NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エクスペリメント・アット・セントレオナルズ女子刑務所」(55点/モンスター)

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■■■「エクスペリメント・アット・セントレオナルズ女子刑務所」■■■
(55点/モンスター)


 アイルランド沖の孤島にある、世界各国からの死刑囚が集められた「聖レオナルズ国際刑務所」では、死刑囚たちへの減刑をエサに希望者を募り、極秘裏に新薬や遺伝子治療の人体実験が行われていた。


 元特殊部隊員で死刑が一カ月後に迫ったストーンは、医師から終身刑への減刑を条件に人体実験への参加を打診されるが、それを拒否。


 しかしその夜に病室に運び込まれていた人体実験による死者が、唐突に狂暴なゾンビとなって蘇るという事件が発生。
 パンデミックは一瞬にして刑務所全体へと拡散して、刑務所は大パニックに陥ってしまう。


 なんとかパニックを逃れる事に成功したストーンは、わずかに生き残った囚人や看守たちとともに、島から生き延びて脱出する方法を模索するが…

 


 孤島の刑務所で極秘裏に行われていた人体実験が原因でゾンビパンデミックが発生し、島に閉じ込められた囚人たちと看守たちが協力しあってなんとか生き延びようとする…という、ソンビもののモンスターホラー映画。


 海上の孤島に作られた刑務所という閉鎖環境を舞台としてゾンビパンデミックの恐怖を描くという、非常に典型的で分かりやすいプロットで描かれたソンビ映画ですね。


 プロットだけでなく、色んな部分で紋切型的なゾンビ映画の手法やら設定やらが使われている感じの内容で、ホントに『ザ・ゾンビ映画』という感じの作品という印象。


 『死刑囚を用いて人体実験をする』という設定にしても『実験に失敗してゾンビ化してしまった』という設定にしても非常にお約束な感じですし、舞台となる『孤島の刑務所』という閉鎖環境、『囚人と看守たちがお互いを疑いあいつつも協力しあって脱出を目指す』という展開…


 まさに、物凄い『お約束』のテンコ盛りという感じではあるのですが、逆に『ツマんなくなりようがないようなプロット』の連発で、安心して観れる作品だとも言えます。


 プロットだけではなく、実際の映画の中身の方も『疑心暗鬼による裏切り』があったり『自己犠牲で仲間を救う』みたいなシーンがあったりと、どこかでみたようなお約束展開のオンパレード。


 『囚人と看守が協力してゾンビ刑務所から脱出する』という設定から想像できるような展開が全て詰め込まれているんじゃないかというような内容なのですが、コテコテながらも、映画そのものが低予算ながらもそこそこ気合を入れて作られている感じなので思った以上に楽しませてくれます。


 主人公も死刑囚だけど『実は訳アリ』だったり、脇役にもクセの強い囚人や看守たちが登場したりとキャラの立て方もしっかりしていますし、ストーリーだけ見ると割と良作ゾンビ映画といった印象。


 ただ、ストーリーやら設定やらは良く出来ているのですが、肝心の『ゾンビ襲撃シーン』がイマイチ地味で盛り上がりに欠けるのは困りもの。


 残虐描写やらアクションシーンやらが『イメージ映像』的なカットで矢鱈と割愛されており、見せ場となるシーンが少なくてどうにも盛り上がりに欠けます。


 アクションシーンがカットされているお陰で会話シーンとかの割合が高くなってしまっており、どうにも冗長な印象を受けてしまいましたよ。


 アクションシーンやら特撮シーンにまで回す予算が足りなかったのかな…という感じの事情は透けて見えるのですが、そこさえシッカリと作られていればそこそこの佳作になり得たのに、なんとも勿体ない印象を受ける作品でした。

 


 総評としましては、小粒ながらも『思った以上にシッカリと作られたゾンビものパニックホラー映画』って感じの作品です。


 物足りなさはあるものの、ツボとなる部分はキチンと押さえられた作品ですので、ゾンビもののサバイバルホラーが好きであればそこそこ楽しめる一本だと思います。


 推すにはやや弱い部分はありますが、設定やらが気になるようであればチェックしておいても良いかもしれませんよ。