NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ドローン」(45点/オカルト)

 

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■■■「ドローン」■■■
(45点/オカルト)

 新婚夫婦のレイチェルとクリスは、新居に引っ越してきたある日、家のゴミ捨て場に放置されている新型のドローンを発見する。

 最新ガジェット好きのクリスは、ドローンを自分のものにして喜んで使い始めるが、それ以来、彼らの家では奇妙な現象が続発。

 ドローンが隣人の水着姿を盗撮したる写真を発見したレイチェルはクリスに詰め寄るが、クリスには写真に見覚えがなく困惑する。

 ドローンの不審な挙動から、クリスは以前の持ち主が勝手にドローンを遠隔操作して嫌がらせをしているのではないかと考えるが、そんな矢先に隣人が何者かに殺害される事件が発生。

 実はドローンには、ドローンを用いて殺人を犯すという連続殺人鬼のラムゼイの霊が取り憑いていたのだった…
 

 連続殺人鬼の霊が取り憑いたドローンが人間たちを襲うという設定の、オカルトホラー映画。

 『殺人鬼の霊がオモチャに取り憑いて人間を襲う』という、どこかで聞いたような設定のお話ですが、ぶっちゃけて言ってしまうと「チャイルドプレイ」のドローン版みたいな感じの作品ですね。

 ストーリーとしては『新婚夫婦がゴミ捨て場でドローンを拾って使い始めるんだけど、それ以降、ドローンが勝手に動きまわっているとしか思えないような奇妙な事件が続発、実はドローンには妻の元恋人でストーカーの殺人鬼の霊が取り憑いており…』みたいな感じの展開。

 そもそも、ドローンなんていう『どんなスパイプログラムが仕込まれているか分からないような機械』を拾ってきて使うなよ…って時点で、ちょっと無理がある設定なのですが、それ以外にも色々とツッコミどころの多い作品です。

 『そもそも民生品のドローンに人間を殺害できるようなパワーがあるのかよ?』って疑問はあるのですが、ドローンの攻撃が単純なパワープレイだけではなく、警備システムや自動走行システムをハッキングして人間を攻撃したり、隣人を殺害して主人公たちに罪をなすりつけようとしてみたり…といった具合に、意外と芸達者で多彩な攻撃を繰り広げてくれるのは面白いですね。

 主人公に一度破壊されたドローンが、アップグレードのために最新パーツを通販で注文してパワーアップするという展開も、バカバカしくてちょっと良い感じ。

 ただドローンが人間を襲い始めて話が動き出すまでの展開が長くて、全体的にテンポが遅くてちょっと冗長感があるのは困りもの。

 またキャラの掘り下げにしても、ドローンに取り憑いている霊が『主人公の元カレの連続殺人鬼』ってのも無理がありますし(そんな事実があったら流石にニュースとかで観て知ってるだろ?)、殺人鬼のキャラも没個性的であまり魅力が感じられないのは困りもの。

 主人公にしても『過去にラジコンの事故で死者を出したせいでドローンが嫌い』という設定が、本編の内容に全く生かされていないのも気になります。

 まあ色々と不満はあるものの、終盤の展開なんかはなかなかハチャメチャ感があって面白いのですが、ラストはやたらとアッサリしてるうえにグテグテ気味なオチなのは残念なところ。

 あと、『ドローンが自分でパーツを入手してアップグレードする』という設定を活かすなら、軍用パーツとかを手に入れて『無敵の殺人ドローン』みたいに進化してくれた方が、展開としては面白かったんじゃないかなぁ?
 

 総評としましては、どこかで見たような設定の『凡庸な出来の殺人鬼の霊が乗り移った系オカルトホラー映画』って感じですかね。

 ピンポイントでは面白い部分もあるのですが無理のありすぎる雑な部分が多くて、どうにも全体的に物足りなさを感じてしまう作品でしたよ。

 ツッコミどころ満載の作品を探しているのであれは、まあまあ楽しめる内容だとは思いますので、そういったネタ映画を求めているのであればチェックしておいても損はないかもしれませんよ。