NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゴーストホーム・アローン」(45点/オカルト)

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■■■「ゴーストホーム・アローン」■■■
(45点/オカルト)

 9歳のオタク少年であるイーライは、自分の家の地下室に棲んでいると妄想する怪物に「ハーグリーの怪物」と名付けて学校のクラス会で恐ろしい怪物を絵に描いて発表したところ、クラスメイトからは変人扱いされ、教師からは虐待や人格障害を疑われることに…

 しかし友人のサムとヒラリーらと共に、地下室に潜む怪物について調べたところ、かつてこの街に住んでいて殺人鬼として「ハーグリーの怪物」が実在することが判明。

 彼らは怪物をなんとか出来ないかと思案するが、そんな矢先のある晩に両親が出かけることとなり、さらに年の離れた姉がこっそりと外出してしまったことから、深夜に一人に留守番する事となってしまい…
 

 地下室に怪物が棲むと妄想する少年が、一人で留守番することとなった夜になんとして怪物を撃退しようとする…という、ダークファンタジー風味のオカルトホラー映画。

 なんとなくホームアローンっぽいタイトルが付いていますが、『少年が一人で留守番しつつお化けと戦う』というプロットとかから、確かにホームアローン」っぽさを感じる設定のお話ではあります。

 お話としては『とある少年が自分の家の地下室に「ハーグリーの怪物」という怪物が潜んでいると考えて、その怪物を絵に描くんだけど、友人たちと怪物について調べたところ、実は怪物は過去に「子供を狙う連続殺人鬼」として実在した人物だという事が判明し…』といった感じのストーリー。

 ホラーというよりはダークファンタジー的なテイストの強い内容で、小学生の主人公たちが『暗闇に潜むなにか』に怯えつつ、怪物の謎を追っていくというような、やや幻想的な展開です。

 少年の目線から、『古い暖房器具』やら『焼却炉』、『不気味な置物』といった大人から見たら特段怖くもないものが恐怖の対象として描かれるという感じの表現が多様されており、何でもない物陰とかに恐怖を感じた子供時代の雰囲気が良く再現されているのは悪くないですね。

 妄想の存在だと考えていた「怪物」が実在するかもしれない…といった謎解き展開もなかなか面白く、怪物の秘密とあわせて先の展開の読めない怖さがあるのはなかなか良い感じ。

 ただ、ホームアローン」というタイトルが付いてる割には、少年と怪物の戦いにあまり面白味がないのは残念なところ。

 少年は一応、懐中電灯やらケミカルライトやらの『明かり』を使って怪物と戦おうとするのですが、特に罠とかが活用される訳でもなく基本的には怪物を追い払おうとするだけの消極的な展開が多いので、いま一つ盛り上がりません。
 本家のようなコメディ要素もないですし、もしホームアローン」的なノリを期待して観たとしたら期待外れも良いところでしょう…

 また、お話が核心に触れる(留守番を開始する)までの前振りが結構長くて、雰囲気映画としてもちょっと冗長に感じてしまうのは残念なところ。

 あと、少年が『恐怖を感じる対象』である、『古びた暖房器具』やら『不気味なオブジェ』に関しては、大人が見たら微塵も怖さを感じないレベルなので、もうちょっと怖さを醸し(かもし)出す演出があっても良かったかなぁ?

 それから、途中までは子供向けのダークファンタジーっぽいノリなのに、ラストだけガチでホラーになりすぎやろ…って部分は気になるところ。
 少年が対峙する「怪物」のビジュアルが怖すぎで、あんなの子供が観たら確実にトラウマになるレベルなので、子供向けっぽいテイストに騙されないように要注意ですよ。
 

 総評としましては、いま一つテンポの悪い『ダークファンタジー風味のオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。

 予想外の展開とかある意味では見るべきところもありますし、全体的にちょっとダルい部分が多いものの、『童心に帰る雰囲気映画』としてなら、気になっているようであればチェックしてみても良いかもしれません。

 ただ、少なくともホームアローン」的な要素は全くなくて、そういう作品を期待して観ると盛大に肩透かしを食らわされるので要注意ですよ。