界最悪の無法地帯であるホロ島だった…

 


 嵐に遭遇したジェット旅客機が乗客を乗せたまま反政府ゲリラの支配する無法地帯に不時着、乗客を人質に取られた元軍人の機長がゲリラを相手に戦いを挑む…という、ディザスターパニック風味のサバイバルアクション映画。


 なんとなく、航空機ものの災害パニック映画と「ダイ・ハード」を足して2で割ったような設定ですが、実際の中身の方もまさに『そんな感じの映画』というのがシックリ来る内容の作品です。


 お話としては『とある航空機が嵐に巻き込まれて故障し緊急不時着する事になるんだけど、着陸した場所が東南アジアの反政府ゲリラの支配区域で乗客たちが人質に取られてしまい、元軍人の機長とたまたま乗り合わせていた元傭兵の犯罪者が、協力して人質を奪還して危機からの脱出を図ろうとする』みたいな感じの展開。


 序盤は割と普通に『航空機パニックもの』かと思わせておいて、なんとか無事に着陸できたと一安心するも、実はその場所が反政府ゲリラの拠点となる島でいきなりアクション映画的な展開に突入していくという二段構えの構成は、ちょっと意外性があって面白いです。


 『災害パニック』+『サバイバルアクション』みたいな基本プロットに加えて、他にも『面白そうな要素をとりあえず色々と詰め込んでみました』みたいな感のある内容で、主人公が『元軍人のエリートパイロット』というお約束な感じの設定なのに加えて、主人公に協力することになる護送中に殺人犯が『元フランスの傭兵部隊出身』で、二人の『パディもの』的な関係が描かれていたりするという欲張り設定。


 他にも主人公たちを救出しようとする航空会社の『緊急対策チーム(民間の傭兵部隊)』の活躍が描かれたりと、ディザスターパニックあり、格闘・銃撃戦ありの盛沢山な内容になっています。


 盛沢山ゆえに全体的に非常にテンポも良く、どこを切り取っても『見せ場の連続』といった感じでサクサクとお話が進んでいくのは非常に良くできたところ。


 ただ、逆に色々と詰め込みすぎているせいで一つ一つの要素の密度が薄く、またお話のスケールやら登場人物の少なさやらで、やや低予算を感じさせる部分があるのは辛いところかな?


 アクションシーンとかパニックシーンにしても、もうちょっと派手で見せ場になるような部分が欲しかったところですし、主人公の相方となる殺人犯や、敵役となる反政府ゲリラのボスなんかも、もう少しキャラに掘り下げがあっても良かったかも?


 また色々とお約束の設定を詰め込んでるのは楽しくて良いのですが、あまりにもお約束が多過ぎて先の展開が容易に読めてしまうのは、やや物足りない部分かなぁ…

 


 総評としましては、『やや低予算ながらも普通に楽しめるレベルのサバイバルアクション映画』って感じですね。


 色々と詰め込まれてて楽しい内容ではあるのですが、やや詰め込み過ぎの感もあってちょっと物足りなさも感じる内容といった感じで、『何かの息抜きにサクっと楽しむ』にはちょうど良いレベルのアクション映画という印象でした。


 まあでも普通に面白い作品ですので、気になる人はとりあえずチェックしておいても損は無いと思います。


 つか、観る人もこのタイトルから『航空機パニック』+『ダイ・ハード』は予想できないと思うので、もうちょっと邦題は工夫した方が良かった気がしますよ。(「ダイ・ハード」っぽいタイトルにするとか…(笑)

映画感想:「TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー」(60点/オカルト)

■■■「TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー」■■■
(60点/オカルト)


 自殺によって母を亡くし、そのショックから未だに立ち直れずにいる女子高生のミアは、気晴らしに親友のジェイドに誘われた友人たちのパーティに参加し、その場所で仲間内で話題になっている降霊術のアイテムを用いた『90秒憑依チャレンジ』という降霊実験に参加する事となる。


 それは『霊能者の手』という謎の呪物を用いて『90秒間だけ死者の霊を自分に憑依させる』事ができるが、『90秒を越えると霊に肉体を支配されてしまう』という危険なものだった。


