■■■「エクソシスト・ゲーム」■■■
(20点/モンスター)
悪魔祓い師のドヴが悪魔をヴィジャボード(西洋こっくりさん)というボードゲーム閉じ込めることに成功するが、彼の息子のヨセフが誤ってそれを解放してしまい、友人たちが惨殺されるという事件が発生。
ドヴは再び悪魔をボードゲームに封印し、悪魔から彼の身を守るためにヨセフを遠くの施設へと送ってしまう。
それから30年、ヨセフは病気によって亡くなったドヴの葬儀に参列することとなるが、彼の息子のノアが祖父の家から悪魔の封印されたヴィジャボードを発見し、父と同じように誤って悪魔を解放してしまい…
祖父によってヴィジャボード(西洋こっくりさん)に閉じ込められた悪魔を孫が誤って解放してしまい、息子たちがなんとかして悪魔を再び封印しようとする…というオカルトホラー映画。
別に本作に限った話じゃないですが、『ヴィジャボード(西洋こっくりさん)』のことを『ゲーム』と説明されるのって、何か違和感があります。
(まあ、日本の『こっくりさん』と同様に『遊び』の延長ではあるんでしょうけど、別にゲーム的な要素無いですし…)
まあそれはさておき、本作のお話としては『とある悪魔祓い師が悪魔をヴィジャボードに封印していたところ、その子孫が親子二代に渡って悪魔を解放してしまって大変なことになる…』みたいな感じの展開。
父と子の連続で悪魔を解放しちゃう親子もどうかと思いますが、それ以前に『ちょっと触ったぐらいで悪魔が解放されるような物騒なアイテム』なら、もっと金庫の中にしまっておくとか厳重に保管しておけよ…というそもそもの感想しか出てきません。
まあ悪魔が解放された後は『人に取り憑いて殺人を繰り返す』みたいな感じで、特にコレといって捻りもないオーソドックスなオカルト作品という感じ。
とまあ設定の方はオーソドックスな感じなのですが、肝心の中身の方は『ひたすら退屈な映画』というのが正直なところ。
全体的にとにかく話の展開が遅くて非常にダラダラとした印象で、90分弱しか尺が無いのに悪魔が解放されるのは1時間程度経ってからという塩梅。
それまでは、亡くなった祖父の親戚連中が集まってダラダラとパーティをしてる様子が描かれるだけで、心霊現象とかも盛り上げるような不気味な雰囲気とかもなく、見せ場になるような要素は殆どありません。(どうでもいいお色気シーンがちょっとだけある程度。)
一応、主人公と祖父に絡んだ『過去の事件の真相』やら『親子三代の確執』みたいなのがサラっと語られたりするのですが、この内容も物凄く薄いうえにどうでも良すぎるお話で、終盤の悪魔が登場する伏線にすら全くなっていないのは困りものです。
悪魔が登場してからの展開も、悪魔に取り憑かれた人間は『目が青く光る』だけで、特にビジュアル的な面白みも迫力もまったく無し。
悪魔の襲撃方法も『犠牲者の口から黒い煙みたいなのを吸い取る』というだけで絵的な面白さが全くなく、唯一の見せ場として『心臓をえぐり取る』シーンがあるのですが、これも適当に合成した作り物感まるだしのCGで血糊も全く出ずに見せ場としてはショボすぎます…
なんの伏線もないけど『主人公が実は悪魔祓いの訓練を受けていた』という設定も意味不明ですし、めっちゃネタバレになってしまいますが、ラストの『主人公が自己犠牲を払って悪魔を倒そうとする展開』も唐突すぎて意味不明。
最後も何の盛り上がりもないままにイキナリ終わってしまう感じで『えっ、コレでっ本当に終わり?』と素でビックリしてしまいましたよ…
総評としましては、『ビックリするぐらい見どころのない微妙なオカルトホラー映画』というのが正直な感想です。
ツマンなくても、まだツッコミどころでもあればも楽しめすのですが、ツッコムべきところも楽しむべき要素も殆ど感じられずに、とにかくひたすら退屈な作品でしたよ。
世の中には無料なり定額配信なりでももっと面白い作品がいっぱいありますし、ネタ映画としても敢えてこの作品を観る必要性は感じられないので、普通にスルーしてしまっても良い一本ではないかと…