NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」(10点/モンスター)

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■■■「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」■■■
(10点/モンスター)


 カリフォルニア沿岸で、謎の変死事故が相次いで発生。


 その頃、マルコ研究所で新薬開発のためにサメの研究を行うルシンダは、サメの水槽に居るはずのサメの数が不自然に増減していることを発見する。


 サメが勝手に水槽から出入りしているとしか考えられない異常な事態に、上司のフォスター博士に相談したところ、実は彼らの研究所では、『サメを遺伝子操作により陸上に適応させて生物兵器として活用できないか』という実験を行っていた事が判明。


 水槽から逃げ出した3匹の『陸ザメ』を処理すべく、ルシンダはフォスター博士と共にサメたちの行方を追う事となるが…

 


 生物兵器として作り出された3匹の『陸ザメ(ランドシャーク)』が研究所から逃亡して人々を襲撃し、研究所員たちが極秘裏にそのサメを処理しようとする…という、モンスターパニック映画。


 超低予算映画である「ジュラシック・ビースト」「フランケンジョーズといった数々の迷作を手掛けたマーク・ポロニア監督による新作で、ご多聞に漏れずに色々と酷い内容の、B級というのもおこがましい『Z級ホラー映画』という感じの作品です。


 『サメが陸上で人を襲う』というと、サメが砂の中を泳いで襲い掛かってくる「ビーチ・シャーク」という映画があって、パッケージを見ると『本作もそんな感じのマトモな内容なのかな?』と思う訳ですが…


 こちらのパッケージの映像はアクマでも『パッケージ用のイメージ映像』という感じで、実際の映画の中身の方は『サメのオモチャの映像をを実際の映像に合成して作られた人食いザメが陸をノタノタ這って追いかかてくるだけ』という、いつもの超低予算の『ポロニア節あふれる作品』となっておりますので、ファンの方は安心していただいて問題ありません。
 (ぶっちゃけ、マトモなB級作品である「ビーチ・シャーク」と比較するのが失礼なレベル。)


 とまあ、そんな感じで本作に関してですが、ポロニア監督の新作という事で予想はしていたものの『映画のストーリーから特撮にいたるまで何から何まで酷い映画』というのが正直な感想とい感じですね。


 ストーリーから映像まで何から何までツッコミどころ満載な感じの内容で、医療用の新薬を研究していたはずの主人公が、何故か唐突に『逃げ出したサメを処理するために戦うことになる』という設定も無茶苦茶(部外者に秘密を盛らないためとはいえ、どんだけ人材不足なんだよ…)ですし、単なる生物学の研究をしてた研究施設が、明らかにオーバーテクノロジーな『謎のレーザー光線銃』みたいなのを所持してて、それを使ってサメと戦うという展開も意味不明。
 (いや、サメを生物兵器として売り込むより、その物凄いレーザー銃を売った方が儲かるんじゃない?)


 その他の『細かいツッコミどころ』は多すぎて書ききれないレベルなので割愛しますが、ぶっちゃけ『ツッコまずに済む部分』を探す方が困難なレベルだと思います。


 特撮も相変わらず酷くて、登場する「丘ジョーズ」くんは明らかに『サメのハンドパペットのオモチャ』を手でパクパクやって、それを実写にCG合成しただけという低レベルっぷり。(というか、これをCG合成と呼んで良いのかにはちょっと疑問が…)


 ちなみに、適当に合成してるもんだから『シーンによってサメの大きさが微妙に違ったりする』のは、まあご愛敬といった感じ。(笑)


 また『陸に適応』といっても、蛇みたいにノタノタと地面を這って追ってくるだけで、『それで適応と呼んでいいのかよ?』という素朴な疑問も…
 (生物兵器に活用できるレベルじゃないだろ…)


 ただ相変わらず酷い内容なのですが、「ジュラシック・ビースト」や「フランケンジョーズ」に比べるとマトモになった部分もあって、研究所のシーンで『実際の研究所』らしき施設やら機材を使わせて貰って撮影しているあたりとか、『いままでの作品に比べると進歩したなぁ…』という感もあります。


 ただ、逆に『マトモなノリ』を意識してしまった弊害なのか、序盤でジョーズくんの出し惜しみが酷くて、なかなか画面に出てきてくれないのは結構ストレスだったかなぁ?


 ストーリーに関しても、どうにも持って回ったような展開が多いせいか丘ジョーズくんの出番自体がちょっと少な目で、ちょっとテンポの遅さを感じてしまったのも残念なところ。


 もっと今までの作品のように、臆面もなくショボい特撮シーンを全面に押し出しつつ丘ジョーズくんを大暴れさせて欲しかったです。


 ただ、ネタバレになってしまうので細かい説明は避けますが、ラストの衝撃の展開はなかなか笑わせてくれるので、その辺も含めて『バカ映画好き』であれば期待しておいて間違いのない作品かと…

 


 総評としましては、毎度のことながらこれ以上ないような『最底辺レベルの超低予算モンスターホラー映画』って感じの作品です。


 でもまあしかし『愛すべきクソ映画』という感じの内容ではあるので、クソ映画好きな人やら、マーク・ポロニア監督のファンの方、怖いもの見たさ(ホラーとしての『怖いもの』ではない)でネタ映画を探しているような場合は、色んな意味で楽しめる内容だとは思うのでニーズにマッチした作品ではないかと…


 逆に普通にサメ映画を楽しみたいと考えている人が観ると大ヤケドをしてしまう可能性があるので、色々と注意が必要なタイトルだとは思われますよ。