NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ブラックシープ」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「ブラックシープ」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 幼少期を実家の牧場で過ごしていたヘンリーは、とある事件と父親の死が重なったトラウマから羊恐怖症となってしまい、実家を離れて都会で暮らしていた。

 それから15年後、兄のアンガスから牧場の売却について打診を受けた事から久々に帰郷するが、そこでは兄が遺伝子操作によって羊を改良するという違法実験を行っていた。

 そんな矢先に、遺伝子操作の秘密を暴くために牧場に侵入した環境活動家のグラントたちは、廃棄予定の遺伝子操作された子羊のサンプルを盗み出すことに成功するが、ゾンビ化した子羊に噛まれたことによって自らもゾンビ化。
 更に子羊は牧草地に逃げ込んでしまい、恐るべきゾンビ羊の群れが誕生してしまうのだった…
 

 遺伝子操作によって突然変異を起こした羊の群れがゾンビ羊になって人間を襲う…という、ニュージーランド製のモンスターホラー映画。

 2006年だかにニュージーランドで作られた作品で、『羊がゾンビ化する』というシュールな設定が気になりつつも日本に入ってこない事から鑑賞を諦めていたのですが、何故か14年後の今頃になってビデオ化されたということでせっかくなので鑑賞してみましたよ。

 お話としては『遺伝子操作によってゾンビ化した羊たちが人間を襲うようになり、主人公たちがなんとかして感染の拡大を食い止めようとする』という感じの、割とオーソドックス展開。

 設定から分かるとおりにギャグ要素やらネタ要素が多めの内容で、単に『羊たちが牧草地を走ってくる』という牧歌的な光景なのに、主人公たちが恐怖に怯えて逃げ回るという展開やら、『可愛い羊ちゃんが可愛い外見のまま矢鱈と狂暴化して襲ってくる』というシチュエーションは、なかなかシュールで良い感じ。

 ゾンビ羊に噛まれた人間が、狂暴な『狼男』ならぬ『羊男』に変身してしまうというブッ飛んだ設定も笑わせてくれます。

 メインの設定だけでなく、要所要所に下品なギャグが散りばめられていたり、唐突な「狼男アメリカン」等のパロディっぽいシーンやら、他にもブラックなネタが色々とあったりといった感じで、ネタ映画としても楽しませてくれるのも悪くないです。

 全体的にブラックなノリが、なんとなく『イギリス映画っぽいテイストを感じる作品だな』と思ったら、そういやニュージーランドはイギリスの文化圏のお国でしたね。

 また、ギャグ以外に普通にゾンビ映画としても観ても、お話のテンポも良いですし、山場として盛り上がるような大規模なパニックシーンなんかも入れられていたりして、全体的に思った以上にシッカリと作られている印象。

 なんでこの映画がいままで日本で発売されなかったのか、不思議になるレベルで良く出来ています。

 ただ気になる点としては、ネタが全体的に下品で特にギャグ要素に下ネタが多めのため、『ちょっと観る人間を選ぶかなぁ…』と感じる部分があるところ。

 あと、環境活動家のヒロインの『痛い感じのキャラ』のネタ『イギリスの家庭料理』のネタとか、『そのネタって必要だった?』とツッコミを入れたくなるような要素もいくつかあったりして、やや蛇足的に感じる部分も…

 あと、ラストのオチ(ゾンビの退治方法)が妙に唐突なのも若干気になったところかなぁ?
 

 総評としましては、なかなか良く出来た『コメディ要素強めのソンビ映画』って感じの作品ですね。

 『羊ゾンビ』という設定に興味があったり、コメディ風味のゾンビ映画が好きな人であれば、普通に観てみても損はない一本だと思います。

 ただ、下ネタやら下品なネタがかなり多めの内容なので、そういうのが苦手な人はちょっとだけ注意が必要かもしれません…