NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「クライモリ」(45点/スラッシャーホラー)

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■■■「クライモリ」■■■
(45点/スラッシャーホラー)

 医学生のクリスは、ある日、ハイウエイを走行中に交通事故による渋滞に巻き込まれてしまうが、急いでいた彼は深い森の中に抜け道があるのに気付き、その道へと踏み入る事とする。

 しかし少し脇見運転をしていた拍子に、彼の車はパンクして道の真ん中で停車していたランドローバーと衝突事故を起こしてしまい、ランドローバーでキャンプに来ていた5人の若者たちと共に、深い森の中で立ち往生する事となってしまう。
 途方に暮れた彼らは助けを求めて森の中の道をさまよい歩いていた所、不気味な一軒屋へと辿り着くが、実はその場所こそが伝説の殺人鬼である『マウンテンマン』達の棲家だったのだ…


 近親婚の繰り返しによって突然変異で生まれた凶暴な畸形の一族森の中に棲み付き、人間をさらって殺し続けているという、『マウンテンマン』という都市伝説風の設定をモチーフとしたスラッシャーホラー映画。

 人気TV映画である「トゥルーコーリング」主演女優がヒロイン役で出てるといったおかげで、結構人気があるようでなかなかレンタル出来なかったを、ようやく借りて観る事が出来たのですが…

 肝心の映画の内容は、ぶっちゃけ言ってしまえば森林版の悪魔のいけにえ」(テキサス・チェーンソーというか、まんまそんな感じ。

 自動車事故で立往生しちゃった若者たちが、助けを求める為に森の中の僻地にある一軒家を訪れるんだけど、その場所は実は殺人鬼一家の住処だった。
 という、悪魔のいけにえのプロットの、まんまパクリなのは流石にどうかと…

 舞台が森の中で殺人鬼から逃げ回るって事で、初代の13日の金曜日っぽいテイストもあるけど、内容的にはどちらにも遠く及ばないレベルで、なんというかごく普通の粗製濫造B級ホラーといった感じです。

 殺人鬼のマウンテンマン達も、最初にハッタリ的にその都市伝説っぽい設定が解説される物の、見た目は単なる『薄汚れたオッサン』にしか見えなくてインパクトに乏しいし、殺し方も全く芸が無くてありきたり。
 トレマーズの怪物ですら、3匹登場したら『一匹は他のより賢い』って個性があったのに、こいつらも3人も登場するんなら、もうちょっと個性や芸があってもよさそうなもんだろうに…
 もし、ホラー映画をネタにRPG化するとしたら、絶対にザコキャラクラスの怪人ですよ…

 ストーリーもテンポ良く進むのは良いんですが、あまりにもB級ホラーのテンプレートに沿った展開と見せ場の乏しさのせいで、どうにも先が読める上に面白味にも怖さにも欠ける…

 ラストも『何十人も連続殺人を犯しまくってるマウンテンマン達が、こんなに弱くて良いの?』ってぐらいにアッサリとやられちゃうし、オチもあんまりにも定型的。

 正直言って、別に特筆するような面白い部分も無く、かと言って物凄くツマんない訳でも無いという…とにかく観終わった後に何の印象も残らない映画です。
 ヒロインは確かに可愛いんだけど、ソレだけでは余りにも見所に欠けるでしょう…。

 総評としましては、とりわけ良い訳でもなく悪い訳でもなく、ある意味、物凄くどうでもいい感じのB級ホラー映画です。

 改めて、自主的にこの映画を観るような価値があるか?と言われると、正直言って微妙な所ですが、TVとかで放映されてタダで観れるような状況なら『別に観ておいても損はしないんじゃない?』といった程度の映画でしょう。

 ホラーファン的には、どっかで観たようなシーンの連続とデジャヴ的感覚に辟易してしまうような内容ですが、逆にホラーは滅多に観ないような人が観れば、それなりに楽しめる映画かも?

 もし、新人監督が『ホラー製作教本』みたいなマニュアルを片手に、定型どおりにホラー映画を作ったら、こんな映画が撮れるかも?って言うような感じの映画でしたよ…