NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

「タキアン」(35点/タイ製自然ホラー?)

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■■■「タキアン」■■■
(35点/タイ製自然ホラー?)

 樹齢100年以上の巨木が並ぶタイの奥地のジャングル。
 昔からの自然が残るこの場所にも、都会からの開発の波が押し寄せ、巨木は材木として伐採され、更に発電用に巨大なダム建設され豊かな自然と幾つもの村々が水中に沈もうとしていた。
 しかし、開発が進むにつれ工事現場では謎の事故が続発するようになり、地元の人々は『森の精霊(タキアン)』の仕業だと恐れおののくようになる…


 といった感じの、木(木の精霊)が人間を襲うっていう『自然ホラー』とでも言うような設定の、タイ製ホラー映画。

 『木が人間を襲う』っていうと、「ガーディアン 森は泣いている」っていうB級ホラー映画を思い出しますが、この映画に出てくるタキアンって森の精霊も全身が緑色の裸のお姉ちゃんという風貌で、その辺も「ガーディアン」に出てきたドルイド教の精霊と同じです。

 まあ元の映画が相当マイナーなのでパクりって事も無いでしょうが、欧米でもアジア圏でも人間の発想と言うのは似たようなもんだって事でしょうか?

 このタキアンって精霊がなかなか芸達者で、霧のように姿を変えて人間を包み込んで殺したり、他の人間に自由自在に姿を変えて人間を騙したり、巨大な木材をスッ飛ばして人間を叩き潰したり、ゾンビ軍団を操って人間を襲撃させたり…と、あの手この手で襲撃を行ってくれるので、襲撃シーンはなかなか見ごたえがあります。

 ただ、ストーリーの方がとにかく分かりづらい上に、なんとも場当たり的なお話で…
 主人公と親友との恋の確執があったり、かと思えば妻をレイプして殺された男の復讐劇が始まったり、ダム工事に関する村人と技術者の思惑があったりと、とにかく盛り沢山なのですが。

 色々詰め込もうとしてるのは良いんですが、詰め込みすぎて一つ一つの話が散漫になってしまい、お話が非常に分かりづらい上にとにかく中途半端。
 しかも、その割を食ってタキアンの襲撃シーンとかが散発的にしか発生しない為に物凄く冗長な展開になっており、観てて退屈な事この上ありません。

 ラストも土石流と一体化した巨大タキアン(「ハムナプトラ」の砂嵐と一体化したイムホテップみたいな感じ…っていうかそのものパクり)が攻めてきて、ダムが決壊して終わり…という何とも力技っぽいオチで無理矢理決着って感じだし……

 タキアンも結局何がやりたかったのか?『自分さえ復活できれば自然が破壊される事には異論が無かったのか?』とか、ツッコミどころも満載で、観終わった後に『結局どういう映画なの?』と言う疑問符以外に感想が残りません。

 総評としましては、予告見た時は結構面白そうかなぁ?とも思ったんですが、ホラーにありがちな『予告だけで全てが終わりの映画』って奴ですな。

 予告を見て気になってる人は、予告だけで見所は全て出てて、それだけ観れば十分な映画なので、ハッキリ言って観なくて良いですよ。
 予告だけで観た気分になって、忘れてしまうのが良策でしょう。

 イマイチというか、イマ3ぐらいの微妙な映画でした。