NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デッド・クリフ」(35点/サスペンス)

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■■■「デッド・クリフ」■■■
(35点/サスペンス)

 北アメリカのブライトンロックという山岳自然公園で、期間限定で働く落ちこぼれの新人レンジャーであるウェンディは、自分がキチンと仕事をこなせるという事を認めて貰いたくて、友人のマヤに代わって険しい山道のトレイルコースにチラシを貼ってまわるという仕事を引き受ける。

 しかし道中で現在地を見失い道に迷った彼女は、コースに戻るべく山頂を目指して山中を歩くうちに、山頂付近で事故死したと思しき奇妙な男性の死体を発見する。

 驚いた彼女は急いで本部に無線で連絡するものの、詳しい現在地が分からず救援と警察の到着を待つためにその場所で待機する事を指示されてしまう。

 日が暮れ更に無線が故障してしまったため、連絡もできないまま渋々と死体のそばで一夜を過ごす事となった彼女だったが、死体の状況から単なる滑落死ではなさそうな事が判明。
 更には死体の近くにクマの巣穴らしき洞窟を発見し…
 

 新人レンジャーの女性が山中で道に迷った挙句に不気味な死体のそばで一夜を明かすことになってしまう…という、サスペンススリラー映画。

 10年ぐらい前に同じようなタイトルの、登山を題材としたフランス製のサスペンス映画がありましたが、もちろんそちらとは何の関係もない作品です。

 パッケージを見ると『人食い熊が云々~』みたいな事が書かれていますが、生物パニック的な要素はあまり強くなくて、お話としては『ドジな新人レンジャーに次々とトラブルが襲い掛かり、更には深夜の山中で不気味な死体と共に一夜を過ごす事となった不安から、かつてない緊張と恐怖を味わう事となる』みたいな感じの展開。

 ノリとしてはサスペンス要素が強めの内容で、遭難したうえに機材の故障によって状況が悪化したり、『死体が殺人事件に巻き込まれたものかもしれない』と本部から聞かされたところに、死体のそばに『謎の男』が出没して不安に駆られたり…といった感じで、色々なトラブルがあって主人公の不安と恐怖が拡大していくという感じでお話が進んでいきます。

 ただ、主人公が陥るトラブルの大半が『ドジで適当な性格の主人公が勝手にミスをした事』によって引き起こされるもので、緊張感が高まるというよりも『お前、どう考えてもレンジャーに向いてないわ』とツッコミを入れたくなるような内容なせいで、いま一つ盛り上がりに欠けるのは困りもの。

 『謎の男』の正体が実は殺人鬼なのかも…というサスペンス的な要素に関しても全体的に弱めで、『事件が起こったと思ったら主人公の夢だった』とか『恐怖に囚われた主人公の見た幻だった』みたいな展開の連続で、あまりの事件の起こらなさ途中からちょっとダルくなってきます。

 お話のテンポもあまり良くなくて、ダラダラと無駄に過ごしているだけの時間が長めですし、もうちょっとキレのある展開でも良かったんじゃないかなぁ…

 また主人公がヘタレなうえにドジすぎて、作中でトラブルが発生しても緊張感を感じるべきなのか笑うべきなのか分からず、あまり同情できないようなノリになってしまっているので、主人公はもう少し感情移入できる程度の魅力のあるキャラにして欲しかったかも?
 
 ラストのオチなんかはちょっと捻りが効いてて面白かったのですが、ちょっとグテグテ感が目立つせいでオチのパンチが弱くなっている気がするので、全体的にもう少しシリアスなノリでも良かった気がしますよ…
 

 総評としましては、どうにも『中途半端で盛り上がりに欠ける印象の山岳系サスペンス映画』って感じの作品ですね。

 正直、スリラーとして観てもパニック映画として観てもどちらとしても弱く、いま一つ印象に残らない作品という感じなので、あんまりオススメするほどの要素は無いかなぁ?

 全体的にダルい作りだという以外はそこまで悪い部分がある訳でも無いため、何かの片手間にダラダラと観る程度であれは良いかもしれないので、定額サイトとかで配信されたらチェックしてみるぐらいでも十分な一本かもしれません。