NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゴーストランドの惨劇」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「ゴーストランドの惨劇」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 遠い親戚である叔母の屋敷を相続したシングルマザーのポリーンは、二人の娘と共にその屋敷に移り住む事となる。

 二人の娘のうち、姉のベスは快活で活動的な性格であるのに対して、妹のヴェラはH・P・ラヴクラフトを崇拝して自らもホラー作家になりたいと考える内向的な少女だった。

 人里離れた屋敷へと引っ越した彼女たちだったが、引っ越ししたその日の夜に巷を騒がせる連続殺人鬼たちが彼女らの家を襲撃。
 娘を守ろうとした母は、殺人鬼を彼女たちの目の前でナイフでメッタ刺しにして殺してしまう。

 それから16年後、心に深いトラウマを抱えつつも事件から立ち直ったヴェラは、かつてに事件をベースとした小説を書きホラー作家として大成していたが、姉のベスは未だに心の傷が癒えずに自宅の地下室の座敷牢のような部屋に引きこもって暮らしていた。

 ある日の深夜に、姉からのパニックに陥ったような電話を受けたヴェラは、なんとかして姉を社会復帰させようと再び自宅を訪れるが…
 

 過去に殺人鬼の襲撃を受けてトラウマを負った姉妹が、なんとかしてその心の傷から立ち直ろうとするが…というような感じの設定のサスペンススリラー映画。

 『殺人鬼の襲撃によって心に深いトラウマを負った姉妹』を題材とした作品なのですが、なかなかどうして予想の出来ない構成の良く出来たサスペンス映画だったりします。

 お話としては『過去のトラウマから立ち直りホラー作家になった妹が、自傷行為を繰り返しながら引きこもる姉をなんとかして救おうとするが、実は姉のその行動には恐ろしい秘密があって…』という感じのストーリー。

 あまり書くとネタバレになってしまうので詳しい説明は控えますが、主人公たちが体験した過去の事件に関する『秘密』がなかなか衝撃的で、ドンデン返し的な要素も含めて非常にパンチが効いている作品です。

 序盤はやや冗長気味な部分もあるものの、中盤以降のお話が動き出してからの展開は非常にスピーディかつ先が読めなくて面白いですし、伏線の張り方なんかもなかなか良く出来ており『そう来るか』という感じで楽しませてくれます。
 終盤も流れ的にグダグダした展開になるかと思いきや、ラストの展開はなかなか熱くて予想外に盛り上がる感じなのも良かったです。

 またメインキャラとなる主人公姉妹のキャラクターも非常にシッカリと描かれており、ラヴクラフトを信奉する主人公』という設定も無意味そうに見えつつも良い味付けになっていますし、主人公一家を狙う殺人鬼も非常に不気味で怖くて、全体にキャラが非常に良く立っているのも好感触。

 序盤でちょっとダレ気味な部分や、ラストがちょっとだけアッサリしすぎな印象はありましたが、全体的に上手い構成でなかなかに良く出来た作品でしたよ。
 

 総評としましては、意外性もあって『なかなか良く出来たサスペンススリラー映画』という感じの作品ですね。

 ホームインベージョンもののスリラーが好きな人や謎解き系のサスペンスが好きな人であれば、割と楽しめる内容だと思いますので、そういった作品が好きであればオススメできる一本ではないかと…

 ただ、若干強めのバイオレンス描写とかもありますので、そういうのが苦手な人はちょっと注意が必要かもしれません。
 あと、ラヴクラフト要素はオマケ程度ですので、そっちは期待しない方が良いかも?(笑)