■■■「ザ・パラサイト 寄生する獣」■■■
(10点/モンスター)
科学者のルイザは、政府からの依頼でアメリカ東海岸で続発する変死事件を調査することになる。
その事件は、犠牲者の頭蓋骨が内部から破裂したような状態で、更には脳の一部が欠損しているという異様なものだった。
事件の重要参考にとして逮捕された学生の残したビデオを確認した彼女は、ビデオテープに奇妙な生物のようなものが映っているのを発見。
未知の寄生生物が事件の犯人ではないかと考え、調査を進めることとなるが…
アメリカ東海岸で起こる連続変死事件の謎を追う科学者が、深海から現れた謎の寄生生物とその生物にまつわる恐るべき秘密を知る…という、モンスターホラー映画。
いわゆる『ファウンドフッテージ(発見された映像)』系の低予算モンスターホラー映画なのですが、なんというか色々と酷い作品です。
お話としては、『とある科学者が原因不明の連続変死事件を追ううちに未知の寄生生物の存在にたどり着くんだけど、その寄生生物には恐るべき秘密が存在しており…』みたいな感じの展開。
『ファウンドフッテージものモキュメンタリー』という事で、お話のメインとしては『科学者が調査結果をまとめたビデオ』の映像が中心となってお話が進んでいくのですが、この内容がまあとにかく退屈です。
全編の半分ぐらいは、『主人公の科学者が画面(ビデオカメラ)に向かって喋っているだけ』みたいな感じで、他のシーンに関しても殆どのシーンがホームビデオや監視カメラの前で『登場人物たちが会話しているだけ』という感じの内容。
『超低予算映画らしい作り』だと言えばそのとおりなのですが、あまりにもダラダラと会話しているだけのシーンが多いので、とにかくテンポが悪くて観ていて眠くなってしまいます。
寄生生物によって犠牲者が死ぬシーンも、大半が『ちょっと血を吐いたり血が噴き出す程度』のシーンが多くて、どうにも見どころが薄い印象。
ところどころで、CGで描かれたサソリみたいな『寄生生物』が登場するものの、この生物によるパニックシーンみたいなのは描かれず、終盤にはお約束のごとく犠牲者がゾンビ化して『単なるゾンビ映画』みたいなノリになってしまい、本作の唯一の個性すら失われてしまうのはいかがなものかと?
(まあ『犠牲者のゾンビ化』はローコストで作れるので、低予算映画の定番ではありますけど…)
また、ラスト付近で『主人公に関する衝撃の事実』みたいなのが明らかになるのですが、これが唐突なうえにたいした伏線らしきものもなく『だから何なんだよ』みたいな内容なのに加えて、それに続くラストの展開も何が言いたいのか良く分からない投げっ放しオチなのは困りもの。
あと、90分の映画のくせに最後のスタッフロールが10分ぐらいあって、そこで『舞台裏映像集』みたいなのが流れるのですが、この内容がいかにも制作者の自己満足映像っぽくて、色々と痛々しくて観ていて辛かったです。
(これが学生の自主製作映画なら、特に問題のないノリだとは思いますけど…)
総評としましては、色々と『観ていて辛いレベルのファウンドフッテージものモンスターホラー映画』って感じの作品です。
正直、全くオススメできませんし、退屈すぎて『バカ映画』や『ネタ映画』としても弱いので、普通にスルーしてしまっても何の問題もない一本ではないかと…
あと、「パラサイト 半地下の家族」と微妙に発売日を近くしているところに作為的なものを感じますが、流石にコレを間違えて借りてしまう人は居ないと思うので、あまり問題はないのかも?(笑)