■■■「ポラロイド」■■■
(60点/オカルト)
(60点/オカルト)
彼女はそのカメラを使ってパーティ会場で友人たちの写真を撮るが、その写真に奇妙な『影』のようなものが映り込んでいる事を発見。
更にその『影』が映り込んだ友人が、次々と変死を遂げるという奇妙な事件が発生する。
恐るべき連続変死事件が、自分がポラロイドカメラで撮影した写真にある事に気づいたバードは、写真に写ってしまった友人たちと共に呪いから逃れる方法を探して調査を開始するが、やがてそのカメラにまつわる恐るべき事実が明らかになっていき…
撮られた人間が次々と変死を遂げていく『呪いのポラロイドカメラ』を手にしてしまった少女が、なんとかしてその死の呪いを解こうとする…というオカルトサスペンス映画。
『撮られた人間が命を落とす』という『呪いのカメラ』を題材にした作品で、ネタとしては既に何本も作られてそうな題材ではあるものの、中身の方はなかなかシッカリと作られた良作オカルトホラー映画という感じの作品です。
お話としては『女子高生がアンティークショップで年代物のポラロイドカメラを手に入れたところ、そのカメラで撮った写真に奇妙な『影』が現れ、その『影』が映っている写真の人物が次々と変死していき…』といった感じの展開。
『写真に奇妙な影が映り込むと死ぬ』というのは、ネタとしては「オーメン」なんかでも使われている割と古典的なアイデアですが、単に不吉な影が映り込むだけでなく、『「影」がカメラで撮った何枚もの写真の中を次の犠牲者の元へと順番に移動して追跡していく』というアイデアは「ファイナルデスティネーション」みたいで面白いですね。
この『影』が怪物となって実際に主人公たちに襲い掛かってくるという設定なのですが、生き延びるために主人公たちと怪物が対決するという展開に自然に持っていける構成なのは、なかなか盛り上がる展開ですし良く考えられていると思います。
ストーリー的にも、設定は月並みながらも『呪いのカメラ』の秘密に迫る謎解きパートがなかなか凝った作りになっており、二転三転していく先の読めないお話の展開も意外と良く出来ています。
ただ、アイデアやらストーリー的には面白い部分が多いのですが、全体的な構成としてややテンポが悪くて、特に序盤等にちょっと冗長な部分が目に付くのは残念なところ。
あと、この怪物が『暗闇の中にのみ出現する』という特徴を持っているのですが、襲撃シーンがひたすら真っ暗な場所ばかりで、何が起こっているのか分からないシーンが多いのは困りもの。
特に最近の映画にしては怪物やら残虐シーンやらの出し惜しみが酷い部分は、ちょっとイライラさせられてしまいましたよ…
怪物も個性的で良いキャラなうえに、終盤の怪物との対決シーンやらラストの展開なんかもなかなか熱くて良い感じだったので、全体的に『もうちょっとテンポ良く、怪物や残虐シーンが出し惜しみせずに作られてたらなぁ…』というのが、ちょっと残念なところでした。
総評としましては、アイデアは月並みながらも『意外と良く出来たオカルトサスペンス映画』という感じの作品ですね。
あと、やや冗長でご都合主義的ながらも、謎解き系のオカルトサスペンスとしてもまあまあ良く出来ている印象。
『呪いのカメラと怪物』という個性的なキャラクターの登場するホラーとしてはなかなかに良い出来だと思うので、そういうジャンルに興味があるようであればチェックしておいて損はない一本かもしれません。