■■■「クワイエット・フレンド 見えない、ともだち」■■■
(45点/オカルト)
8歳の息子を持つ母親のベスは、ある日、息子のジョシュが『Z』と言う名前の空想上の友達(イマジナリーフレンド)と会話するようになっているのに気づく。
これぐらいの年齢の子供には良くあることだと考え、あまり気にしていなかった彼女だったが、ジョシュは『Z』と付き合うようになってから以降、友達に暴力を奮うようになったり、暴言や汚言を繰りかえすようになり、学校を停学処分になってしまう。
息子のことを心配したベスは、かかりつけの精神科医の元へカウンセリングに訪れるが、医師と会話するうちに彼女自身が8歳の時に同じ『Z』と名乗るイマジナリーフレンドが居たという、忘れていた過去の記憶を取り戻す。
更には、彼女たちの周りで異様な現象が相次いで起こるようになっていったことから、彼女は『Z』が実在するのではないかと疑いを抱くようになっていくが…
正体不明のイマジナリーフレンド『Z』に取り憑かれた親子が恐るべき恐怖にさらされる…という、オカルトサスペンス映画。
子供が会話する『イマジナリーフレンド(空想上の友達)』が、実は実在する『何者か(邪悪な幽霊等)』だった…という設定はまあまあありがちではありますが、本作のジャンル的にはオカルトホラーとサイコスリラーの中間みたいな内容の作品ですね。
お話的には『8歳の息子がイマジナリーフレンドと会話するようになってから素行が不良になっていき、原因を調べたところ恐るべき秘密が発覚し…』みたいな、この手のオカルトホラー映画では定番っぽい感じのストーリー。
ただ、本作はここにひと捻り加えており『実は母親も、子供の頃に同じイマジナリーフレンドと出会っていた』という設定は少し面白くて、良い感じのサスペンス要素になっている印象です。
設定にひと捻りあるおかげでサスペンス的な先の読めなさが良い感じになっていますし、単純にホラーとしてもお話の要所要所でそれなりの見せ場があるのでそこまで退屈せずに見れますし、オカルト調の不気味な雰囲気なんかも悪くなくてなかなか怖くて良い感じなのですが…
ただお話の核心に迫るまでが結構長くてややテンポの悪さを感じてしまうのと、核心に迫ったあとの展開があまりにも急展開すぎるのは困りもの。
主人公の行動に『え、なんでそうなっちゃうの?』みたいな展開が多くて、観ていてどうにもモニョってしまいます。
イマジナリーフレンドである『Z』の正体も最後までなんだか良く分からないですし、『Z』にまつわるバックボーン的なものが最後までほぼ説明されないため、いま一つストーリーに説得力がないのも難点かなぁ?
『Z』の存在も怪物としてあまり魅力がないですし、この辺をもうちょっと上手く描いてれば、もっと良くなったと思うのですが…
オチも投げっぱなし気味なうえに割と救いがない系のオチですし、アイデアやプロットは悪くないのに全体的にどうにもスッキリしないタイプの映画でしたよ。
総評としましては、悪くはないものの『いま一つキレに欠けるオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
そこそこ良く出来ている部分もあるのですが、オススメ出来る要素が弱いのと、割と悪い意味でモヤっとしてしまいストレスが溜まる内容の映画という印象。
『正体不明のイマジナリーフレンド』とかって設定に興味があれば観てみても良いかもしれませんが、あまり推すほどでもないので急がないのであればどこかで配信されたり放送されたタイミングでチェックする程度で良いかもしれません。