■■■「ハッピー・デス・デイ」■■■
(65点/サスペンス:オススメ)
(65点/サスペンス:オススメ)
尻軽で身勝手な性格のビッチである女子大生のツリーは、誕生日を迎えたある日、パーティに向かう途中の夜道で不気味な赤ちゃんのようなマスクを被った何者かによって殺害されてしまう。
しかし殺されたと思った瞬間に目を覚ました彼女は、何故か再び自分が殺された筈の『誕生日の朝』を向かえていた。
混乱しつつも誕生日の一日を過ごした彼女だったが、同じようにその日の夜に殺人鬼によって殺害されてしまうが、その直後に同じように『誕生日の朝』に目を覚ますという謎の『時間のループ』へと陥っている事に気づく。
何度殺されても同じ『誕生日の朝』を迎えてしまうという奇妙な状態に陥った彼女は、誕生日の前日に知り合った男性カーターに助言を求めて、彼の提案で『殺される前に自分に恨みを抱いていそうな犯人を見つけ出す』という作戦を開始するが…
ビッチで身勝手な女子大生が、『自分の誕生日に正体不明の殺人鬼に殺され続ける』という謎の『時間のループ』に陥ってしまい、そのループからなんとかして抜け出そうとする…という、タイムループもののスラッシャーホラー映画。
割と良質なホラーを提供してくれることでお馴染みの『ブラムハウス』によるオリジナル作品ですが、そこまで話題にならなかった作品ながらも意外と良く出来たタイムループもののオリジナルタイトルてすね。
(『1作目と2作目が何故か続けざまに公開された』という意味では、ちょっと話題になっていましたが…)
お話としては、『とある女子大生が誕生日の夜に謎の殺人鬼に殺されてしまうんだけど、目を覚ますと何故か「誕生日の朝」で、その日のうちに再び殺人鬼に殺されてしまう…という謎のタイムループに陥る』というような展開。
『タイムループもののサスペンス』というのも、このところ割とメジャーなジャンルになってきた感がありますが、スラッシャーホラーとしてはそこまで作られていないジャンルなので、まだまだ新鮮味があるのは良いですね。
(作中で「恋はデジャ・ヴ」のタイトルが挙げられていたので、その辺が元ネタになってるっぽい?)
展開的には『主人公が同じ殺人鬼に延々と殺され続ける』というお約束の流れなのですが、主人公が単純に死の運命から逃れようとするのではなくて、途中から『殺人鬼を先に見つけ出して逆襲してやろう』として、積極的に反撃を試みる展開に突入していくのは面白いですね。
タイムループものでありながらループ毎に主人公の行動を積極的に変化させて、ストーリー展開がワンパターンにならないような工夫がされていたり、『殺人鬼とヒロインの対決』や『殺され方のバリエーション』も変化に富んでいて凝っており、視聴者を退屈させずに楽しませようという努力が見られるのも良い感じ。
主人公が単に殺人鬼に怯えるだけのバカじゃなくて、しっかりと『失敗を活かして次の対策を立てよう』と行動するので、観ていてあまりストレスが溜まらないのも良いポイントです。
また主人公も、最初は『殺されて当然の糞ビッチ』みたいな嫌なキャラクターなのですが、お話が進む度に改心していって最終的にはシッカリと『応援してあげたくなるようなキャラ』になっていくのは上手い作りですね。
キャラといえは、殺人鬼の『赤ちゃんマスクの怪人』という不気味なデザインも、なかなか良い味を出しています。
まあエンタテイメントとして楽しむうえでは、そこまで困る訳でもないのですが、『それっぽい解釈』が出来るような余地ぐらいはあっても良かったかも?
(もしかしたら、続編でその辺が説明されてたりするのかしらん?)
あとラストの展開はやや唐突感がありましたが、まあまあ悪くない落としどころという感じではあるかなぁ?
総評としましては、なかなか良く出来た『オリジナル要素の強いタイムループものスラッシャーホラー映画』って感じですね。
スラッシャーホラー自体がこのところ下火な事もありますし、新機軸の作品としては普通に面白い内容ですので、『目新しいスラッシャーホラー映画』を求めているのであれば、オススメできる一本ではないかと思います。
『タイムループもの』としてもそれなりに楽しめる内容にはなっていますので、そういう系統の作品が好きで気になっているのであればチェックしておいて損は無い一本だと思いますよ。