 そのスリルに病みつきになった彼女は、友人たちと共に幾度となく降霊実験を繰り返すが、ジェイドの弟のライリーがチャレンジを行った際にミアの母親の霊が出現。


 動揺した彼女は、霊を切り離す90秒のタイムリミットを超過させてしまい…

 


 『90秒間だけ死者の霊を自分に憑依させる』というオカルトの遊びにハマった少女が、呼び出された霊によって恐るべき体験をする事となる…という、オカルトサスペンス映画。


 設定からして、てっきり『コックリさん的な遊びにハマった若者たちが、呼び出した霊のせいで酷い目に合わされる』的なライトなノリの青春系オカルトホラーかと思いきや、予想以上にドロドロとしたサイコ胸糞系のオカルト映画という感じの作品でした。


 メインのプロット的には先述のとおり『あやしげな呪物で霊を呼び出す遊びをしていた若者たちが、呼び出した霊によって酷い目にあわされる』という展開なのですが、まあとにかく主人公の周辺の人間関係が矢鱈とドロドロなんですよ。


 お話のメインの要素となる『主人公の母親の自殺』にも裏に何かがありそうな匂わせがあったり、主人公はかつて付き合ってた彼氏(今は親友の恋人)との関係を諦めきれていないような節があったり、親友の弟が霊に取り憑かれて酷い目に合う原因を作るのが主人公だったり、メインの設定にとにかく不穏な部分が多いです。


 加えて、主人公が母親の死のトラウマを差し引いても、かなり自己中心的な嫌な奴で観ていて腹の立つ性格だったり、友人たちと一緒になって霊を面白半分に召喚してバカ騒ぎする低能っぷりだったりと、観ていて『こいつらさっさと酷い目に合えば良いのに』と真剣に考えてしまうレベル。


 しかも、主人公の我儘に振り回される形で周辺の人間が次々と不幸になっていくので、観ていて本当に救いがなくてなかなかの胸糞っぷりです。(特に主人公の親友の少女が不憫すぎる…)


 オカルト映画らしく、メインの『心霊によるオカルト描写』なんかも悪くは無いのですが、ドラマの胸糞具合にばかり目が行ってしまうせいで『心霊よりも主人公の精神状態の方が怖いわ』という気持ちになってしまい、幽霊の印象が薄くて存在感があまり感じられないのは残念なところ。


 まあ、ストーリーそのものはテンポも良くて普通に面白いですし、ある程度は先が読める内容ながらも適度な緊張感やスリルのある展開は良い感じで、オチも『まあそうなるよね(笑)』って感じのオチではありますが、落としどころとしては悪くない印象。


 ただ、全体的にやや投げっぱなしな要素が多くて『結局どういう事だったの?』みたいな部分が割と残ってしまっているのは、気になるところかなぁ…
 (『主人公の母親の死の謎』とか最後まで良くわからないままだし、取り憑かれた友人の弟とかも最後にどうなったのか謎だし…)

 


 総評としては、色々と胸糞の悪い内容ながらも『そこそこ楽しめるレベルのオカルトサスペンス映画』って感じですね。


 ホラーらしい『胸糞なテイスト』なパンチの効いた設定個人的には割と好きですが、人によっては受け入れられないという人も居そうなので割と人を選ぶ作品かも?


 設定とかを含めて気になるようであればチェックしておいても損は無い作品だとは思うのですが、前述のとおり割と人を選ぶ部分のある作品だと思うので、その辺も含めて『お好みで』って感じの一本でしょう。

映画感想:「モンスターネード」(55点/モンスター)

■■■「モンスターネード」■■■
(55点/モンスター)


 季節外れの巨大竜巻がバミューダ・トライアングルで発生。
 バミューダ・トライアングルの研究家であるマットは、この巨大な竜巻が単なる気象現象ではなく磁場や重力場を巻き込んだ異常なもので、竜巻に有史以前の巨大生物等が巻き込まれて出現すると予測。


 政治家の友人の協力の元に、竜巻の危険性を警告するために国土保安局へと訪れるが、あまりの荒唐無稽な内容に門前払いを食らってしまう。


 しかし、そうこうしているうちにも巨大竜巻はアメリカへと上陸。
 巨大なサメやらタコやら翼竜やらの怪物を周囲にまき散らしながら都市部を破壊し始め、街はたちまち大混乱へと陥ってしまうのだった…

 


