NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「尻怪獣アスラ」(25点/モンスター映画)

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■■■「尻怪獣アスラ」■■■
(25点/モンスター映画)

 ある日、メキシコのバカンスから帰ってきたヴォルドーは、帰ってきて以来、原因不明の尻の痛みに悩まされていた。
 痛みに堪えかねた彼は肛門科の医師の相談を受けるが、診断の結果、彼は眠っている間に『メキシコシリクイウシガエル』に肛門をレイプされた為に、前立腺感染症によって異常に肥大し余命いくばくも無いと知らされる。

 ショックを受けた彼は、藁にもすがる思いで唯一この病気の治療を行える可能性のあるという、不気味な日本人の医師であるワンサムサキの元を訪れ、そこで放射性物質を用いた怪しげな治療を受けるが、翌日に彼の尻は蛍光色の輝きを放つようになり、その翌日の深夜に目を覚ましたところ、自分の臀部から尻が無くなっているのを発見し愕然とする。

 彼の尻は放射線の影響で突然変異を起こし「尻怪獣アスラ」となって、彼の体を離れて人間を勝手に襲い始めていたのだ…


 イロモノ映画の配給で勇名を馳せるアルバトロス・コアが放つ、新感覚モンスターパニックムービー。

 「アスラ」といってもインド神話に登場する戦神の事ではなく、人間の肉体を離れて巨大化したお尻が、怪獣「アスラ」(お尻=ASSラ)になって街を破壊しまくるという、新感覚というか…斬新というか…なんかもう斬新過ぎて言葉も出ないような映画です。

 ちなみに「アスラ」ってのは日本向けの邦題で、原題では「RECTUMA=直腸(RECTUM)」というこれまたストレートな名前になっており、映画の製作メーカーの名からし「ピロマウント・ピクチャーズ」というパラマウントをモジった名前という念の入り様…っていうかアホですか!!

 尻が巨大化して街を破壊するというバカ全開ネタのインパクトに対して、内容の方は下品な下ネタも多いながらも、基本的には怪獣映画のパロディ。
 主人公が尻に異変を感じてからそれが怪獣になるまでのプロセスを怪獣映画のパロディとして描いているのですが、要所要所に挿入されるギャグのセンスは意外と悪くは無く、観てて寒くなるような内容ではありません。

 特に笑ったのは、小美人っぽい東洋人の双子(?)が出てきて、ことある毎に『アスラの歌』(『モスラの歌』のパロディで「アスラ~や、アスラ~♪」って奴)を歌ってみたり、日本から怪獣退治の専門家を呼ぶんだけど、この人の口パクと英語吹き替えが全くあってなかったりと、怪獣映画好きにしか判らないようなパロディネタが多く仕込まれてる所で、監督も怪獣映画好きなんだなぁ…って事を臭わせるような内容になっており、怪獣映画好きとしてはなかなか好感が持てます。

 惜しむらくは怪獣映画と銘打っておきながら、アスラが大暴れするシーンは本編も結構ラストに近づいてからで、あまり見せ場が多くないって事ですが、いかんせんアスラの外見は『汚いオッサンの尻』で、非常に見苦しい事この上ないですし、アスラの得意技は『人間を肛門から飲み込んで糞まみれにして殺す』という下品極まりない攻撃ですので、ある意味出番が少なくて幸いだったと言えるのかも…

 ちなみに怪獣の特撮はCG合成ですが、こんなものにCGという言葉を使うのはCGに対して失礼だろう…といったレベル。
 しかし、特撮のショボさにツッコミを入れるのがアホらしくなるぐらいに、内容の方は更にバカ丸出しなので、あんまり気にするようなもんでもありません。

 総評としましては、パッケージを見ただけで判るとは思うのですが、おもいっきり下品なバカ映画です。
 ただ個人的には、もっと手に負えないようなクズ映画を予想してたのですが、思ったよりはキチンと怪獣映画らしい内容に仕上がってて、想像以上に楽しめたかな?というのも事実。

 ハッキリ言って興味の無い人はパッケージを手にも取らないような作品だと思うので、オススメするもしないも無いような作品ではありますが…

 とにかく今までに無いような、恐らくは映画史上最大の『お尻』が大暴れするという、イロモノ映画。
 『モノがお尻だけにクソ映画でしょう』…といった感じのオチの付くようなZ級の内容ではありますが、まあこういった下ネタのバカ映画が好きならば、個人の趣味で観ておいても良いのではないでしょうか?

 しかし、小学生辺りに見せたら大喜びしそうな内容の映画だよなぁ…俺が親なら、絶対に自分の子供には見せたくないですが…