■■■「KILLERS/キラーズ 10人の殺し屋たち」■■■
(55点/サスペンス)
(55点/サスペンス)
殺し屋のマーカスは、ある日、ホテル・デル・フランコでとあるターゲットを狙撃することを依頼されるが、向かいのビルに同業者のサンチェスが狙撃の準備を整えて潜んでいるのを発見。
状況を確認しようとしたところマーカスこそが彼のターゲットだと知らされ、狙撃されてしまう。
マーカスを狙撃したサンチェスは報酬のダイヤモンドを手にしてその場から去ろうとするが、莫大な報酬を横取りしようとしたパトロールに訪れた汚職警官の2人組みによって殺害されてしまい、また警官たちも報酬を奪い合って殺し合いを開始し、思いがけない形で『殺しの連鎖』は続いていき…
とある古びたホテルを中心に莫大な報酬を巡って、思いがけない形で複数の殺し屋たちが殺し合いを繰り広げることとなっていく…というアクション風味のサスペンススリラー映画。
いわゆるクライムサスペンス系の作品で、メインのストーリーは殺し屋やらギャングやらが主役の群像劇的な感じのお話ですね。
お話としては『とある古びたビルで殺し屋が狙撃されるんだけど、その報酬のダイヤモンドを巡っていくつもの組織や個人やらが殺し合いに巻き込まれていく…』みたいな感じの展開。
「キラーズ 10人の殺し屋たち」というタイトルだけ見ると、なんとなく『殺し屋たちのデスゲーム』的なノリの話を連想してしまいますが、どちらかというと『思いがけない形が殺しが連鎖してく』みたいなストーリーの流れなので、原題の「KILL CHAIN」の方が作品の内容のイメージは沸きやすいかも?
最初は、誰が主人公かも分からないような感じでお話が展開していくのですが、『殺し屋どうしの争い』を中心にテンポ良くお話が進んでいくため、割とサクサクと楽しめる印象で、中盤辺りになるとようやく『お話の全体像が見えてくる』という感じの構成がなかなか面白いです。
ただ、群像劇的にお話を描いているせいもあってか、中盤辺りの『キャラクターの掘り下げ』的なドラマ部分に多くの尺を取っており、この部分がやや冗長でちょっとダレ気味な印象を受けるのは残念なところ。
『殺し屋(ギャング)同士の騙しあい』的なノリをメインに描いている割には、ギャング映画としては全体的に緊張感が薄いですし、アクション映画的なノリを強めにしてる割にはアクションシーンも全体的に地味ですし、なんというかいま一つアピールポイントやら盛り上がりやらに欠ける感じなんですよね。
また、終盤に『ちょっとしたドンデン返し』的なネタが仕込まれていたりするのですが、これが視聴者的には『意外な事実』というよりも『えっ、そんなこと別に気にも留めてなかったんだけど?』みたいな事が、衝撃の真実のように語られるので、なんかモニョってしまいましたよ。(笑)
ただ、クライムサスペンスなのに『妙に爽やかな感じの終わり方』は、なかなか面白い落としどころだと思ったので、個人的には割と好きなオチだったかも?
総評としましては、地味な内容ながらも『そこそこ楽しめるレベルのクライムサスペンス映画』って感じの作品ですね。
『ギャングや殺し屋同士の騙しあいや裏切りあい』的なノリが好きであれば、それなりに楽しめると思いますが、推すほどの内容化と言われるとちょっと微妙な映画という印象。
暇つぶし程度に観てみるぶんにはまあ普通に観れるレベルの内容なので、気になるようであればチェックしてみても問題ないと思いますよ。