NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジョーズ 恐怖の12日間」(65点/生物パニック:結構オススメ)

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■■■「ジョーズ 恐怖の12日間」■■■
(65点/生物パニック:結構オススメ)

 1916年の記録的な猛暑の続く夏の日、ニュージャージー州のヴァカンスで賑わう海水浴場に、突如として出没した人食い鮫によって海水浴客が襲撃され、大怪我を負った男性が死亡するという惨劇が発生する。

 鮫の襲撃の際に救護活動に当たった海水浴場の監視員であるディヴィスは、人食い鮫の危険性をビーチのオーナーや市長へと説き海水浴場の閉鎖を提言するが、街の有権者達は利益を優先するあまりその警告を無視し、『鮫の再度の襲撃の危険性は無い』との公式見解を発表する。

 しかし、実際にはこの事件は人食い鮫によってもたらされる『恐怖の12日間』の始まりにしか過ぎなかったのだった…


 タイトルを見て分かるとおりに、海水浴場に突如出現した人食い鮫の恐怖を描いた生物パニックホラー映画。

 タイトルにジョーズとか付いているけど、本家のジョーズとどんな関係があるんだろう?と思いきや、ジョーズ」の原作者が小説を書く際に参考とした実際の事件というのがあって、その実話をベースとして映画化を行ったのがこの作品らしいです。

 タイトル的にも『いかにも』な感じなので単なるパクり映画かと思いあまり期待してなかったのですが、あまりパクりっぽさも無く、むしろ『現実にこんな事件があったんだ』という再現フィルムを観るような感覚で、意外に面白くてなかなか好感触の作品でした。

 実話をベースとしたお話だけあって、あまり派手な展開は無くインパクトは弱めですが、逆に実話ベースだけあってストーリーにリアリティがあり、子供だろうと鮫に容赦なく襲われるシーンがあったりと、作り話っぽく無い緊張感が上手く表現されています。
 (ホラー映画で子供が襲われるのは結構タブー視される事が多いので…)

 1916年という『ちょっとした過去』を舞台とした生物パニック映画ってのも、余り他に先例が無いジャンルですので、時代背景の描かれ方や美術のセンス、登場人物の大時代的なファッションセンス等もかえって斬新に感じられて、なかなかに面白いですね。

 映画の方はTV映画らしく、あんまり予算がかかってないなぁ…と思うシーンも多く、特に鮫の造型とかCGとかは少々安っぽくて作り物感が漂いますが、まあ許せない範囲では無いです。

 主人公をはじめとした登場人物の描き方もなかなか個性的で、主人公の人間関係を軸としたストーリーの描き方も悪くは無く、主人公と友人の婚約者の三角関係とか出てきた時には『この手の映画で、そんな展開はどうよ?』とも思いましたが、オチの付け方もなかなか上手くてごく普通に面白かったです。

 総評としましては、今ひとつ派手さには欠けるもののTV映画としてTVサイズで観る事を前提に考えるなら、派手さの無い部分もあまり気にはならないため、非常に秀逸で良く出来た生物パニック映画と言える作品です。

 生物パニック系の映画が好きで、ドキュメンタリーテイストのノリに抵抗が無ければ、とりあえず観ておいても損は無い作品でしょう、結構オススメの一本です。

 人食い鮫物のパニック映画って、どうしようもないクソを掴まされる事も少なくないですが、今回はむしろちょっとした拾い物といった感じで、なかなか得した気分になれるような作品でした。