NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホステル ネクストレベル」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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「ホステル ネクストレベル」
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 刑事を夫に持つ医師のホリーは不倫相手であるエベレットと密会するために、彼が予約した山中のリゾートホテルへと訪れる。

 しかし、その場所には先に彼女の夫であるラッセルが訪れており、エベレットを拘束。
 彼の妻と娘を監禁しており、言う事を聞かなければ二人を殺害するという脅迫を受けていた。

 ラッセルはエベレットにホリーと普通に過ごし、彼女をホテルの部屋から出さないように要求するが、時を同じくしてホリーには彼が殺人鬼であるという情報を流して彼女を混乱させる。

 やがて、同じ部屋でそれぞれ別の指示を受け取った彼らは、疑心暗鬼に陥りお互いに相手の態度に疑いを抱きあうようになっていき…
 
 
 それぞれに不倫相手とホテルで密会をする事になった男女が、女性側の夫から脅迫を受けて奇妙な『ゲーム』へと参加される事となっていく…という、サスペンス風味のシチュエーションスリラー映画。

 タイトルに「ホステル」と付いていますが、当然のようにイーライ・ロス監督のゴアホラー映画である「ホステル」とは全く関係のないお話です。

 というか、本作は謎解きがメインのシチュエーションスリラー映画という感じの作品で、作品の方向性すら1ミクロンの関連性もありません。

 しかも『なんちゃってシリーズもの』みたいなタイトルの割には、実際の中身の方は意外なほどに良く出来た謎解き系のスリラー作品なので、何を思ってこんなタイトルを付けたのかマジで意味不明なレベルです。(ゴア映画を観たくて借りた人がコレを見せられても、流石に当惑しちゃうと思う…)

 お話としては『とある不倫をしている女性が山中のリゾートホテルで間男と密会するんだけど、実は女性側の夫によって間男の妻と娘が拘束され間男は夫の指示に従って不審な行動を取らされており、さらに女性が「間男が実は殺人鬼だ」という奇妙な噂を聞かされた事からお互いに疑心暗鬼に陥っていく』というような展開。

 同じ密室でそれぞれに『違った指示』を受けた男女が、混乱して疑心暗鬼に陥っていくという展開はシチュエーションとしてなかなか面白いですし、それぞれに出される『指示』が上手い具合に二人が対立するように仕込まれていて、二人の疑心暗鬼を生じさせるようなやり取りに、なかなかハラハラさせられます。

 またネタバレになってしまうのであまり多くは語れませんが、単なる一発ネタ系のワンシチュエーションスリラーかと思いきや、中盤辺りからどんでん返し的な意外な展開なんかも仕込まれており、全く先の読めない流れになっていくのも面白いですね。

 お話も全体的にスピーディでテンポもなかなか良くて、終盤~ラストへかけての伏線の回収なんかも良く出来ていますし、シチュエーションスリラー系作品の割にはオチがシッカリしているのも好印象。

 ただストーリーは面白いのですが、いかんせん『ホテルの一室』という密室を舞台にした作品なので『会話劇』的なシーンが多くて、全体的に山場となるようなシーンが少なく、やや盛り上がりに欠ける感があるのは残念なところ。

 会話劇でも、もっとヒリヒリした緊張感みたいなものがあれば良かったのですが、全体的に何だかまったりした感じの空気感があって、やや危機感に欠けるんですよね。

 あと、ラストの落としどころも悪くない感じではありましたが、オチはもうちょっとパンチのある展開でも良かったかなぁ?という気も…
 
 
 総評としましては、なかなか良く出来た『佳作レベルの謎解き系サスペンススリラー映画』って感じの作品です。

 地味な内容ですので強く推すほどかと言われると悩ましいですが、謎解き系のサスペンスとかが好きな人であれば普通に楽しめる作品だと思いますので、気になっているのであればチェックしてみても良い感じの一本ではないでしょうか?

 ただ、「ホステル」というタイトルに釣られてしまった場合は、「ホステル」のようなゴア系の要素とかは欠片も感じられないレベルですので要注意ですよ。(まあ痛そうなシーンぐらいは若干ありますけど…)