NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「僕を憐れむ子守唄-呪われたベッドNO.6-」(50点/オカルト)

f:id:uei_nanigashi:20201221010122j:plain

■■■「僕を憐れむ子守唄-呪われたベッドNO.6-」■■■
(50点/オカルト)


 夫の紹介で古びた小児病院の夜勤医師として働くこととなったビアンカは、就任前に院長から『彼女の勤務する部屋の窓から前任者が飛び降り自殺をした』という不気味な話を聞かされる。


 異様な内容に恐怖を感じた彼女だったが、夫の紹介である体面から断ることもできず勤務を開始するが、勤務を始めてからしばらくしてとある病室の6号ベッドの上で『ママが来てくれない』と泣きじゃくる少年と出会う。


 少年を慰めてなんとか眠らせた彼女は、少年のことが気になり同僚や院長へと相談するが『6号ベッドは空きベッドでそんな少年は居ない』という奇妙な説明を受ける。


 しかし、その翌日も彼女は『6号ベッドの少年』を目撃したことから、彼女は『病院が何かを隠しているのではないか?』という疑いを抱くようになっていき…

 


 小児病院の『呪われたベッド』に出没する謎の少年の霊にまつわる恐怖を描いた、病院ものオカルトホラー映画。


 イタリア製のオカルトホラー映画ですが、雰囲気作りとかに若干のイタリアっぽさがあるものの、内容的には割とオーソドックスな感じのオカルト映画ですね。


 いわゆる病院を舞台とした作品で、『女性医師が病院のとある病室で『居ないはずの少年』と出会うんだけど、少年の謎を追ううちに病院に隠された驚くべき秘密が判明していき…』といった感じの展開。


 深夜の病院を舞台としているのですが、内装はリフォームされているもののイタリアらしい歴史を感じさせる建物が舞台となっており、微妙に古びた感じのする小児病棟の不気味な感じの空気感やらの雰囲気作りは悪くない印象。


 また『何故か事件を隠蔽しようとする院長』とか『病院の過去に隠された恐るべき秘密』とか、オカルトサスペンス展開のキモとなる部分はしっかりと押さえて作られています。


 謎解き展開もまあまあ悪くない印象で、病院に隠された謎が徐々に明らかになっていく展開もまあまあ面白いですし、ややネタバレになってしまいますが、舞台となる病院が『実は過去に精神病棟で、今では違法とされる非人道的な治療が行われていた』とかって設定も、お約束ながら悪くありません。


 ただサスペンスとしては悪くないのですが、ホラーとして怖いかと言われるとちょっと微妙なところなのが困りもの。


 『少年の霊』がどうみても生身の人間にしか見えないレベルのリアルな子供として描かれていて、オカルト描写やショッカー描写もあまり強くないので、全体的にいま一つ盛り上がりに欠けるんですよね。


 また映画の尺が2時間弱と長めで、本編とあんまり関係のない感じの『病院で密かに行われていた降霊術』とか『幽霊の少年の母親にまつわる秘密』とかに無駄に尺が取られており、全体的にテンポが悪いのも困りもの。


 ラストのオチのオチしどころなんかは悪くなかったので、その辺の無駄な要素はカットして、もっとシンプルでテンポの良い作りにした方が良かったんじゃないかなぁ?

 


 総評としましては、良くも悪くも『可も不可もない感じの病院ものオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。


 特に推すような要素はないものの別にそこまで悪い部分がある訳でも無いので、『病院ものホラー』というジャンルが好きであればそれなりに楽しめる内容ではないかと…


 そのうちどこかのサブスクリプション系のネット配信サイト辺りにでも入りそうなタイトルな気がするので、気になるのであれば『まあお好みで』という感じの一本ではないでしょうか?