NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ペット・セメタリー(2019年版)」(55点/オカルト)

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■■■「ペット・セメタリー(2019年版)」■■■
(55点/オカルト)

 医師のルイスは、妻のレイチェルとエリー、ゲイジの二人の子供と共に郊外の森の奥の新居へと引っ越してくる。

 敷地の中に『ペット用の墓地』があることに不気味なものを感じつつも新しい生活を始める彼らだったが、そんな矢先にペットの猫が車に轢かれて死んでしまうという事故が発生。

 隣人のジャドの勧めで、ペット用の墓地の更に奥地の『秘密の墓所』に埋葬したところ、驚くべきことに翌日に猫が蘇って彼らの元へと帰ってくる。

 帰ってきた猫が異常なまで狂暴になっていたことから、不審に思いジャドに理由を問い詰めたところ、猫を埋めた場所は『死者の魂が蘇る呪われた場所』だったと知らされる。

 驚きを隠せないままに、あまりに狂暴で手が付けられない猫を再び眠りにつかせようとするルイスだったが、そんな矢先に交通事故で娘のエリーが命を落としてしまい…
 

 埋めた死者が蘇る『呪われた墓地』に事故で死んだ娘の死体を埋めた男が、その呪いによって恐るべき事態を引き起こしてしまう…という、オカルトホラー映画。

 1989年に映画化された同名の作品の再映画化タイトルですが、旧作とはかなりテイストの違う作品になっている印象ですね。

 テイストの大きな違いとして、旧作は『どこか物悲しい雰囲気映画』的なテイストのある作品だったと思うのですが、本作は色んな意味で『直接的でエグい内容』になってしまった感じ。

 ストーリー的な一番大きな違いとして、事故で死ぬのが『幼い息子』ではなくて『小学生ぐらいの娘』の方になっているのですが、旧作では『無邪気な3歳ぐらいの幼児が実は邪悪な存在』というギャップの怖さが印象的だったのですが、
本作っでは『ある程度の分別のある少女』が邪悪な存在として帰ってくるためか、無邪気さとのギャップとかが無くて直接的に『物凄い邪悪』なんですよ。

 『蘇った少女』の邪悪さに象徴される感じで、その他のオカルト描写や残虐描写も全体的に過激になっていて、少女の他者への攻撃も物凄く『実力行使』という感じで、結構グロいシーンが多くなっている印象。

 新要素として追加された『奥さんの過去のトラウマシーン』も矢鱈と気持ち悪いですし、ある意味で『派手で見ごたえのある内容になった』とも言えるのですが、全体的に悪趣味映画のようなテイストになってしまっているんですよね。

 お話のテンポ自体は悪くないですし、グロ描写もなかなか気合が入っており怖い内容にはなっているので、本作単体として評価するなら『グロ系のオカルト映画』として悪くない感じではあるのですが、個人的には、旧作の『家族愛の暴走』を描いた『どこか物悲しい感じのテイスト』が好きだったので、新作はちょっとテイストが変わり過ぎてるかなぁ…という印象です。
(まあ、人によって好みの別れる部分ではあるとは思いますが…)

 ラストのオチも物凄く酷い(まあ旧作もオチは割と酷かったですが)ですし、どうにもモヤっとした気持ちばかり残ってしまうリメイク作品という感じでしたよ…
 

 総評としましては、色々とエグい内容だけど『そこそこ良く出来たオカルトホラー映画』という感じの作品です。

 旧作を知らないか特に思い入れが無い場合は、エグ目のテイストに抵抗がなければ別物としてそれなりに楽しめる一本だと思います。

 逆に旧作が好きだった人は、自分のようにちょっとモヤっとした気持ちになってしまうかもしれません…