■■■「ハンターキラー 潜航せよ」■■■
(65点/アクション)
(65点/アクション)
バレンツ海沖でロシアの原潜を追跡任務中だった米国の潜水艦タンパ・ベイが、ロシアの原潜ともども唐突に行方不明となる事件が発生。
同じ頃、事件に不自然なものを感じたアメリカ軍は、ネイビーシールズの特殊部隊をロシア領内に極秘の偵察任務へと派遣。
その調査によりロシア国内で全世界を揺るがすような巨大な陰謀が企てられていることが判明する。
この未曽有の危機を防ぐために、原潜アーカンソーは敵軍と防衛兵器のひしめくロシアの軍港へと侵入し、実現不可能なミッションへと挑む事となるが…
「U・ボート」やら「レッドオクトーバーを追え」やらに代表されるように、潜水艦ものの戦争映画には名作が多いと言われているジャンルですが、本作もご多分に漏れずになかなか良くできた作品ですね。
劇場公開された作品だけあって内容的にも割とシッカリと作られたものとなっており、大作レベルとまでは行かないもののB級と呼ぶにはやや失礼なレベルかも?
お話としては『行方不明になった友軍の救助のためにロシアの領海に侵入した原子力潜水艦『アーカンソー』が、ロシア軍部の起こしたクーデターによってとんでもない陰謀と未曽有の危機に巻き込まれていく』みたいな感じのストーリー。
ノリとしてはアクション映画的な要素が強めで、非常に展開が早くて『任務に出発したと思ったら10分後にはもう現地に到着して戦闘を始めてる』ぐらいのイキオイでお話が進んでいくので、非常にテンポ良く楽しめる内容となっています。
逆に「レッドオクトーバーを追え」とかみたいな、世界情勢やらを背景として描いたリアリティやらシリアスさはあまりなくて、アクマでエンターテインメントに寄った作品という印象。
ただエンタメ寄りな内容だけあって、戦争アクション映画として観るととにかくイキオイがあって面白いのは良いところ。
海では敵潜水艦や駆逐艦との戦闘シーンが描かれつつ、地上では並行して特殊部隊の戦いが描かれてみたりと、非常に盛りだくさんな内容で楽しませてくれます。
お話のスケールが無駄にデカすぎて一部で『そんなアホな…』とツッコミを入れたくなるような部分があったり、潜水艦の戦闘シーンが演出重視のせいで割と大雑把だったり、CGが大作に比べるとやや安っぽさを感じさせる部分があったり…
と言った具合に多少の不満を感じる要素もあるものの、潜水艦もののお約束である『深海での戦闘の緊張感』とかはシッカリと表現されていますし、アクション映画として観るならば総じて良く出来ています。
ただ欲を言えば、もうちょっと『深海らしいプレッシャー』を感じる演出は強めでも良かったかなぁ?
戦闘のスピーディな緊張感とかはあるのですが、潜水艦もの特有の『見えない敵と戦う緊張感』とかは、ちょっと弱かった印象。
終盤の展開なんかも無駄に熱くて良い感じですし、主演のジェラルド・バトラーも非常に良くハマっていて、非常にスッキリと楽しめるエンタメ作品でしたよ。
総評としましては、普通に良く出来た『佳作レベルの潜水艦もの戦争アクション映画』という感じの作品ですね。
最近はあまり新作が作られていなかったジャンルですが、こういうジャンルが好きならば十分に楽しめる程度の完成度の映画だと言えるでしょう。
サクッと戦争アクションものを楽しみたいのであれば、そこそこオススメできる内容だと思いますので、気になっているのであればチェックしておいて損はない一本ではないでしょうか?