■■■「ドント・リサーチ 恐るべき素顔」■■■
(50点/サスペンス)
(50点/サスペンス)
翻訳の仕事しているエスターは、同棲相手である恋人のロベルトの最近の行動が不審な事から、その理由を探るために彼を尾行する事となる。
彼が見知らぬ女性と親し気に合流して、郊外の別荘のような場所へと連れ込んだのを観た彼女は、ショックのあまりその日は逃げ帰ってしまうが、事実をロベルトに問いただすことも出来ずに、悶々と一夜を過ごしてしまう。
翌日に、確認のためにその別荘のような場所へと密かに訪れた彼女だったが、その場所は想像とは違う廃墟のような奇妙な場所で、更には地下室に昨日の女性がボロボロの姿で監禁されているところを発見。
驚いたエスターは女性を救出するために助けを呼ぼうとするが、そこにロベルトが帰ってきてしまい…
恋人の浮気現場を目撃した女性が浮気の証拠の確認のために現場に訪れたところ、実は恋人は『女性を監禁して拷問して殺害する殺人鬼だった』という事が判明する…という、サスペンススリラー映画。
いわゆる『浮気していたと思っていた恋人が、実は女性を監禁して殺す連続殺人鬼だった』という、ちょっと怖い設定の監禁系のサスペンススリラーですね。
なんかタイトルが「ドント・ブリーズ」辺りの類似作品っぽい雰囲気を漂わせていますが、実際の中身の方は特に類似点はなくて割とオーソドックスなノリのサスペンス映画といった感じの作品です。
『恋人やら知人やらが実は殺人鬼だった』という設定そのものは特に目新しいものでも無いですが、単純なスリラー映画よりは主人公の心理描写やらが強めの作りになっており、なんとなく欧州系(主にフランス)のサスペンス映画っぽい『雰囲気映画』的なテイストが感じられる作品という印象。
なりゆきで恋人を監禁する事になった殺人鬼と、恐るべき恋人の本性を知ってしまった女性との、お互いに『相手にまだ情はあるんだけど殺さないとならない/戦わないとならない』というやり取りが独特の空気感を出していて、いわゆる普通の監禁型のサスペンスとは一味違った雰囲気を醸し出しているのは面白いですね。
お話が動き出してからの展開もなかなかテンポが良くて、そこまで意外性は無いもののハラハラさせる展開で楽しませてくれます。
ただ、尺が短めなのに加えて人間ドラマ的な要素に力を入れたせいか、サスペンスの要素が非常に薄くてなんというか淡泊な作りになってしまっているのは困りもの。
殺人鬼の恋人の異常性がそこまで強く感じられないですし、怖がらせるシーンもアッサリしすぎなせいで、いま一つ恐怖度が低くなってしまっているんですよね。
そのせいもあってかラストのオチもそこまでのインパクトを感じられませんでしたし、もうちょっと恋人の異常性を濃く描いて『怖がらせる』要素をシッカリと盛り込んだ方が良かったんじゃないかと…
総評としましては、そこそこ普通に観れるレベルの『独特の味わいのあるサスペンススリラー映画』って感じですかね。
強くオススメするほどではないですが、この『殺人鬼とその恋人の関係性』という『独特の空気感』が好きな人であれば、割とそれなりに楽しめる映画という感じではないかと思います。
ですので、そういう雰囲気映画系のサスペンスが好きで、気になっているようであればチェックしてみても良いのではないでしょうか?