NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「プライス 戦慄の報酬」(55点/サスペンス)

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■■■「プライス 戦慄の報酬」■■■
(55点/サスペンス)


 ビバリーヒルズでアーティストとして暮らすノーヴァルは、彼が5歳の時に蒸発して以来、行方不明となっていた父親から30年ぶりに『会いに来てほしい』と記された手紙を受け取る。


 父親から『幼い頃に唐突に失踪した理由』を聞けると考えたノーヴァルは、父の指定する海辺の一軒家を訪れるが、再開した父は横暴なうえに挙動不審で自分を呼んだ目的も釈然とせず、父の態度に疑惑を抱くようになっていく。


 そんな矢先に父と口論になってしまうが、激昂した父は心臓発作を起こして倒れてしまい、父が死んでしまったと考えた彼は警察を呼んで対処してもらおうとするが、思いがけないトラブルが発生し…

 


 30年ぶりに父と再会した男が、挙動不審な父親に違和感を感じつつ過ごすうちに思いがけないトラブルに巻き込まれていく…という、サスペンススリラー映画。


 お話としては、『30年ぶりに彼が幼い頃に蒸発した父から手紙を受け取った男が、過去に何があったかを聞けると考えて父に再会するんだけど父親の様子がどうにも挙動不審で、違和感を感じつつも一緒に過ごすうちに思いがけない事態に巻き込まれていく』というような感じの展開。


 いわゆるミステリー系のスリラー映画なのですが、序盤から割と『謎が多い』というか『理不尽な展開』が連続するような内容で、サスペンスというよりはカルト映画的なノリを感じさせる構成なのは、意外性があってちょっと面白いですね。


 人里離れたロッジの不気味な雰囲気も良い味を出していますし、雰囲気映画的な独特のノリがなかなか楽しい作品になっています。


 そして、そのまま雰囲気重視のカルトムービー的なノリでお話が進んでいくのかと思いきや、中盤からは意外とシッカリとしたサスペンスという感じの展開に突入していくという構成も、ちょっと予想外で良く出来ている印象。


 ただ残念な点を挙げるとしたら、サスペンス的な流れに突入してからの展開がいま一つ盛り上がりに欠ける感じなんですよね…


 派手なバイオレンス描写は悪くないのですが、主人公たちがそこまで『窮地に追い込まれている』という印象を受けるような展開ではないため、全体的に緊張感が薄くて冗長な雰囲気があるのは残念なところ。


 ラストも妙にアッサリな印象ですし、結局、何が描きたかったのかのテーマ性とかが良く分からないのも気になります。


 サスペンス要素以外は良く出来ている部分が多くてもう少しサスペンス部分がシッカリと作られてれば、なかなか良い感じの作品になったと思うので、なんというかちょっと残念な印象を受ける作品でしたよ。

 


 総評としましては、『独特のノリでちょっと意外性のある構成のサスペンススリラー映画』って感じの作品ですね。


 作品の構成なんかは面白くて見どころがある内容ではあるのですが、総合的にオススメできるほどの作品かと言われるとちょっと微妙な印象。


 悪くはない映画だとは思うので、設定が気になるとかカルト映画的なノリが好きな人であれば、チェックしておいても損はない一本だと思いますよ。