NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビ・アポカリプス アンデッド・ワールド」(35点/モンスター)

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■■■「ゾンビ・アポカリプス アンデッド・ワールド」■■■
(35点/モンスター)

 ゾンビウィルスの蔓延によって社会が崩壊した近未来のオーストラリア。

 クリケット仲間のダリルとジョールとロイとその娘のエマは、ゾンビたちの襲撃から逃れて電話の基地局に立てこもっていた。

 食料も残り少ない状況から、なんとか助けを呼ぼうと通信設備を修理して軍の基地へと連絡を取った彼らだったが、後に合流したエマの友人であるラクランとライアンの2人から『軍隊こそが今回の事件の黒幕だ』というウワサがある事を知らされ…
 

 原因不明のゾンビウィルスのパンデミックに巻き込まれて建物に立てこもった3人の男たちが、どこかのん気な雰囲気を漂わせながらもなんとかして危機から脱出しようとする…という、コメディ風味のゾンビものモンスター映画。

 AmazonのPrimeVideoで無料配信されていた作品のですが、他のレンタルビデオ等で見かけないタイトル(独占配信?)なうえに、内容もちょっと気になったので思わずチェックしてみました。

 内容に関しては、いわゆる閉鎖環境を舞台とした『立てこもり型』のゾンビ映画、『救助の見込みもなく窮地に立たされた主人公たちが、なんとかして危機から脱出しようとする』というなんともオーソドックスな感じのストーリー。

 舞台は狭い電話の基地局の周りから殆ど移動もせず、ゾンビもそこまで大量に登場する訳でも無くて、いかにも低予算ホラーといった感じの作りです。

 全体的に妙にのんびりとした空気感が特徴的で、こんなご時世でありながら主人公が『友人のクリケットのチームに入れて貰おう』として躍起になっていたり(というか何故に敢えてクリケット?「ショーン・オブ・ザ・デッド」のオマージュか?)、ゾンビウイルスの感染のチェック方法が『キ●タマの裏側を確認すること』だったりと、何かとバカバカしい設定で笑いを取ろうとしているのですが、このギャグのセンスが全体的にお寒い感じなのは困ったところ。

 もしかしたら日本人のセンスに合わないだけで、オーストラリアではこのギャグで大爆笑だったりするのかも

 って、流石にソレは無いか?

 この、コメディホラーの体裁を取っているのに殆ど笑えない(一部でクスっとする程度のネタもなくはない)という内容のせいで、ぶっちゃけ、全体的に非常にテンポが悪くて観ていてダルいのが困りものです。

 ただコメディホラーの割にはグロ描写だけは妙に気合が入って作られており、ゾンビの頭が吹っ飛んだり、身体が切断されたり、犠牲者の内臓が引きずり出されたりと、80年代のスプラッタ的なゴア描写がかなりテンコ盛りな印象だったりするのが、本作のまあまあの見どころといった感じかも?

 でも、このゴア描写に関してもそこまでイキオイが無くて安っぽいせいで、『やり過ぎ系のゴアホラー』のようなブラックな笑いにも繋がっておらず、なんというか全体的に中途半端さが漂う感じになってしまっているのが辛いところですよ。

 まあ本作ならではのネタという点では、ゾンビが微妙に知能を備えており主人公たちの立てこもりにIDカードを使って扉のロックを解除したり、仲間の死体を破壊槌代わりにしてバリケードを突破するみたいなシーンは、個性的でちょっと面白かったかも?

 あと、ラストも『そんなんで良いんか?』って感じの終わり方ですが、矢鱈とクドい3段オチは、個人的には本作の中で一番笑えたポイントでしたよ。
 

 総評としましては、低予算感あふれる内容で『いま一つ感の漂うコメディ系ゾンビ映画という感じの作品ですね。

 AmazonのPrimeVideoでの独占配信のため、PRIME会員であれば無料で観れる訳ですが、無料だからと言って敢えて観る価値がある内容かと言われると正直に言って微妙なところ…

 もし、よほどコメディホラーに飢えてて、どうしても他に観たい作品が見当たらないというような状況でも無ければ、普通にスルーしてしまっても良い作品だと思いますよ。
 (PrimeVideoなら、もっと面白い作品が他にいくらでも観れることですし…)