NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「恐怖人形」(50点/オカルト:結構オススメ)

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■■■「恐怖人形」■■■
(50点/オカルト:結構オススメ)


 カメラが趣味の女子大生の由梨、同じ趣味を持つ幼馴染の真人と共に一緒に風景写真を撮影したりといった平凡な日常を過ごしていた。


 そんなある日、彼らのもとに差出人不明の奇妙な『パーティへの招待状』が届く。


 『参加者に礼金10万円を贈呈』という奇妙な条件が付けられた招待状に不審な内容だとは思いつつも、真人は奨学金の返済のために参加することを決意。
 それに付き合って、由梨も一緒に参加することとなる。


 招待状に従って、他の参加者と思われる5人の若者たちと一人の中年男性と共に片田舎の山中にあるキャンプに向かった彼らは、そこでキャンプ場の管理人と名乗る不気味な女性から『24時からパーティがはじまる』と告げられてキャンプ場で楽しく過ごしながら待つこととなるが、彼らの周りに不気味な『日本人形』の影がチラつきはじめ…

 


 幼くして亡くなった少女の呪いを受けた『日本人形』が巨大化して人間を襲うという、オカルト風味のスラッシャーホラー映画。


 お話としては、『8人の男女が謎の招待状でキャンプ場に正体されるんだけど実は過去にもその場所に来た事があって、その過去の出来事にまつわる『呪い』によって謎の『日本人形』に命を狙われる…』みたいな感じの展開。


 ちなみに『呪いの人形』を題材としたホラーといえば、なんとなくオカルト作品的な印象を受けるのですが…


 なんと本作ではこの『呪いの人形』が人間サイズに巨大化して、斧やらチェーンソーやらの得物を手に『物理的なパワープレイで襲い掛かってくる』という、なかなかのトンデモ系のスラッシャーホラー映画となっております。


 一応は亡くなった少女が、死ぬ前に人形に『大きくなーれ』と想いを込めていたという前振りはあるのですが、それにしても大きくなりすぎやろ。(笑)


 パッケージにも描かれているとおり、日本人形のデザインはなかなか不気味で良い味を出しているのですが、まあこの日本人形の襲撃シーンがシュールすぎ!!


 斧やら包丁やらの得物を手に『着ぐるみにしか見えない等身大の日本人形が主人公たちに襲い掛かってくる』というシーンは、あまりにも絵面が衝撃的すぎです。


 特に終盤の『巨大な日本人形がチェーンソーを手に走って追いかけてくる』というシーンでは、緊迫感のあるはずのシーンなのに思わず爆笑してしまいましたよ。(笑)


 この『シリアスなシーンになるほど笑いがこみあげてしまう』という、強烈なシュールさとアヴァンギャルドっぷりは一見の価値アリです。


 『巨大な日本人形』の見た目のインパクトが絶大すぎて他の要素が薄れがちですが、『謎解きパートの前半』と『襲撃パートの後半』といった分かりやすい構成もメリハリが効いててテンポも良いですし、主人公たちのキャラや、脇役の不気味な管理人やらキチ●イ心霊研究家も良くキャラが立ってて良い感じ。


 人形の襲撃シーン等の見せ場となるシーンなんかも割と多めですし、B級スラッシャーホラー映画としてはまあまあ良く出来ている印象。


 ただ残虐描写が全体的に控え目で、残虐シーンの大半が『血しぶきが飛ぶだけ』とか『残虐シーンのシルエットだけ』といったイメージ映像的なシーンが多くて、やや物足りない感があるのは困りもの。


 ここまでシュールな絵面を描くことに注力した内容なら、残虐シーンももっとシッカリと描いてシュールさを増し増しにして欲しかったです。


 また、主人公たちが特に記憶を失うトラウマになるような事件があった訳でもないのに『10年前にキャンプ場に来たことを最初は誰も覚えていない』って設定とかも無理がある感じで、ちょっとストーリー的に違和感があったかも?(覚えてないなら、不審がって10万円に釣られて来ない人が居てもおかしくないし…)


 あと、ラストの『ちょっとしたドンデン返し』的な展開は、予想出来る範囲ではあるもののやや唐突感があったので、もうちょっと伏線っぽいものがあっても良かったかも?

 


 総評としましては、色々と物足りない部分もあるもののそれ以上に『物凄い絵面とインパクトのあるB級スラッシャーホラー映画』というのが正直な感想です。


 B級ホラーとしては『とりあえず及第点』って感じなので、そこまで面白いかと言われると微妙なのですが、それを差し置いてもこの『尖り過ぎたシュールさと強烈な絵面』は一見の価値アリ。


 特に後半の展開はツッコミどころ満載すぎてツッコミが渋滞するレベルですので、ツッコミどころのあるネタ映画を探しているのであれば、間違いなくオススメの一本ですよ。(笑)