NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ミッション:60ミニッツ」(45点/アクション)

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■■■「ミッション:60ミニッツ」■■■
(45点/アクション)

 1999年のテキサス。
 元戦場カメラマンでベトナム戦争の帰還兵のジャックは、戦争のトラウマから地下のシェルターに銃器や食料を溜めこむパラノイア的な生活を送り、いまひとつ世間に馴染めないでいた。

 そんな大晦日の夜に、いつものように彼が自宅でウィスキーを飲んでいたところ、唐突にテレビの映像が切り替わり「レース・ザ・クロック」という観たこともないゲーム番組が始まり、その画面に彼の姿が映し出される。

 驚く彼を尻目に、司会者が『60分間、襲撃を生き延びれは100万ドルが送られる』という説明をすると同時に、彼の家を武装した謎の集団が襲撃。

 唐突に理不尽なデスゲームに巻き込まれた彼は、混乱しつつも戦場での経験を活かしてなんとかして襲撃者を撃退しようとするが…
 

 ベトナム戦争の帰還兵の男性が唐突に『60分間、襲撃者の襲撃から生き残れば100万ドル』という謎のデスゲームに巻き込まれ、襲撃から生き延びようとする…という、サスペンス風味のサバイバルアクション映画。

 いわゆる『理不尽デスゲーム系のシチュエーションスリラー映画』で、アクション映画寄りのテイストの強い作品ですね。

 お話としては、ホントに『主人公が謎の襲撃者の襲撃にひたすら応戦する』というそれだけのとストーリーいう感じ。

 『TVのゲームショーっぽい演出で殺人ショーを中継する』という設定はちょっと月並みな感じですが、芝居がかった司会者のショーの盛り上げ方や演出やら、葬儀屋のCMが幕間に流れるブラックなノリ等は、まあまあ悪くありません。

 この手の映画にありがちな『主人公がバカでうかつな行動を取ったり無駄にネガティブになる』という事が無く、元軍人らしく襲撃者に容赦なく反撃して、機転を利かせて的確に敵を撃退していくという展開は、観ていてストレスが溜まらなくて良い感じですね。

 ただ、そういったプロットやらに悪くない部分は多いのですが、肝心のアクション映画として観るといま一つ盛り上がりに欠ける出来なのが困りもの。

 『60分間の襲撃から生き残る』というゲーム番組の設定の割には、敵の襲撃が矢鱈と手ぬるくてどうにも展開が遅い。

 終盤までの襲撃が矢鱈と散発的で、あまり派手さもないうえに襲撃者の個性も弱くて、観ていてあまり面白くありません。

 終盤はちょっと派手な展開になるのですが、そこにたどり着くまでが冗長すぎて盛り上がりに欠けるんですよね。

 もしこの番組が実際にTVで放映されてたとしても、自分なら途中でチャンネルを変えてしまうか、録画しておいてラストのハイライトシーンだけを早送りで観るでしょう。

 また、主人公のベトナム帰還兵の設定やらサバイバリスト(銃器をシェルターにため込んでいる)という設定も、作中で殆ど活かされるシーンが無いですし、なんというか企画倒れというか設定倒れ感が強いです。

 ラストもオチらしいオチも無い物凄い投げっぱなしな終わり方カタルシスも何もないですし、全体的にアクション映画としてもサスペンスとしても『もうちょっとどうにかならんかったもんかなぁ』ってのが正直なところですよ。
 

 総評としましては、全体的に『地味で盛り上がりに欠ける低予算アクション映画』って感じの作品ですね。

 退屈な内容ながらも、観ていてストレスがあまり溜まらない作りにはなっているので、何かの片手間とか息抜きに観る程度であればまあまあ楽しめる映画だと言えるでしょう。

 気になっているのであれば止めることもないですが、あまり推すような要素も無い内容ですので、とりあえずは『お好みで』といった感じでしょうか…