NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ルール 封印された都市伝説」(60点/スラッシャーホラー)

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■■■「ルール 封印された都市伝説」■■■
(60点/スラッシャーホラー)

 高校の新聞部のサマンサは、ある日部活の仲間と一緒にパジャマパーティをして過ごした夜に、35年前に自分たちの通う高校で殺されたとされるブラッディ・メアリの都市伝説の噂を知り、冗談でブラッディ・メアリーを呼び出す儀式を行う。

 しかし翌日の朝に目を覚ました彼女たちは、気付かぬうちに見知らぬ倉庫へと運ばれているという怪現象に遭遇。

 薬物を飲まされて眠っている間に運ばれたらしいと知ったサマンサは、自分たちが学校新聞にスキャンダル記事を載せたラグビー部の仕業であると勘ぐり、原因の調査を開始するが、時を同じくして彼女達がスキャンダルを書きたてたラグビー部の部員たちが奇妙な事故で次々と死亡するという怪事件に遭遇する…


 都市伝説をモチーフとした連続殺人を描いて話題を呼んだ「ルール」シリーズの最新作に当たる、スラッシャーホラー映画。

 日本では「ルール」シリーズは「ルール4」まで出てるんだけど、本作は3や4のような邦題のみを無理矢理つけた『なんちゃって続編』ではなく、本家本元の「URBAN LEGENDS」シリーズの最新作に当たる正当な新作のようです。

 しかしタイトルが「URBAN LEGENDS 3」になってないのは、今回は今までのシリーズとはちょっと毛色が異なるブラッディ・メアリという新たなフィーチャーが登場している事。

 この『ブラッディ・メアリ』というのは、アメリカに伝わる都市伝説の一つで、深夜に鏡の前で「ブラッディ・メアリ、ブラッディ・メアリ、ブラッディ・メアリ」3回唱えるとと、鏡の中からブラッディ・メアリの霊が現れて、鏡の向こうの世界へと連れ去られるという物。
 どことなく「キャンディマン」の都市伝説に似ていますが、本編内でもその事にはツッコミが入っており、『ブラッディ・メアリがベースとなって、キャンディマンの伝説が作られた』と説明されているのですが、ホントの所は良く分かりません。

 「ルール」シリーズというと、都市伝説をモチーフとした殺人というのが最大のウリとなる訳ですが、本作でもそのノリは健在です。
 しかし3作目ともなると流石にネタ切れなのか、『その死に方は有り得んだろう』…というような殺され方がやたらと多く、都市伝説の盛り込み方も少々強引過ぎてて面白味に欠けるかなぁ?といった部分は気になる所ですが、それでもまあそれなりにネタとしては工夫してるので許せる範囲でしょう。

 また今までのシリーズとの最大の違いは、本作では前述の『ブラッディ・メアリ』という明らかに人知を超えたオカルト的な怪物が存在し、これが殺人を犯すという点。

 ただし、ブラッディ・メアリが登場する事で完全に心霊ホラーと化してしまったのか?と言うとそうでもなく、ブラッディ・メアリにまつわる主人公の通う高校の過去に隠された秘密とは…といった部分を上手く謎解き要素として持たせている事で、今までのシリーズの学園スラッシャームービー的な雰囲気を損なわずにストーリーを成り立たせているのは非常に上手い所。
 まあ、そこまで大層なミステリでも無いので途中でオチは読めてしまう物の、サスペンスとしての完成度もなかなか高いです。

 ちなみに、このブラッディ・メアリのキャラクターが日本で言うところの貞子とか伽椰子似のキャラで、床を這いながら被害者に迫ってきたりと思いっきり影響を受けているのが見て取れるのはなかなか面白くて、アメリカの都市伝説を扱った「ルール」と日本の都市伝説を扱った「リング」とが、意外な形で融合を果たして新たなキャラを生み出すというのは非常に興味深い所ですな。

 総評としましては、いかにもB級といったノリながらも、意外と普通に面白い掘り出しもの的なB級ホラーの佳作と言えるような作品です。

 ただし、今までのシリーズに比べるとどうにもオカルト色が強くなってしまった感はあるので、シリーズが好きだったという人には微妙かもしれませんが、普通にホラー好きな人ならば普通に見ておいても損は無い作品だと言えるでしょう。

 最近は、こういった堅調な完成度の謎解き系の青春スラッシャーホラーって少なくて、悪魔のいけにえ型の追っかけられ型作品が多かった事もあり、かえって新鮮な感じでしたので、青春スラッシャーホラー系のノリの作品が好きな人には特にオススメの一本ですよ。