NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「パラサイト 禁断の島」(55点/サスペンス)

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■■■「パラサイト 禁断の島」■■■
(55点/サスペンス)

 強盗によって父を殺害され、父を救えなかった事に対する責任感からトラウマに苦しむ少年トビーは、トラウマを解消するために『自分を見つめ直すために、誰も居ない絶海の無人島で一人きりで三日間を過ごす』という更生プログラムに参加する事となる。

 無人島に到着した彼は無人島でのサバイバル生活を開始するが、調達した食料による食中毒で苦しんでいたところを、突然彼の前に現れたマデリンと名乗る一人の少女によって助けられる。

 一緒に過ごすうちに徐々に彼女と親しくなっていくトビーだったが、彼女が誰も居ないはずの無人島に何故一人で居るのかという事や、この島には自分以外に『母親』が居り『母親は危険な存在であなたを殺そうとするかもしれない』という奇妙な発言に、徐々に不審なものを感じるようになっていき…
 

 トラウマ解消のための更生プログラムで無人島に訪れた少年がその島で奇妙な一人の少女と出会い、彼女に隠された恐るべき秘密を知る…という、サスペンススリラー映画。

 『パラサイト』なんて邦題に付いているものの、実際の中身の方は特にパラサイト(寄生生物)的な要素はなくて、むしろオカルト風味のサスペンススリラーという感じの内容ですね。

 まったくどこでも話題にもなっていない作品ですが、安定の「ブラムハウス」の製作だけあって、そこそこ良く出来た作品という印象です。
 
 お話としては『一人の少年が自己更生プログラムとして一人で無人島に訪れたところ誰も居ないはずの島で謎の少女と出会うが、彼女の「母親」が危険な存在で「島に訪れた人々を殺そうとする」という奇妙な発言をしたりと言動に不可解な部分が多く、更には彼を無人島まで迎えに訪れた指導員が殺害されるという事件が発生し…』といった感じの展開。

 無人島に残された『謎の少女』と彼女の秘密を探るというのがメインストーリーとなっており、それにちょっとしたボーイ・ミーツ・ガール的な要素が加わった感じの印象です。

 ヒロインが『島にキリスト教の布教に訪れた宣教師の一家』という、妙にゴシックホラー的な設定だったり、島に訪れた人間を襲おうとするという謎の多い『母親』の存在。
 無人島に放棄された建物等も『忘れ去られた場所』という感じで良い味を出しており、ミステリアスな雰囲気づくりはなかなか良い感じ。

 『トラウマを抱えた主人公』と『ミステリアスな美少女』という2人のキャラクターも良く立っており、謎の要素の引っ張り方も上手くて、そこまで大きな事件とかは起こらないシーンが多いのですが意外と退屈せずに楽しませてくれます。
 ヒロインが良い感じの美少女なのもポイントが高いです。

 ただ作品のテンポそのものは悪くないものの、前述のとおり全体的に派手な要素があまりなくて、どうにも盛り上がりに欠ける部分があるのは残念なところ。

 特にメインのキャラクターである筈の『怪物』が、ラスト近くまで全く姿を見せてくれずに、あまり存在感が感じられないため、物足りなさを感じてしまいます。

 終盤の展開とかは割と良い感じですし。オチの落としどころとかも個人的には嫌いじゃない雰囲気ではあるのですが、怪物が出現する映画の割にはホラー要素の弱さが目に付いてしまい、やや物足りなさの残る感じの作品でした。
 

 総評としましては、全体的にコンパクトにまとまった『オカルト風味のサスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。

 サスペンスとしてはそこそこ面白いですし、雰囲気やらキャラクターやらも悪くない印象なんだけど、どうにも物足りない部分が多いという小粒な感じのホラー映画といったところかも?

 強く推すほどではないですが、まあまあ普通に楽しめるレベルの内容ではありますので、設定とかが気になるようならばチェックしてみても良いかもしれませんよ。