■■■「フォーン・ブース」■■■
(70点/サスペンス)
ヤリ手のTVマンであるスチュは、ある日の仕事の合間にマンハッタンのとある電話ボックスから浮気相手の女優に電話をしていた所、奇妙な相手からの電話を受けてしまう
電話の相手は彼の事を狙撃ライフルで狙っており、『電話を切ったら殺す』と彼を脅迫するような内容だった。
最初は半信半疑で電話の相手と話していたスチュだったが…
公開当時に話題になったので覚えている人も多いと思いますが、マンハッタンの市街地のど真ん中にある『電話ボックス』のみを舞台に展開される、異色のサスペンス映画です。
舞台が電話ボックスという固定的な視点に対して、『物語の関係者を一同に集合させ、会話劇を続ける事でストーリーを進展させていく』という舞台的な展開の上手さが面白い作品です。
会話劇中心と言うことから、ノリ的には『短編のミステリー小説』的な色合いが非常に強く、見せる映画というよりも『読ませる映画』っぽい印象を受ける内容ですね。
演出や話の流れは悪くないのですがいかんせん舞台が動かないので、ストーリーに大きな進展の無い中盤辺りが若干中だるみする感があるのは、ちょっと残念なところ。
また、サスペンスといっても推理するような要素は殆ど無く、話自体は面白いながらも『見せられてる感』が非常に強いのが辛い所でした。
オチも、なんとなく予想どおり過ぎてちょっと拍子抜けだなぁ…。
総評としましては、基本的に悪くは無いレベルのサスペンス映画だと思います。
ただ、設定の奇抜さに対して、話の方は内容的にもオチ的にも今一つインパクトが弱いかな?って言うのが正直な感想。
全体的に、ストーリーも舞台も全体的なボリュームも非常に小ぶりで軽薄短小なイメージがあるので、逆に『短編のミステリー小説』なんかが好きな人は結構楽しめる作品でしょう。
ちょっと時間が余ってる時なんかに、サラっと流して観るには良いタイプの映画かもしれません。
ミニシアター系の「SAW」や「メメント」みたいな、もっとトンガったタイプのサスペンスを期待してたので、ちょっと物足りない印象は拭えない作品でした。