■■■「エニグマ奪還」■■■
(55点/戦争アクション…その実態はコメディ?)
いつもツメの一歩が甘く、高い能力を持っていながらどうしても任務に失敗してしまい『Mr.いま一歩』という不名誉な愛称を持つアメリカ軍のエージェント・オルーク(マット・ルブランク)は、その日もちょっとした行き違いから任務に失敗した上に、同盟国であるイギリスで反逆罪に問われ軍部に逮捕されてしまう。
逮捕されたオルークのウワサを聞きつけたイギリス軍の情報部は、彼の罪を無罪放免とする代わりに、彼にとある任務への参加を要請する。
その任務とは、解読不可能とされるドイツ軍の最新鋭の暗号である「エニグマ」の解読装置を、敵の製造工場から極秘裏に盗み出すという非常に困難なものだった。
人手不足と機密保持のため女性職員のみが働くドイツの『エニグマ暗号機』の製造工場に侵入するために、彼らはある奇策を取る事となるが…
「フレンズ」のジョーイこと、マット・ルブランク出演の戦争アクション映画。
予告やパッケージを見ただけだと、しごく真っ当な戦争アクション映画…に見えるのですが、「フレンズ」のジョーイが主人公として出演してるって時点で単なる戦争映画の訳も無く…
この映画、原題は「ALL THE QUEEN'S MEN」とかってタイトルなんですが、主人公がイギリス軍の情報部として活動するって事から、いわゆる『女王陛下の~~~』とかって冠でも付けてるのかと思いきや…
どうやら、この『Queen's Man』ってのは、英語のスラングで『ゲイの男性』とかを意味する言葉だそうで、さしずめ日本語で言う所の『Mr.レディ』とでも言った所でしょうか?
そんな訳で、ここまで言うと概ね想像が付いたと思うのですが、一見普通のタイトルに見せかけた、その実体は『主人公を含む全員が女装をしてドイツ領へと侵入する』という、世にも頭の悪い作戦を描いた戦争コメディ映画です。
しかも、この特殊部隊の連中が『それなりに女っぽく見える』とかなら、まだ分からなくも無いんですが、登場キャラ全員がやたらとゴツくて、それはそれは…もう恐ろしい程に女装が似合わない。
中でも特に主人公役のジョーイ!!
「フレンズ」を観てて、この俳優の事を知ってる人なら分かると思うのですが…
ヒゲ濃いです!
ガタイ良すぎです!
オマケにアゴが割れてます!!
100歩どころか37万Kmぐらい譲っても、とても女性には見えません!!
っていうかね、女装の為にファウンデーションを塗りたくった上からでも、うっすらと残ったヒゲの青黒い跡が見えてるんですよ…
300m先からでも『女装した男だ!!』とバレそうなイキオイなんですよ…
もう、これだけで「フレンズ」のファンならば爆笑物です。
話の方はコメディ色が強めながらも、一応戦争映画としての基本的な部分は押さえられてる感じで、ストーリーそのものは結構マトモ。
主人公達に課せられた『エニグマ暗号機を奪う』という任務は実は…
という感じで、ちょっとした捻りも効いていて話自体はそんなにツマんなくもありません。
一応、アクションシーンなんかもあるんですが、もともとコメディ色が強い映画なので、アクションはちょっとショボ目。
もうちょっと派手なアクションシーンも絡めて、ジョーイのちょっとだけカッコいいシーンなんかも、きちんと見せて欲しかったなぁ…とは思います。
でも、どんなに真剣にアクションシーンをやられても、主人公が殆ど四六時中女装したままなので、マジメになればなるほどバカバカしさが際立つばかりなのですが…
総評としましては、決して良い出来とは言えないまでも怒り出す程ツマんないって訳でも無い、まあB級テイスト溢れるアクションコメディです。
でも、一般の人がアクションコメディとして観るよりも、むしろ「フレンズ」のファンが『ジョーイ主演のアクション映画』として、お祭り的に観て『騙される』のを楽しむ作品と言えるでしょう。
(実際の話、映画そのものがジョーイというキャラクターを意識して作った作品だと思う…ジョーイならこういう変な映画に出てそうだもん……そして、ロスやレイチェルがそれを観て愕然とするってノリ)
予告を見た限りは『凄く普通のアクション映画』っぽかった(女装したカットなんか全く出てこない)ので、私はすっかり騙されましたよ…
誰が広告を作ったのか知りませんが、まんまとやられた感じです。
実は随分前にビデオで鑑賞してたものの、その後ちょっと忙しかった事もあって感想を書くのをスルーしていたのですが、「フレンズ」の新シリーズ「ジョーイ」放映記念って事で改めて感想なんか書いてみました。