NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マッド・ハウス」(35点/スリラー)

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■■■「マッド・ハウス」■■■
(35点/スリラー)


 複雑な家庭の事情から逃れるために家を出たサラは、新しい生活を始めるためにLAへと出てくることとなる。


 LAで委託社員として働くことになった彼女は、新居を求めてハリウッドの閑静な住宅街を訪れるが、そこで親切そうな住人たちが住む好条件なマンションを発見。


 すぐに契約をして入居した彼女は、住民たちのパーティーに参加したりと暖かく受け入れられるが、入居して以降、毎晩のように壁の中から奇妙な騒音がして夜も眠れず、更には脅迫めいたメッセージの書かれたチラシを投函されたりと不気味な現象が続発。


 徐々に不安を募らせていく彼女だったが、そんなある夜に、彼女は住人の一人によって窓を塞がれた奇妙な部屋に拉致されてしまい…

 


 暖かいコミュニティの形成されたマンションへと入居した女性が、そのマンションに隠された恐るべき真の姿を目撃する…という、サスペンススリラー映画。


 ネタバレなしに感想を書くのが難しいので、今回は最初からネタバレありでレビューしてしまいますが『人の良さそうな住人の住んでいるマンションに引っ越してみたら、実はそこは謎のカルト(というか自己啓発集団)の巣窟でした』みたいな感じの、カルトホラー風味のサイコサスペンス映画ですね。


 なんとなくブラムハウスとかが好きそうな設定のサスペンス映画という感じですが、実際の中身の方もそういう方向性を狙ってそうな作品という印象。


 ただ設定やプロットは悪くないと思うのですが、困ったことに肝心の作品の中身の方があんまり面白くないんですよね。


 序盤で引っ越してきた主人公が拉致されて、カルトによる『洗脳』のようなものが行われるのですが、まずこの洗脳がだいぶ手ぬるくて『こんな程度で洗脳される人間は居らんやろ?』みたいな感じで、どうにも現実感がありません。


 お話の流れにしても、この主人公の『洗脳』パートが終わってからようやく話の核心に触れていくみたいな感じなのですが、洗脳パートがダラダラとした印象の上にたいして面白くもないので、初っ端からダレまくりなのは困りものです。


 お話が動き出してからの展開も、全体的にダルくていま一つ盛り上がりに欠けますし、カルトな住人達もそこまで狂気のようなものが感じられずに緊張感が微塵も感じられないんですよね…


 というか狂気の集団であるばずのコミュニティの描写が全体的にヌルいですし、場所も街中の普通のマンションという設定なので、終始『これ、本気になったらすぐにでも脱出できるんじゃない?』みたいな印象ばかりが付きまとってしまい、どうにもお話に集中できませんでした。


 一応、終盤の主人公の友人がお話に絡んでくる辺りからは、そこそこ話は面白くなりますし、オチの落としどころも悪くはない感じではあるので、全体的にもうちょっとシッカリと『カルト感』とか『緊迫感』のある内容に仕上がっていれば、そこそこ面白い話になったんじゃないかなぁ…

 


 総評としましては、ダルい印象ばかりが目に付く『盛り上がりに欠けるサイコサスペンス映画』みたいな感じの作品です。


 プロットそのものは悪くないと思うので、カルトものが大好きで気になっているのであればチェックしてみるのもやぶさかではないかも?


 でもまあ正直なところあまり推すような要素もないので、個人的には普通にスルーしてしまっても問題の無い一本だと思いますよ…