■■■「デッド・ウィッシュ」■■■
（４５点／オカルト）
（４５点／オカルト）
突然の父の訃報を受け取った弁護士のアーロンは、父の葬儀のために数年来に渡り連絡を取っていなかった実家へと帰る事となる。
疎遠にしていた母や近隣の住民の態度に疎外感を感じながらも、骨董商であった父の遺品を整理していたところ、遺品の中から異様な雰囲気を放つ奇妙な壺を発見。
彼がその壺を手にしてから、宝くじに当たる等の異様なまでの幸運が彼の身の回りに起こるようになり、同時に彼がうとましく感じていた隣家の犬が何者かに惨殺されるといったような、不気味な事件も相次いで起こるようになっていき…
『手にしたものの願いが叶う』奇妙な壺を手に入れた男が、自らの願いによって不幸に見舞われていく…という、オカルトホラー映画。
いわゆる魔神によって叶えられる『〇つの願い』（本作の場合は七つ）を題材とした、割とありふれた感じのネタのオカルトサスペンス映画ですね。
というか、お話のプロットやらネタやらがあまりにもどこかで見たような既視感の強い内容のため、途中まで『これって何かのリメイク作品だっけ？』とか真剣に考えながら観てしまいましたよ…
（実際には特にそういう訳でも無さそう？）
お話としては、『骨董商だった父親の遺品から「奇妙な壺」を手に入れた青年が、それ以降に次々と『願い』が叶うようになっていき、その『願い』によって不幸に陥っていく…』というようなストーリー。
青年の願いが『宝くじに当たって大金を手に入れる』といったものから始まり、『死んだ筈の父親が帰ってくる（もちろんゾンビとして）』といったような定番のものも含めて、『不幸（不本意）な形で願いが実現していく』というお約束的な展開。
ありがちな展開ではあるもののお話としては特に悪くなくて、『次にどんな形で願いが叶うんだろう？』とか予想しながら見るのは、なかなか楽しいです。
ただ、全体的にお話のテンポがあまり良くなくて、主人公の周辺の妙にギスギスとした人間関係を描いたダラダラとしたシーンが妙に長いうえに、要所要所で起こる『願い』によって引き起こされる怪奇現象もそこまでインパクトが無いものが多いせいで、いま一つ盛り上がりません。
終盤の『謎解き』に突入してからの展開はそこそこ面白いのですが、そこまでが割と長くてどうにも冗長さを感じてしまいましたよ。
『〇つの願い』系のネタとしても定番的な展開が多すぎて、本作ならではといった要素が感じられないですし、何かもうちょっと際立つ個性のようなものがあればなぁ…という印象。
オチの落としどころなんかは、割と悪くなくて好きな感じではあったんですけどね…
ちなみに本作のタイトルは、発売日のタイミング的に「デス・ウィッシュ」（「狼よさらば」のリメイク）の類似タイトルっぽい感じで邦題を付けているようですが、ジャンルも方向性も全く違う作品なので、むしろ「ウィッシュマスター」辺りの類似作っぽいタイトルを付けて置いたほうが、ホラーファン的には注目度が上がったんじゃないか…という気がしたのは自分だけですかね？
総評としましては、どうにも『ありきたりすぎて印象に残らない感じのオカルトホラー映画』って感じですかね？
出来が悪いという訳ではないのですが、ネタが非常に既視感を感じる内容なうえに本作ならではという程の特徴も無いため、敢えてオススメできる要素があるかと言われると微妙なところ。
慌てて観るほどのものでも無いと思うので、よほど気になっているのでなけれは定額のネット配信等で配信されるのを待つ程度で良い作品ではないかと…
