NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「Z Bull ゼット・ブル」(65点/パニック:結構オススメ)

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■■■「Z Bull ゼット・ブル」■■■
(65点/パニック:結構オススメ)
 
 マシンガンからミサイルまで、ありとあらゆる武器を生産する巨大軍事企業であるアモテック社に勤めるデズモンドは、ブラックな経営陣に辟易としつながらの不真面目な勤務態度からリストラ候補に挙げられながらも、自堕落に勤務を続けていた。
 
 そんなある日、いつものように会社に遅刻していった彼は、社内の様相がどこかおかしい事に違和感を感じながらも、上司の部屋へと報告書を提出に向かうが、そこで上司によって殺された幹部社員の死体を発見。
 驚いて逃げ出そうとするが、社内のいたるところで殺し合いの大乱闘が始まっている事に気づく。
 
 社員の狂暴化の原因が、無料配布された試作品の兵士向けのエナジードリンク「ゼット・ブル」であると知った彼は、エナジードリンクを飲まなかった同僚たちと共に、なんとかして大混乱状態の社内から脱出しようとするが、非常事態を察知したビルは防弾製のシャッターによって閉ざされてしまい…
 

 とある兵器工場のオフィスビルで試作品の軍用エナジードリンクを飲んだ社員たちが狂暴化してしまい、難を逃れた主人公たちがなんとかしてビルから脱出しようとする…という、バイオレンス風味のアクションホラー映画。
 
 つい1年ほど前にも『狂暴化して暴走した社員の襲撃を生き延びつつオフィスビルを脱出する』という同じような設定の「Z Inc. ゼット・インク」という映画がありましたが、ノリとしてはそちらの作品とかなり似た感じの内容のお話です。
 
 というか、あちらはウィルスでこちらは薬品という違いはあるものの、『ゾンビ化ではなくて狂暴化』といった設定やら、閉鎖されたビルから脱出するために役員の居る最上階を目指すといった部分等、プロットやら構成やらがかなり似ているのですが、たまたまなのか実際にインスパイアされて作られた作品なのかは不明。
 ただ、どちらも期待よりも意外と良く出来た作品だったというのは、嬉しい共通点といった感じ。
 
 お話としては『試作品のエナジードリンクを飲んで狂暴化した社員の徘徊するオフィスビルから、主人公たちがなんとかして脱出の方法を模索する』という直球ストレートな感じのストーリーなのですが…
 単なる『ゾンビ化』じゃなくて『感情を刺激して激昂させると暴れだす』みたいな設定のお陰で、感染者相手に口八丁手八丁でなんとか難を逃れようとする展開があったりと、色々と単純なサバイバルホラーではない感じの捻りが効いてて面白いです。
 
 オフィスが舞台なだけあってブラック企業ネタも満載で、まさに『ブラックなユーモア』が良く効いており、あちこちにクスりとさせてくれるネタが仕込まれていてなかなか笑わせてくれます。
 
 お話の流れも最初から最後まで終始ハイテンションで、またシーン毎に見せ場やら見せ方が工夫されており、非常にテンポ良く楽しませてくれるのも良い感じ。
 
 特にラストのヤケクソ気味の派手な展開は『これぞB級映画』って感じのお馬鹿っぷりで、なかなかの見応えのある内容でしたよ。
 
 ただ全体的に良く出来ていたのですが、ノリが『お馬鹿なB級ホラー映画』然としすぎてて、お話の深み(というか中身)や怖さが全く無いのは人によって好みが分かれるところかも?
 それと、1年前に観た「Z Inc. ゼット・インク」とプロットが似すぎていて、物凄い既視感があったところもやや気になったかなぁ?
 
 あと、どうでもいい事ですが、ラストで完全に存在を忘れ去られていた『科学者』の同僚がどうなったのか、ちょっと気になってしまったのは自分だけですかね…
 

 総評としましては、なかなか良く出来た『佳作レベルのブラックユーモア系アクションホラー映画』って感じの作品ですね。
 
 とにかく『ハイテンションなノリのお馬鹿系ホラー映画』を観てみたいというのであれば非常に需要にマッチした作品だと思いますので、そういう映画が好きであれば観ておいて損はない一本ではないかと…
 
 良い意味でも悪い意味でも『非常にB級らしいホラー映画』ですので、そこまで強くオススメはしませんが、ブラックな会社に辟易して不満を抱えている人であれば良いストレス解消になる作品だと思いますので、なかなかオススメですよ。