NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ」(65点/モンスター:オススメ)

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■■■「処刑山 ナチゾンビVSソビエトゾンビ」■■■
(65点/モンスター:オススメ)


 雪山で呪われたナチスのゾンビ軍団に襲われたマーティンは、友人や恋人、自分の右腕さえも失いながらも、なんとかゾンビの襲撃を逃れて脱出する事に成功するが、車に乗っての逃亡の途中で疲労から交通事故を起こしてしまう。


 ベッドで目を覚ました彼は、警察から雪山で仲間たちを殺した殺人犯として追われているうえに、医師の手違いによって誤ってゾンビ軍団の司令官であるヘルツォークの右腕を自分に移植されていることに気づく。


 またその頃、雪山で蘇ったナチスのゾンビ軍団たちは、過去に受けた『任務』を遂行するために、街に向かって進軍を開始していたのだった…

 


 雪山でゾンビ軍団の襲撃を生き延びた一人の男性が、偶然手にした超パワーを使って蘇ったゾンビ軍団から街を守るために戦いを挑む…という、ノルウェー製のモンスターホラー映画。


 2007年に作られたノルウェー製のゾンビ映画である「処刑山 デッド・スノウ」の続編に当たる作品ですが、なんで今更そんな映画の続編が作られたのかと思いきや、本国では2014年に続編が制作されている作品のようですね。(まあ、本国でも随分と間が空いていますが…)


■映画感想:「処刑山 デッドスノウ」(60点/モンスター)
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/63713753


 日本での発売が随分と遅いので駄作だったのかと思いきや、これが予想に反して意外なぐらいに良く出来たお馬鹿系ゾンビ映画という印象。
 (ぶっちゃけ、最近の『お馬鹿系ゾンビ映画』では一番面白かったかも?)


 お話としては『ゾンビの襲撃を逃れてなんとか生き延びた主人公が、雪山から脱出するも交通事故を起こして入院。誤ってゾンビ司令官の腕を移植されたところ、ゾンビのスーパーパワーが使えるようになり、街の襲撃を狙う蘇ったゾンビ軍団に戦いを挑む』みたいな、なかなかの超展開。


 ストーリー的には、まんま『前作のラストシーンからの続き』という感じなのですが、冒頭で前作の回想シーンが入ってストーリーが描かれるため、前作を観ていなくてもそこまで困ることは無さそうです。(そもそも、前作も『雪山で呪われたナチスのゾンビ軍団が蘇りました』以上のストーリーは無いし…)


 肝心の中身に関しては、『ゾンビの超パワーを手に入れた主人公がナチスのゾンビ軍団と戦う』という設定のとおり、かなりブッ飛んだ内容。


 設定のバカバカしさに加えて、ソンビ軍団の女子供だろうと構わず虐殺する『情け容赦ない襲撃シーン』が非常にパワフルで、中盤からはゾンビ軍団がティーガー戦車まで乗り回して襲ってくるという無駄に派手な展開で、予想以上に楽しませてくれます。


 ちなみに本作のゾンビは、いわゆる『呪い系ゾンビ』なので噛まれても感染する事は無いものの、『殺した人間を蘇らせてゾンビ兵士にする』という能力をゾンビ軍団の司令官が持っているのですが、この能力を実は主人公も使えるようになっており、予想外の展開に突入していくという超人バトル的なプロットは荒唐無稽で面白いです。


 お話の展開も非常にテンポが良く、ところどころに入るブラックユーモアの効いたギャグも良い味を出しており、ネタ的には色々と酷い内容なんだけど『過剰なグロ』と『不謹慎なネタ』で要所要所で笑わせてくれるのも良い感じ。


 終盤の『ゾンビ大戦争』的な展開も非常に熱くて、無駄に盛り上がる感じなのも良いですし、主人公や一緒に戦う新キャラである『対ゾンビ組織』みたいな仲間たちも、なかなか個性的で良いキャラをしています。


 また特撮レベルは、80年代ノリ的な血糊ドバドバ系の特殊メイクで安っぽい感じではあるのですが、映画の内容のバカバカしさと相まって、それもある意味で良い味を出している感じ。


 前作は単なる『グロ要素強めのパワフルなゾンビ映画という感じでしたが、本作ではそれにお馬鹿要素も加わって、かなりハイグレードな『グロ系コメディホラー映画』になった印象ですよ。


 ただ、ラストの主人公の恋人に関するエピソードはやや蛇足だった印象なので、もうちょっと歯切れよく終わらせておいても良かった気がしますよ…

 


 総評としましては、『非常にお馬鹿でグロくてパワフルなノリのコメディ系ゾンビ映画って感じの作品ですね。


 お馬鹿系のゾンビ映画が好きならばなかなか楽しめる内容だと思いますので、そういった映画を探しているのであれば間違いなくオススメの一本だと言えるでしょう。


 ノルウェー製のゾンビ映画だけあって、ドイツとかと同じようなノリでかなりグロ要素が強めなので、過剰なゴア描写とかが苦手な人には辛い内容かもしれませんので、その辺だけは注意が必要かもしれません…