■■■「ディープ・ブルー３」■■■
（６０点／生物パニック）
モザンビーク海峡の沖にある、温暖化による海面上昇により水没の危機に瀕した人口島の『小さな楽園(リトル・ハッピー)』。
生物学者であるエマは、チームのメンバーと共にこの場所に拠点を設営し、近くの海域に繁殖のために訪れるホオジロザメの研究調査を行っていた。
そんなある日、彼らの元にエマの元カレであるリチャードが、大型の調査船を率いて来訪。
彼らは、近くの海域で人間を襲った、『異常に攻撃性の高い３匹のオオメジロザメ』を捕獲のために追跡しているということから、エマたちはホオジロザメのテリトリーを守るために彼らの調査に協力することとなる。
しかし彼らの追跡するオオメジロザメは、実は某製薬企業の遺伝子操作によって生み出された、高い知能を持った恐るべき殺人ザメで、彼ら自身の命が危険にさらされることとなってしまうのだった…
遺伝子操作によって生み出された『高い知能を備えた狂暴な人食いザメ』が人間を襲うという設定の、生物パニックもの海洋ホラー映画。
シリーズ３作目で「ディープ・ブルー２」の正式な続編に当たる作品ということなのですが、前作の内容を全く覚えていなかったので『どんな話だったっけ？』と思って自分の感想をチェックしてみたところ、どうやらトンでも系のストーリーのイマイチな出来の作品で『ああ、これは覚えてなくても仕方ないかな…』というような映画だった模様。
■映画感想：「ディープ・ブルー２」（５０点／生物パニック）
https://uei-nanigashi.hatenablog.com/entry/68889526
ただ２作目の評価はさておき３作目の本作に関しては、前作に比べるとだいぶマトモで面白い作品に仕上がっています。
お話としては、完全に前作の続きのストーリーとなっており、前作のラストでスルーされていた逃げ出した４匹の『知能の高いオオメジロザメ』と追跡するというのがメインの展開となっています。
主人公たちは、『知能の高いサメを作り出した製薬会社の追跡チームに事情を知らずに協力させられる』みたいな立ち位置となっており、この辺がメインの謎解きとかサスペンス的な要素となっている感じ。
前作を知っている人であれば『知能の高い人食いザメ』の謎がお話の伏線として楽しめますし、知らない人であればサスペンス要素として楽しめるという事で、なかなか上手い作りだと思いましたよ。
人気シリーズの続編ということで、予算もそこそこかけられて割とシッカリと作られている印象で、水没直前の水上都市というロケーションも面白いですし、主人公たちの『サメの調査研究シーン』をはじめとした水中撮影のシーンが多用されており、絵的にも美しく『海洋冒険もの』の雰囲気が良く出ているのは好印象。
ただ、遺伝子操作されたサメの秘密を巡るサスペンス要素がメインとなっているため割と終盤までサメの出番が少な目で、どちらかというと秘密の研究を巡る人間同士の内ゲバ的な部分に力点が置かれているのは残念なところかなあ？
まあ、そっちのサスペンス部分の話も普通に力が入って作られており、後半のパニックシーンなんかは非常に迫力があって盛り上がる内容ではあるのですが、もうちょっと多くサメの活躍を見せて欲しかった印象。
また、終盤のサメが大暴れするシーンはそこそこ見せ場があって良い感じではあるのですが、そこまで『高い知能』を活かして個性的に描かれている感じがしなかったので、もうちょっと個体ごとの個性みたいなものが感じられても良かったかも？
あとサメだけでなく、主人公や悪役を含めて人間キャラに魅力が薄いのも少し気になったところ。（というか悪役が矢鱈と狂暴すぎて、サメよりも目立っちゃっているのはいかがなものかと…）
ただ、終盤のサメとの対決シーンとかは素直に熱い展開ですし、サメの退治の仕方とかオチの付け方も上手くて『キレイにお話を完結させたなあ』という点はなかなか感心させられましたよ。（特に前作が物凄いグテグテだったので…
ちなみにストーリーとしては３作目で完全に完結してしまった印象があるのですが、もう続編を作るつもりは無いのかしらん？
総評としましては、そこそこ良く出来た『佳作レベルの生物パニックもの海洋ホラー映画』って感じの作品ですね。
前作がかなり残念な出来だったのに対して、３作目は割とシッカリと作られているうえにお話も続編としてキレイにまとまっているので、シリーズを追っかけている人であれば観ておいて良い新作だと思います。
特に前作までを観ていなくても楽しめる内容にはなっていますので、生物パニックものとかが好きであれば普通にチェックしておいても損はないんじゃないでしょうか？
