■■■「ワイルド・タウン 英雄伝説」■■■
(55点/アクション)
軍の特殊部隊員だったクリスは、8年間勤めた軍隊を退役し故郷の街へと帰ってくるが、久しぶりに帰ってきた故郷の街で彼が見た物は、新たに作られたカジノのお陰で一見活況を取り戻しつつあるように見えながらも、その裏で治安が悪化し荒廃しつつある街の姿だった。
イカサマの横行し裏で麻薬の取引が行われるカジノや、汚職によって全く機能していない警察。
更には甥っ子がドラッグのせいで病院に運ばれたのを知った彼は、この街から悪の根源を叩き出し街に過去の平和を取り戻す為に、自らが保安官へと立候補し悪と戦う決意をするのだった。
アメリカのプロレス団体であるWWEの花形レスラーで、「スコーピオンキング」に主演した事でも記憶に新しい、ザ・ロック様が主演するクライムアクションムービー。
『プロレスラーの主演する映画ってどうなの?』という疑問もあるかもしれませんが、ザ・ロックの元々スクリーン栄えするキャラクター性に加えて、彼自身が非常に映画慣れしている事もあって、ごく普通にアクション映画として観る事が出来る完成度になっています。
ホント、演技なんかも普通の俳優と変わらないレベルですし、昨今の映画界で肉体派のアクション俳優がパッとしない最近の状況を考えると、もっと彼には活躍して欲しい物です。
本編の見所は、やはりなんといってもアクションシーン。
流石にプロレスラーだけあって格闘シーンなんかはお手の物で、なかなか見ごたえがある内容に仕上がっており、特に角材片手に悪の巣窟であるカジノに単身で乗り込むシーンなんかは、ザ・ロック様の男前っぷりにホレボレします。
ただ、特殊効果なんかは殆ど使用せずに、ホントに肉体を使った体当たりのアクション重視で描かれているせいもあって、アクション映画としては派手さには欠ける部分もあり、ちょっと物足りない感じもあるかな…
ストーリーの方は、1970年代に実在した正義感が強く、街の平和の為にその生涯を捧げた熱血保安官であるビュフォード・パッサーという人物の実話をモデルとしたお話だそうなのですが、ストーリー展開がどうにも『やられたらやり返す』ってパターンの応酬になっており、主人公があまり『正義感溢れる人物』という感じになっていないのが少々惜しいところ。
また上記のようなストーリー展開のため、どうにも話の流れが単調で、あれよあれよといううちに話が進んで行き、『えっ、もう終わりなの?』といった感じで唐突にお話が終わってしまう感もあり、ちょっとあっさししすぎかなぁ?と思う部分も無きにしもあらず。
もうちょっと、なんか『これは!!』といった感じに盛り上げる部分が欲しかったかな?
総評としましては、アクション映画としては可も不可も無く及第点といった感じではありながらも、コレといったオススメポイントに欠ける感じの映画でした。
ザ・ロック様のファンならば、まあ観ても損をするような内容では無いので、気になるなら観ておいても良いでしょう…といった所ですが、アクションシーンでプロレス技とかも特に出てこないですし、もうちょっとサービス的なシーンも欲しかったかも?
個人的には、もうじき公開される予定のザ・ロック様の主演作であるSFホラー映画の「ドゥーム」の方に期待したい所かなぁ?