 バミューダ・トライアングルで発生した季節外れの巨大竜巻は、時空を捻じ曲げて有史以前の怪物を巻き込んだ恐るべき竜巻だった…という、ディザスターパニック風味のモンスターパニック映画。


 設定を観れば分かるとおり、大ヒットB級パニック映画である「シャークネード」のパクリ作品で、セルフ二番煎じの得意なASYLUMの自社製ではなく他社の作品なのですが、『同じような設定だけど、こっちはサメだけじゃ無くて色んな怪物を巻き込んでみました』という潔いまでのパクリっぷりが、逆に清々しさすら感じさせてくれます。(笑)


 一応、古代生物やらが出現する理由としては、バミューダ・トライアングルの磁場と重力場の影響』みたいな説明がされているのですが、まあ『色んな怪物を出すための後付け設定だよね』って感じで、ぶっちゃけかなり適当な設定という印象。


 この設定だけ聞いたら、そりゃ国土保安局の人たちもマトモに取り合わんわという感じではあるのですが、竜巻が海上から接近している時点で既に『竜巻の中に超デカいタコやらサメやら恐竜やらの姿が透けて見えている』ような状態なので、『科学者の説明を否定する前に、もうちょっと危機感を持てよ』とツッコミを入れたくなったのは自分だけ?(笑)


 ちなみに「モンスターネード」というタイトルのとおり、本作に登場するのはサメだけではなく、巨大タコや巨大ワニ、翼竜やら謎の宇宙生物っぽい巨大昆虫といった豪華なラインナップで、様々なモンスターが暴れまわるモンスターの豪華幕の内弁当のような状態。


 お話のテンポも割と良くて、様々な生物が代わる代わるに次々と主人公たちを襲撃してくるのは、なかなか楽しいです。


 …が、モンスターの種類は豊富なのですが、CGの質やらモーションやらが類が割とショボ目で、『多分、どこかから買ってきた素材集とか別の映画で作った素材の流用なんだろうなあ…』というお家事情が察せてしまうような出来なのは、まあご愛敬といったところ。


 あとモンスターの襲撃シーンは良いのですが、主人公が原因を究明した以外はほぼ役立たずなのに加えて、周りの登場人物が軒並み頭のおかしい連中ばかりで、観ていて登場人物たちに1ミリも感情移入できないような状態なのは困りもの。


 準主役っぽいFBIの捜査官やら主人公が避難したビルのオーナーとかは、気が強いを通り越して『サイコパスかよ…』みたいな感じですし、悪役は脳と性器が直結してるようなエロガッパだし、主人公の友人の政治家は開幕10分で主人公を裏切って死ぬし、唯一まともだったヒロインっぽい女性はアッサリ途中退場しちゃうしで、人間側のキャラクターに関しては『もうちょっとどうにかならんかったのか?』という印象。


 事件の解決方法にしても、特に盛り上がる要素も無く矢鱈とアッサリしてる感じですし、パニックシーンも山場になるような要素が無くて、全体的にあまり印象に残るようなシーンが無いんですよね。(一番印象に残っているのは、地下で脈絡もなく唐突に壁を突き破って登場するメガロドンぐらい?)


 「シャークネード」をオマージュするのであれば、もうちょっとキャラを掘り下げたり、ドラマチックな展開に力を入れて欲しかったところですよ…

 


 総評としましては、低予算ながらも『ネタ映画としてならば、そこそこ楽しめるレベルのモンスターパニック映画』という感じですね。


 清々しいまでのパクリ故に『設定ありき』で作られているせいか、全体的にグテグテな部分は多いですが、それでも最近の『イキオイの無いASYLUMのパニック映画』に比べると、まだ楽しめる内容になっている印象です。


 この手のネタ系のパニック映画やホラー映画を求めているのであれば、とりあえずチェックしてみても損は無い一本かもしれませんよ。

 

映画感想:「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」(65点/オカルト:結構オススメ)

■■■「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」■■■
(65点/オカルト:結構オススメ)


 幼い頃に弟が何者かに誘拐され行方不明となる現場を目撃し未だにそのトラウマから立ち直れずにいる青年のマイクは、そのトラウマのせいで仕事も上手くいかずに悩んでいたが、亡くなった両親に代わって幼い妹のアビーを養うために仕事の内容を選ばず様々な仕事を引き受けていた。


