NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リトル・モンスターズ」(50点/モンスター)

f:id:uei_nanigashi:20200413010116j:plain

■■■「リトル・モンスターズ」■■■
(50点/モンスター)

 恋人に浮気されてケンカ別れし、家を飛び出した落ち目のミュージシャンのデヴィッドは、5歳の甥と一緒に暮らすシングルマザーの姉の元へと転がりこむ事となる。

 家事の手伝いとして甥の面倒を見ることになった彼は、甥の通う学校で出会った教師のオードリーに一目惚れし、甥の遠足に保護者として同行することに…

 遠足の目的地であるプレザントバレー牧場で、子供向け番組の司会者であるテディ・マクギルと出会った子供たちは大喜び。
 しかし、つつがなく行事が進行していくかと思われた中で、突如どこからか現れたゾンビの群れが牧場に押し寄せ…
 

 田舎町の体験型牧場に訪れていた園児たちと教師が、突如として現れたゾンビの群れに襲われるという、ゾンビものモンスターパニック映画。

 『園児の集団とそれを率いる男女』が主人公ということで、ゾンビ映画にしてはほのぼのした感じの設定の作品ではありますが、ぬるそうな設定とタイトルの割には残虐描写は結構ガチ目の作品です。

 お話としては『主人公たちが園児を率いて牧場へ遠足へと訪れたところ、近くの軍事基地から逃げ出したゾンビの群れが牧場を急襲。園児たちと共に土産物売り場に逃げ込んだ主人公たちが、なんとかして牧場から脱出しようとする』みたいな感じの展開。

 園児たちと引率の先生たちがメインのキャラとして登場するため、歌を歌ったりお遊戯したりとどこかほのぼのした雰囲気のただよう内容になっているのですが、その裏で登場するゾンビの描写なんかは結構エグいんですよね。
 この牧場と児童たちという牧歌的な設定の割に、グロに関しては割としっかりと作られているというアンバランスさがおかしくて、ちょっと笑わせてくれます。

 お話自体もそこそこテンポが良くて割とサクサクと展開していくため、あまり冗長な雰囲気にならないのは良いところ。

 ただ、子供たちに『ゾンビごっこ』のゲームだと嘘をついて安心させている…みたいな設定があるのですが、流石にこの設定に無理がありすぎる印象。

 窓の外に血まみれの人たちが大挙してきたら、いくら『ゾンビごっこ』だと言われても流石にもっと怯えてしまうんじゃないかと…

 また、この『ゾンビごっこ』の設定が『派手な展開』を描けない阻害要因となっている印象で、全体的にお話がいま一つ盛り上がりきらない感じになってしまっているのは残念なところ。

 主人公たちのキャラも割とシッカリと描きこまれている割には、主人公以外のメンツはいま一つ魅力が感じられず子供たちが可愛いのは良いのですが本当にそれだけみたいな扱いで、やや企画や設定を昇華しきれていない印象を受けてしまいましたよ。

 ただ、ゾンビ相手にお遊戯するというバカバカしい展開やら、ゾンビ映画とは思えないような爽やかなエンディングやら、そこそこ見どころとなる部分もあったので、全体的にもうちょっと素材を上手く処理できてればもっと面白くなったかも…という感じで、ややもったいなさを感じる作品でした。

 あと余談になりますが、舞台となる「プレザントバレー」というと、海外ゲームが好きな人なら聞き覚えがあると思われる「Fallout76」の舞台となる場所なのですが…
 本作でも、ゲーム内でお馴染みのスポットが登場しないかと期待して観ていたのですが、お話がほぼ牧場内部に閉じられて進行するせいか、特にゲーム内で見かけたような場所は出てこなくて残念なところでした。
 

 総評としましては、そこそこ個性的な設定でそこそこ良く出来た『ゾンビものパニックホラー映画』という感じの作品ですね。

 『園児vsゾンビ(ごっこ)』という他作品ではお目にかかれない独自のプロットが気になるようであれば、とりあえずチェックしてみても良い一本かもしれません。

 まあ、いつもの『TSUTAYA先行作品』らしい、強く推すほどではないものの悪くない部分もあるという印象『まあお好みで』という感じの映画でしたよ。