NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブレイキング・イン」(55点/サスペンス)

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■■■「ブレイキング・イン」■■■
(55点/サスペンス)

 二児の母であるショーンは、ある日、疎遠だった実業家の父が交通事故で急死し、その遺産を整理するために郊外の湖畔にある父の屋敷に訪れる事となる。

 しかし到着して不動産業者を待つうちに、父の隠し財産を狙って訪れた正体不明の4人組の男たちが屋敷へと侵入。
 たまたま屋外にいたショーンだけは逃げ延びる事に成功するものの、幼い息子と娘は強盗たちによって捕らえられてしまう。

 彼女は何とかして助けを呼べないかと思案するものの、屋敷へと訪れた不動産業者の女性が男たちによって惨殺される現場を目撃。

 ハイテクのセキュリティシステムと屈強な男たちによって守られた屋敷から、自らの手で子供たちを救い出す事を決意するが…
 

 亡くなった資産家の父の隠し財産を狙う強盗によって子供たちを人質に取られた母親が、男たちと戦って子供たちを取り戻そうとする…という、サスペンススリラー映画。

 『強盗たちに侵入されて人質にされてしまう』という設定の、いわゆるホームインベージョンもののサスペンススリラー映画なのですが、ホームインベージョンものでありながら『監禁された屋敷から脱出する』というのではなく『主人公が侵入する側にまわる』という、やや珍しいタイプの作品です。

 『遺産の整理のために父の屋敷を訪れた親子が、同じく遺産を狙って侵入してきた男たちと鉢合わせてしまい、母親だけはなんとか屋外に逃げ出すんだけど子供たちが屋敷に監禁されてしまい、母親が単身で子供たちを救出しようと戦いを挑む』みたいな感じの展開なのですが…

 この屋敷がいかにも金持ちの屋敷らしく、各種センサーで監視されてて、窓には防弾のシャッターまで装備しているという厳重装備のお屋敷で、主人公がいかにして警備の隙を突いて屋敷へと侵入するか
また強盗たちの目的である『父の隠し財産』を取引の材料として、主人公がいかに強盗たちと駆け引きを行うかといった感じの、心理戦や頭脳戦的な部分がメインとなっている感じです。

 主人公は特にこれといった特技を持っている訳ではないのですが、非常に頭が切れるうえに決断力のある性格で、的確に状況を判断して強盗たちと渡り合っていくという展開のおかげで、主人公のうかつな行動とかにストレスを感じずに楽しめる、爽快感のあるテンポの良い作品になっているのは良い感じですね。

 ただ『強盗たちに単身で戦いを挑む』といっても、主人公は特に戦闘訓練を受けている訳でもなければ、とりわけ身体能力に優れているわけでもないため、基本的に『隠れんぼ』的な展開がメインになってしまっており、いまひとつ派手さや盛り上がりに欠けるのは残念なところ。

 お話が動き出す終盤はなかなか面白くなってくるのですが、とりわけ前半の部分に関しては『逃げ回っているだけ』みたいな感じで山場に乏しく、どうにも冗長な印象を受けてしまうんですよね。
 ラストの強盗と主人公の駆け引きとかは、なかなか意外性があって面白かったんですけど、やや見せ場となる部分が少ないのは困ったところです。

 まあ『普通の女性が知恵と度胸で強盗たちと互角に渡り合う』というのがコンセプトの一つなのかもしれませんが、エンタテインメントとして楽しむならもうちょっと派手な要素があっても良かったかもしれませんよ。
 

 総評としましては、それなりに良く出来た感じの『ホームインベージョンもののサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。

 強く推すほどではないですが、普通に楽しめるレベルの映画ではあると思いますので、気になっているのであれば『まあお好みで…』という感じでしょうか?

 予告だけ見ると、割と派手なアクション映画っぽい印象を受けますが、実際の中身の方は『心理戦』的な要素が強めの作品ですので、アクション映画的なノリに期待してる場合は要注意です。