■■■「サイオプス サイキック・オペレーションズ」■■■
【総評:7点(10段階評価)】
某ファミ通誌でも好評価を得てたのでタイトルが記憶に残ってる人も多いかもしれませんが、CAPCOMから発売で海外のゲームメーカーであるMIDWAY製作によるサードパーソンシューティングタイプの3Dアクションゲーム。
ゲーム好きな人に分かり易い言い方をするならば、「メタルギア・ソリッド」や「スプリンターセル」みたいなタイプの潜入型アクションゲームです。
基本的には武器を片手に敵の基地へと侵入して、施設を破壊したり敵のボスと対決したりするというお約束な感じの内容なんだけど、最大の特徴は主人公が「X-MEN」ばりの6つの超能力を備えたサイキックエージェントだと言う事。
主人公の使用できる超能力は以下の6つで、それぞれの特徴を簡単に説明すると…
テレキネシス(念動力)
敵兵やマップ上のオブジェクト、アイテム等を念動力で移動させる。
戦闘にもトラップの解除にも大いに利用する、本作の最大のキーとなる能力。
リモートビュー(透視能力)
閉じられた扉の向こう側や通路の先を見通す能力。
敵の動きを観察して不意打ちをかけたり、敵の待ち伏せから身を守る。
マインドコントロール(意識操作)
敵の兵士の意識を一時的に乗っ取り、思いのままに操る能力。
敵を同士討ちにさせたり、罠を解除したりする。
メンタルドレイン(精神力吸収)
近接した状態の敵の精神エネルギーを吸い取る。
吸い取ったエネルギーは、自分のサイキックゲージとして利用できる。
パイロキネシス(人体発火能力)
主人公の腕から火の玉を発射する。
敵兵を攻撃したり可燃物を燃やしたりする。
オーラビュー(霊視?能力)
通常では見えない、不可視の敵や隠された情報を探知する。
姿を消している敵や、隠し扉等が見えるようになる。
といった6つの能力を場合によって使い分け、マップ上に仕掛けられたトラップを解除したり、戦闘を行ったりしてゲームを進めていくというような内容。
具体的にどんな事をするかというと、マインドコントロールで敵兵を操ってロックされた扉を内側から開けさせたり、足場の無くて進めない場所にアイテムを移動させて足場を作ったり…と言った感じで、パズル的な要素をクリアしながら進めていくといった感じになります。
6つの能力の中で特に面白いのが、テレキネシスとマインドコントロール能力。
テレキネシス能力で、遠く離れた敵兵やアイテムを掴んでバンバンと投げ飛ばすのは、慣れないうちは戸惑うもののコツを掴むとなかなかに斬新で快感で、ワラワラと現れる敵の雑魚兵士を、建物の下へと次々と投げ飛ばして倒したり、岩を投げつけて押しつぶしたり、ガスボンベを投げつけて爆発させたり…といった、圧倒的な力で敵を倒したり。
またマインドコントロール能力で敵を操って、櫓の上からこちらを狙ってくる憎たらしい狙撃兵に飛び降り自殺をしてもらったり、敵兵の一人を敵の真っ只中で自爆させて敵兵を一網打尽にしたり…と言った感じの、どっちが正義の味方なんだか分からなくなるような、シスの暗黒騎士ばりの悪逆非道っぷりが発揮できるのは相当に楽しくて、ヤミツキになる事ウケアイ。
マジに暗黒面のフォースに目覚めそうになります。
とまあ、これだけ書いてると『主人公が強すぎてあまり面白くないのでは?』とか思われそうですが…
主人公はいかに強力な超能力が使えようと、肉体的にはただの人なので意外と撃たれ弱くて、ボーッとしてるとアッというまに殺されてしまいます。
結果として『いかに敵から身を隠しつつ超能力を使うかが』非常に重要になり、必然的に超能力を上手く使った立ち回りを覚える事が、ゲーム攻略への早道となるという辺りが、ゲームバランス・ゲームシステム共になかなかに良く出来ており、流石は老舗メーカーだなと感心させられます。
ただ海外ゲームだけあって、難易度や謎解きのバランス等に若干投げっぱなしな部分も多く、何処へ行ったら良いのかよく分からなくなるシーンや、考え無しに回復アイテムを使いまくってるとハマるだろうな…と思うシーンなんかもチラホラ。
特に私は、原子炉の出てくるシーンが何回ヒントを見ても解き方が分からなかったので、絶対に『正しい解き方とは違うであろう間違った解き方』で無理矢理先に進めてしまいました。
まあ、そういう無理矢理な進め方が出来てしまったりする自由度の高さも、いかにも海外ゲームらしい点ではあるのですが…
一応、日本版移植にあたって難易度が下がってるんだろうなとは思われる部分も結構ありますし、Normalでプレイした限りでは殺人的な難易度のシーンなんかは特にありませんでしたので、十分に洋ゲーに慣れてないプレイヤーにも普通に遊べる範囲でしょう。
ただ、全体を通して遊んでみての最大の不満点は、プレイ時間が意外と短いと言う事。
クリアだけを目指してプレイしたとしたら、特にゲームが得意じゃ無い人でも10数時間もあればクリア出来てしまう程度のボリュームで、あっさりとクリア出来てしまうのは寂しい限り。
クリア後のオマケで、主人公以外の別のキャラが使えるようになったりするものの、どのキャラ使っても見た目が変わるだけで能力は全く同じですし、Hardランクにしても敵がちょっと強くなる程度であんまり変わり映えがしないので、今ひとつ面白味に欠ける為に、2周目プレイのモチベーションが維持できないのは辛い所です。
もうちょっと、1周クリアの後にも遊べる要素が沢山あれば、最高のソフトだったんだけどなぁ…
総評としましては、洋ゲーが好きな人ならば文句無くオススメで、そうでなくてもゲーム内容に興味がわいた人なら十分にプレイしてみる価値のあるタイトルと言えます。
超能力を駆使して敵を倒していくという感覚の新鮮さや、ゲームとしてのプレイアビリティの高さは、最近のゲームでは珍しい『ゲームとしての面白さ』を再認識させられる感覚で、この手の潜入型アクションが好きならば是非とも味わって貰いたい作品ではあります。
特に、悪逆非道の限りを尽くしフォースの暗黒面に目覚めてみたい人は是非。(笑)
ただ前述のとおり、ゲームのボリューム的にどうしても不満が出てしまう内容ではありますので、若干値崩れした頃に買うのがオススメかも?
将来的に<Font Size=3 Color="B