 そんなある日、廃墟となったピザレストランである「フレディ・ファズベアーズ・ピザ」の夜間警備を引き受ける事となるが、それは『夜間に廃墟となった建物に侵入者が訪れないかを監視カメラで見張るだけ』という奇妙なものだった。


 簡単すぎる仕事に不審に思いつつも夜間警備に着くマイクだったが、巡回中の地区担当の警官であるヴァネッサから『このピザレストランでかつて子供たちが行方不明になり、そのせいで廃業になった』というレストランにまつわる奇妙なウワサを聞かされ…

 


 廃墟となったピザレストランで、店のマスコットであるアニマトロニクスのロボットが次々と人間を襲う…という、モンスターホラー風味のオカルトサスペンス映画。


 同名の人気ゲームである「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ(以下:FNaF)」を映画化した作品なのですが、同じようなコンセプトで「FNaF」をオマージュした「ウィリーズ・ワンダーランド」という作品がニコラス・ケイジが主演で映画化されている事もあって、同系列としてやや出遅れた感があるのは厳しいところ。
 (むしろ、あっちが映画としてインパクトがありすぎたので『こっちはニコラス・ケイジは居ないんだ』と妙に物足りない気分になってしまう始末。(笑))


「ウィリーズ・ワンダーランド」
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/2021/10/10/012011


 ただ出遅れ感があるとはいえ、ホラーの大御所であるブラムハウスが制作しているだけあって、こちらも非常にシッカリと作られた良作のサスペンスホラーになっています。


 お話としては、『辛い過去のトラウマを持つ青年が、廃墟となったピザレストランの夜間警備のバイトをする事になるんだけど、その場所は実は過去に忌まわしい事件のあった曰くつきの場所で、更には深夜に動くはずのない廃棄処分されたアニマトロニクスのロボットが動き回っているのを目撃してしまい…』みたいな感じの展開。


 自分はゲーム版の「ANaF」は触り程度しかプレイしていないのですが、それでも『こんな複雑なキャラクターや背景の設定あったっけ?』とツッコミを入れたくなるぐらいにガッツリとストーリーが作り込まれており、特に作中のメインストーリー部分がサスペンスとして非常に秀逸なお話になっています。


 主人公の過去のトラウマやら妹の観る『イマジナリーフレンド』の存在やらが、作中のピザレストランの設定と複雑に絡み合っており、お話が進むに従って徐々にその謎が明らかになっていくという展開はオカルトサスペンスとして普通に面白いです。


 ただ、逆に『ゲーム要素』に関してはむしろ『味付け程度』という印象で、作品の舞台となるピザレストランの雰囲気やらアニマトロニクスのロボットのビジュアルやらは物凄く高い再現度なのですが、ストーリーの中に『ゲーム的な要素』があまり感じられないのは残念なところ。
 (主人公は警備室でほぼ居眠りしてるだけで、監視カメラとか殆ど操作しないし…)


 でもブラムハウスが作っているだけあって、アニマトロニクスのロボットたちが普通に怖くて、デカくて存在感があるぶんむしろゲーム内に登場するロボットたちよりも恐怖を感じさせてくれるのは、なかなか良い点かと…


 あと凝ったストーリーになっているぶん、世界観やら主人公のキャラクターとかの掘り下げが非常にシッカリとしており、そのせいでややテンポの悪さを感じる部分があるのは気になるところながらも、お話が動き出してからの展開は非常に面白いので、まあ許容範囲と言うところかな?


 ゲームのテイストのみを拝借して『勢いのある楽しいホラー』へと仕上げた「ウィリーズ・ワンダーランド」に対して、新たな解釈によって舞台設定を活かした『良質なオカルトサスペンス』に仕上げた本作という感じで、どちらもなかなかな良作ホラーという印象でしたよ。

 


 総評としましては、『普通に良くできたモンスターホラー風味のオカルトサスペンス映画』という感じですね。


 元のゲームが好きな人であれば「ウィリーズ・ワンダーランド」も本作も別のベクトルで楽しめる内容だと思いますので、気になっているようであればどちらもチェックしておいても損は無い作品と言えるでしょう。


 逆に『ゲームの忠実な映画化作品』として期待して観ると、やや『思ってたのと違う!?』となる可能性もあるので、その辺は注意が必要かもしれませんよ。