NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」を観てまいりました。

f:id:uei_nanigashi:20191109115015j:plain

 劇場にてIT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」を観てまいりました。

 今から30年ぐらい前に制作された「IT/イット」のリメイクである、IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編にあたる作品で、前作の後編であり完結編となるお話です。

 ストーリーとしては、オリジナル版と同様にホラー版「スタンド・バイ・ミー」のような『少年編』の続きとなる内容で、前作でなんとか謎の殺人ピエロ『ペニーワイズ』を撃退した主人公たちでしたが、それから27年後に再び彼らの前に復活した『ペニーワイズ』が出現。
 仲間たちを守り怪物にトドメを刺すために、主人公たちが再び怪物と相まみえる…といった感じの展開。

 前作が「IT/イット」の『少年編』だとしたら、本作は『中年編』といった赴きですね。

 ちなみにIT/イット」のオリジナル版では、少年編と中年編のお話の時間軸のある程度が交錯するような描かれ方をしており、主人公たちの人間関係とかが非常に分かりやすかったのですが、リメイク版の本作では『少年編』と『中年編』が時系列に沿って描かれているうえに、前編と後編で公開にタイムラグがあるせいで人間関係とかがやや
分かりにくくなっている印象。

 ただその分かり難さを解消するために、過去の回想的なシーンを多めに入れる事で前作のストーリーやら設定を忘れかけている人にも理解しやすいように配慮されているのは、なかなか上手い作りだと思いました。(というか、ぶっちゃけ自分はちょっと忘れかけていた。(笑))

 また、TV映画だったせいでやや予算不足が感じられたオリジナル版と比べて、本作ではホラー描写とか怪奇現象がテンコ盛で、とにかく次から次へと様々な怪奇現象が主人公たちを襲うという『怪奇現象の満貫全席』みたいな状態のため、とにかく見どころが満載で楽しませてくれるのは良い感じです。
 また、オリジナル版では物凄いグテグテだった『ペニーワイズとのラストバトル』がシッカリと補完されて迫力のある内容になっていた事も、本作の良い点の一つと言えるでしょう。(それでも、旧作を妙に意識したっぽい部分でちょっとグテグテ感はあったけど…)

 ただ不満点を挙げるとしたら、映画本編が『とにかく長い』ということ。
 尺が3時間弱ぐらいあるせいか、全体的にダラダラしたシーンが妙に多いんですよね。

 特に中盤の『主人公たちの過去のトラウマを辿る』みたいな回想シーンは、『それ、前作でも同じことやったよね?』みたいな感じで、正直かなりダレてしまいました。
 主人公たちのキャラクターを丁寧に描写したかったのかもしれませんが、全体的にもうちょっとコンパクトにまとめられなかったものかなぁ…と感じました。

 それに加えて『矢鱈と濃い主人公たちのキャラの描き込み』に対して、ペニーワイズのキャラの描き込みが弱くて、1作目よりもペニーワイズの影が薄くなった印象があったのも残念なところかなぁ?

 あと、前作でも言った事ですが、リメイク版のペニーワイズはオリジナル版と比べると、中の人のイケメンが透けて見えるせいか、『妙にカッコ良くて怖さが足りない』気がするのは物足りないところなんですよね…
 むしろ本作のペニーワイズは、もうちょっと『カッコいい狂気』を押し出した演出があっても良かったのかも?
 

 総評としましては、前作の続編としては非常に良く出来た『物凄く盛りだくさんな内容の完結編』といった感じの作品ですね。

 前作を観て続きが気になっている人は、完結編として十分に観ておく価値はあると思うのですが、『ちょっと長い』というよりは『物凄く長くてガッツリ観るには割と気力が必要』なレベルなので、割と気合を入れてから観に行く事をオススメしますよ。
 (というか長すぎて疲れるので、そこまで気合を入れたくない人はレンタルビデオとかが出てからゆっくり見ても良いかも?)

 それと割とどうでもいい話ですが、『排水溝からペニーワイズが顔を出すシーン』が、パロディ動画が作られすぎたせいで『主人公が排水溝を覗き込むだけで笑いがこみ上げて来そうになる』のは思いがけない弊害でしたよ。(笑)