■■■「アガサ」■■■
(55点/サスペンス)
(55点/サスペンス)
世間を捨てざるを得なくなった女性が集まる『駆け込み寺』的な修道院に逃げ込んだ女性が、その場所で恐るべき秘密に触れることとなるという、サスペンススリラー映画。
「ソウ」シリーズの2~4を撮ったダーレン・リン・バウズマン監督による新作ですが、いかにもバウズマン監督らしい良い意味でも悪い意味でも物凄く気分の悪くなるような映画ですね。
お話としては『1950年台のアメリカで、妊娠したものの家庭の事情等で『駆け込み寺』的な修道院に逃げ込む事となったとある女性が、その修道院に隠された『闇』とも言える恐るべき秘密に触れる事となる』みたいな感じのお話。
メインのストーリーは、主人公の女性が『この修道院に来ることになった理由』を振り返りつつ『修道院に隠された恐るべき秘密』に迫っていくみたいな謎解きサスペンスなのですが、この舞台となる修道院がとにかくブラックな施設で、『ブラック』どころか『暗黒修道院』ってぐらい酷い場所なのがとにかく怖いです。
異常に厳しい戒律に加えて異様なまでの監視体制に、ルールを守らない人間には激しい暴力による指導で従わせるという、『刑務所でももうちょっとマシだろ』と感じてしまうような暴力的支配で生理的にも色々と辛いシーンの描写が多め。
主人公の女性の背景となるストーリーもなかなかに酷い内容で、お話が進むにつれて救いの無さが加速度的にアップしていき、色んな意味で非常にストレスのかかる内容という感じ。
でも単純に『女性たちが虐待的な支配を受ける酷い話』というだけのバイオレンス映画みたいな内容ではなくて、サスペンス的に『修道院に隠された秘密とは?』といった部分の謎解き要素なんかもシッカリと作られていますし、中盤以降の先の読めない展開も良い感じで、お話としては割と面白いんですよね。
ただ終盤までがシッカリしてる割には、ラストの展開がちょっとご都合主義的で矢鱈と唐突な印象があったので、もうちょっと終盤に向けての伏線的な要素はあっても良かったかなぁ?
あと、無駄に痛そうな描写が多いのは好みが分かれそうですが、いかにもバウズマン監督らしい部分と言えるかも…
総評としましては、まあまあ良く出来てるんだけど、それ以上に『矢鱈とエグい部分が目に付くサスペンススリラー映画』って感じの作品です。
良い意味でも悪い意味でもエグくてストレスの溜まる内容なので、『嫌な気分』に浸りたい人や『精神が追い詰められる系のサスペンス』が好きな人ならば、チェックしてみても良いかもしれません。
「ソウ」シリーズのの2~4辺りほどはエグくないですが、バウズマン監督ちょっとサディスティックでエグい系のノリがお好みであれば本作もどうぞという感じでしょうか?