NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パズラー」(65点/冒険ミステリー)

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■■■「パズラー」■■■
(65点/冒険ミステリー)

 オーストラリアの医学生であるトニは、大学の教授の所有しているアルプスの山間にある山荘を、『綺麗に掃除をする代わりにバカンスに利用させて貰う』という約束で、夏休みを利用し遊びにやってくる。

 しかし山荘を訪れた彼らは、山荘の一室で仲間割れをして殺しあったと思われる3人の男の死体を発見し、TVのニュースで男たちが美術品の窃盗団の一味である事を知る。

 警察へ通報しようとした彼らだが、窃盗団たちが500万ユーロもの価値のあるロマノフ王朝の首飾りを持っている事を発見。
 欲に目のくらんだ彼らは、警察が発見する前に窃盗団の死体を山中に隠し、首飾りを横取り出来無いかと画策するが…


 先週に続き、パッケージからし「ソウ」のパクリっぽい印象を受ける、いかにもB級っぽい感じのサスペンス映画かと思いきや…。

 「パズラー」ってタイトルや、パッケージのデザインジャケット等の煽り文句等々…どこを取っても「ソウ」とか「キューブ」もどきの『オチでビックリ系のサスペンス映画』という風に見えますが、実際には「ソウ」「キューブ」とは似ても似つかないタイプの映画です。

 っていうか「パズラー」なんてタイトルが付いていますが、本編にはパズル的な謎解き要素は全くありませんし、ドロドロした展開やスリラー的な怖さもゼロ。

 むしろ、冒険風ミステリ物といった感じのテイストが非常に強く、若者たちが主役のライト感覚で楽しめる『青春冒険ミステリー映画』という表現がしっくりくる映画でしょう。
 ちなみに原題は「Verfluchte BEUTE」で、ドイツ語で『呪われた戦利品』とかなんとかって意味らしいですが、そっちの方が内容をストレートに表してますね。


 …で、予想と全く違ったからと言って、この映画自体がツマんないのか?というと、そんな事は全然無くて『冒険ミステリ物として見た場合は非常に秀逸な作品』と言えます。

 お話全体のテンポも非常に良く、最後まで先の読めない『ハラハラ・ドキドキ』という表現がピッタリ来る様なストーリー展開も面白いです。

 主人公たちのキャラの描き方も悪くないですし、小道具の見せ方やオチの見せ方も十分に及第点。

 向こうだとTV映画で放映された物なのか、全体的に『低予算だなぁ』と感じるシーンも多いですが、逆にライト感覚で統一されてるので、そこまで気にはなりませんし、映画というよりはホントに『良質なドラマ感覚』で普通に楽しめる作品です。

 まあ、確かに『パッケージで騙された』感は強いですが、おかげで逆に先の展開が全く予想できずに素直にお話を楽しむ事が出来たので、コレはコレでありかな?と…
 いやまあ、B級映画ってそういうもんですから。(笑)

 総評としましては、あまり堅苦しくない軽いノリの『ライトな冒険ミステリ物をサクっと楽しみたい』という方には非常にオススメ出来る映画だと思います。
 ホントに、『フツーに面白い映画』という形容がピッタリの映画です。

 ただし、「ソウ」とかみたいなオチでビックリや、観客を騙す見事なトリックや、血も凍るスリラーのようなノリを期待していると、予想とは全く違う映画(っていうか、そんな要素は1ミリも無い)ですので、アクマで冒険ミステリーを楽しむノリで観るようにしましょう。

 まあ、ある意味、観た人間全員が『騙される映画』ではありますね。
 騙されるのが『パッケージで…』ってのが問題ですけど。(苦笑)

 TVサイズで放映されやすそうな作品なので、TV放映を待つのも一つの手ではありますが、秋の夜長に気軽にミステリを堪能したいという人なら、借りてみても良いのではないでしょうか?