NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ」(55点/アクション)

f:id:uei_nanigashi:20200524004541j:plain

■■■「ファイナル・レベル エスケイプ・フロム・ランカラ」■■■
(55点/アクション)

 子供のころからTVゲームが好きだったサラは、幼馴染のレイ、クリッシーらと共に、懐かしのTVゲームを集めた『ゲームバー』を開店しようとその準備を進めていた。

 ところが、店屋に設置する懐かしのゲームである「ランカラ」を立ち上げたところ、画面には幼いころにゲームセンターで行方不明となった兄のジェイクらしき人物が表示され、『あと3人参加せよ』というメッセージが表示されるという奇妙な現象が発生。

 不審に思いつつもスタートボタンを押してみたところ、彼女たち3人は不思議な力によって『ゲームの世界』へと吸い込まれてしまう。

 ゲームの中の世界で『制限時間以内に兄と協力してラスボスを倒さなければ永遠にゲームの中に閉じ込められてしまう』という説明を聞いた彼女たちは、なんとかしてステージをクリアして兄と合流しようとするが、そのゲームは空飛ぶサメや恐竜の暴れ回る、とんでもない難易度の無理ゲーだった。
 

 懐かしのTVゲームの世界に閉じ込められた3人の女性が、なんとかしてステージをクリアしてゲーム世界からの脱出を目指す…という、コメディ風味のアクション映画。

 設定なんかを聞いたら分かるとおり、いわゆるジュマンジ」(というか「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」)のパクリ映画で、パクリB級作品でお馴染みのASYLUMによる新作映画ですね。

 ASYLUMのヒット作のパクリは今日に始まった話でも無いですが、パクリでも『箸にも棒にも掛からない駄作』の時と『意外と楽しめる内容の作品』の場合があるのですが、本作は『そこそこマシな方のASYLUM作品』という感じといえば、B級好きの人ならイメージが湧きやすいかも?

 お話としては、『10年前にゲームセンターで兄が行方不明になった少女が、TVゲーム好きの友人たちと「ゲームバー」を開店しようとするんだけど、懐かしのTVゲームを起動したところゲーム世界に吸い込まれてしまい、兄と再会してゲームからの脱出を目指す』みたいな感じで、なんというかジュマンジ」の新旧の作品をごちゃ混ぜにしたようなストーリーという感じ。

 この『ゲームの世界に吸い込まれる理由』とかバックボーン的なものは全く語られないのですが、そもそも元ネタの「ジュマンジ」でもその辺は一切語られてないので、あまり気にするほどの事でも無いでしょう。(ある意味でリスペクト?)

 お話の中身も、そのまんま『低予算ジュマンジみたいなノリの内容で、『ゲーム世界の中を主人公たちが課題をクリアしながらステージを進んでいく』という展開なのですが、監督は割とホントにゲームが好きなんだろうなと思わせる部分も多く、ゲームのお約束やら文法やらがネタとしてキチンと仕込まれているのは好感触。

 また、「シャークネード」のセルフパロディをやってみたり、巨乳の主人公が水着や矢鱈と胸を強調するコスチュームで登場したりと、無駄にサービス精神が旺盛なのも悪くありません。

 主人公たちのキャラも良く立っており、こんなアホみたいなパクリ映画なのにラストとかの展開が『ちょっと良い話』風にキレイにまとめられていて、ちょっと泣ける感じのストーリーになっているのも意外と良く出来ている印象。

 あと、唐突な「モータルコンバット」のパロディなんかにも、ちょっと笑ってしまいました。(FINISH THEMのセリフとかアッパーのモーションがまるっきりモーコンな辺りとか…)

 ただ、そういった細かい部分では悪くない要素も多いのですが、肝心の映画の出来がどうにも『低予算でショボい』のは困りもの。

 元ネタとなっているのが『アクションゲーム』なので敵と格闘するシーンが物凄く多いのですが、主人公たちの動きがトロいせいで、あまりスピード感の感じられない『モッサリとしたアクションシーン』になってしまっていますし、恐竜やらの登場する特撮シーンも映像がショボくて、見せ場となるようなシーンでも全く迫力がありません。

 各ステージに登場する『ステージボス』も、矢鱈と唐突なうえに面白味のないキャラばかりですし、ゲームを題材にするのであれば、この辺はもうちょっとこだわって欲しかったですよ…

 あと、お話を作るためとはいえ、終盤の展開が『あまりゲームっぽくない』のも気になった部分なので、その辺はもうちょっとどうにかして欲しかったかなぁ?
 

 総評としましては、ASYLUMらしい『あまりパッとしないB級アクション映画』という感じの作品ですね。

 ただパッとしない内容ながらも、ピンポイントで面白い部分や見るべき部分もある感じで、個人的には『ASYLUM映画の中では良作と呼べる作品』という印象。

 TVゲームとかが好きな人であれば、まあまあ楽しめる要素もあると思いますし、ネタ映画としてはそこそこ良い感じではありますので、B級映画好きで気になっているのであれば『話のネタ程度』にチェックしてみても良いかもしれませんよ。