NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「リバース・オブ・ブリッツ」(40点/サスペンス)

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■■■「リバース・オブ・ブリッツ」■■■
(40点/サスペンス)


 死体安置所に放置されるも、落雷のショックで蘇った赤ちゃんのテスは、生来から『電気を操る』という不思議な能力を身に着けていた。


 彼女は当直だった職員のケンによって密かに連れ帰られ、虐待を受けながら育てられるが、16歳の誕生日に自分の本当の母親の秘密を探るために育ての親であるケンを殺害して逃走。


 自分をこんな境遇に陥れたすべての人間への復讐を決意する。


 そんな矢先、16年前に死産で娘を失ったトラウマから未だに立ち直れない女優のレナは、過去と向き合うために娘の埋葬された墓地へと向かおうとするが、娘の死体が実は埋葬されていないことが発覚し…

 


 落雷のショックで蘇り電気を操る能力を得た少女が、自分を捨てた母親への復讐を決意する…という、サスペンス風味のサイキックホラー映画。


 なんとなく『どこかで聞いたような感じの設定のお話』という感じの作品ですが、実際の中身の方もぶっちゃけて言ってしまえば『電気操作能力版のキャリー』みたいな感じのお話です。


 ストーリーとしては、『落雷のショックで死体安置所で息を吹き返し電気を操る能力を身に着けた赤ちゃんが、密かに連れ帰られて虐待を受けながら育てられるも、16歳の誕生日に育ての親を殺して逃亡し生みの親を探し出そうとする…』みたいな感じの展開。


 全体的にかなり低予算でチープな感じの作りの作品で、日本の2時間ドラマとかと同じ程度のレベルの安っぽいノリを予想しておけば、だいたい想像どおりのレベルという感じのクオリティで、絶望的に低予算という訳ではないですが特撮ドラマとして観るにはやや辛い印象です。


 お話としては、単純な『捨てられた娘の復讐劇』かと思いきや、実は母親の方も娘が生き返っていた事を知らなかったりして、一筋縄では行かない『母娘の愛憎劇』的な展開に突入していき、サスペンスとして先の読めない構成になっているのはなかなか面白いですね。


 ただ全体的にキャラの掘り下げが浅くて内容的にもちょっと薄めな印象で、超能力者である主人公のキャラや育ての親の変態オヤジのキャラとかは、もうちょっと濃くてもよかった気がします。


 主人公の能力も、『電気を操る』と言いつつも『両手から稲妻を出せる』みたいな派手なものではなく『電気製品に干渉できる』といった程度で、基本的には電灯が明滅したり機械が勝手に動いたりするぐらいの能力のためビジュアル的にもどうにも地味。


 細かい設定に関してもツッコミどころが多くて、最初に主人公の能力を抑えてた『謎の腕輪』みたいなのは何なんだよ…とか、事件を追う刑事も主人公の能力に対して『察しが良すぎ』だろ(ふつうはもっと超能力の存在を疑うだろ)とか、色々と無理がある感じ…


 終盤の展開も矢鱈とアッサリしてて、全体的にどうにも盛り上がりに欠ける内容ですし、ラストの取って付けたような「キャリー」のオマージュも『なんだかなぁ…』って感じで、どうにもイマイチ感のぬぐえない作品でしたよ。

 


 総評としましては、『地味で盛り上がりに欠けるサイキックホラー映画』って感じの作品です。


 超能力ホラーもののプロットとしては悪くないとは思うのですが、ストーリーも特撮とかも安っぽくて、典型的な低予算ドラマを見せられている印象。


 まあ、暇つぶしに片手間に観る程度なら悪くはない作品だと思いますので、気になるようであれば定額配信系のサイトとかで観れるようになったタイミングででも、チェックしてみたら良いって程度の一本だと思います。