NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「死霊匣 SHIRYOBAKO」(45点/オカルト)

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■■■「死霊匣 SHIRYOBAKO」■■■
(45点/オカルト)


 とある老人がアンティークのビックリ箱を平原を散策中に偶然発見し、紆余曲折を経てその箱は町の博物館に寄贈されることとなる。


 博物館で働くこととなったアンティーク好きの青年ケイシーは、収蔵品を整理中にそのビックリ箱を発見し、状態をチェックするために蓋を開けて展示の準備を進めるが、中から現れた不気味なピエロの人形が勝手に動き回っているような現場を目撃する。


 最初は自分のトラウマから生じたパラノイアの産物だと考えていた彼だったが、それ以降、博物館の周辺で次々と人が行方不明になるという奇妙な事件が発生。


 更には、そのビックリ箱が『中世に悪魔崇拝の目的で作られたものかもしれない』という事実を知らされた彼は、その箱が何か曰くつきの存在なのではないかと疑いを抱くようになっていく…

 


 アンティークのビックリ箱から現れたピエロの姿をした怪人が、博物館に訪れた人間を次々と襲う…という、オカルト風味のモンスターホラー映画。


 「死霊匣」なんて言ういかにも東洋風のタイトルが付いていますが、最近流行りの『ピエロの姿をした怪人』が登場するイギリス製のオカルトホラー映画です。
 なんというか、サブタイトルにローマ字で「SHIRYOBAKO」とか書かれると、アニオタ的にはなんとなくSHIROBAKO(アニメ制作会社を舞台にしたお仕事系アニメ)を連想してしまいますが、当然ながら本作とは何の関係もありません。(というか、あったら怖いわ…)


 お話としては、『平原の真ん中に封印されるように埋められていたアンティークのビックリ箱が発見され博物館に寄贈されるものの、ビックリ箱を開けた直後から博物館で奇妙な行方不明事件が続発するようになり、箱を開けた博物館の職員が不審に感じて箱の正体を調べたところ恐るべき事実が発覚する』みたいな展開。


 ストーリーとしては非常にオーソドックスな『呪いのビックリ箱』を題材としたオカルトホラーという感じで、設定的には目新しさは無いものの割とシッカリと作られているお話という感じ…


 主人公が謎を追ううちに、ビックリ箱の中から現れる『ピエロの姿をした怪人』の存在に気づくんだけど、周りに危険を警告するものの誰からも信じて貰えず、むしろ彼自身が事件の犯人として疑われるようになってしまい…といった感じで、謎解きとサスペンスが同時に進行していくような感じの展開なのですが、この辺りの構成はなかなか良く出来ています。


 『過去に恋人を通り魔に殺されてトラウマを抱えている』という主人公のキャラの立て方も良く出来ており、主人公が『怪物から逃げ出すか、仲間を守るために怪物と対峙するか』という決断を迫られるという展開に説得力が出てるのも良いですね。


 細かいプロットが割とシッカリしており、人間ドラマ的な要素がホラー要素と上手く噛み合っている印象です。


 ただドラマ的な要素は悪くないのですが、本作がホラーとして面白いかと言われると微妙なところなのは困りもの。


 『ピエロの姿の怪人』のデザインは不気味で悪くないのですが、いかんせん出番が少ないうえに、殺害シーンなんかも『イメージ映像』的なシーンが多くて、モンスターの登場シーンがどうにも盛り上がりに欠けます。


 ストーリーの展開もやや遅めで、中盤辺りとか冗長でちょっと退屈な印象を受けてしまうのも残念なところ。


 終盤の怪物との展開もいま一つ盛り上がりに欠けますし、ラストの矢鱈と投げっぱなしな感じのエンディングも物足りない印象がありますし、お話自体は悪くなかったもののそれ以外の部分は『もうちょっとどうにかならんかったかなぁ…』というのが正直なところでしたよ。

 


 総評としましては、悪い意味でB級なイメージの強い『いま一つ盛り上がりに欠けるピエロ怪人ものオカルトホラー映画』って感じですね。


 設定やらストーリーやら悪くない要素もあるのですが、全体的に見ると退屈な部分も多いので、オススメするには弱い印象かなぁ?


 気になるのであれば観るのを止めることはしませんが、なんとなくそのうちネトフリとかの定額系の動画サイトに入ってきそうな気がするので、急がないならその辺を待ってからでも良いかもしれません…