■■■「カウントダウン」■■■
(60点/オカルト)
飲み会の最中に『自分の余命がわかる』という「カウントダウン」という奇妙なアプリを見つけた若者たちは、遊び半分でそのアプリをスマホに入れて盛り上がっていたところ、仲間の一人であるコートニーが余命は「3時間」と通知されて、予告どおりにその時間に変死してしまう。
コートニーのボーイフレンドだったエヴァンは、彼女が死ぬ予定だった時刻に交通事故を起こして入院するが、同じようにアプリの予告通りに数日後に急死。
生前にエヴァンから話を聞いて、2人の死に疑問を持った看護師のクインは自らもそのアプリをインストールしてみたところ、彼女の余命が「3日」と表示されたうえに、彼女の周りで次々と不気味な現象が起こりはじめる。
アプリの呪いが本物だと考えた彼女は、謎のアプリの正体を探り死の運命から逃れるべく調査を開始するが…
利用者の『余命』を告げるという謎のアプリをインストールした若者たちが、アプリの呪いによって死の恐怖にさらされる…という、オカルトサスペンス映画。
『死の運命を予告するアプリ』という、いかにもどこかで聞いたような設定のお話ですが、ぶっちゃけて言ってしまえば「ファイナル・デスティネーション」のパクり…というかフォロワー的な作品ですね。
お話としては、『「余命診断アプリ」で余命3日と判定された女性が、自分の「死の運命」から逃れるたけにアプリの呪いを解こうとする…』という感じの展開。
ノリとしては、まんま「ファイナル・デスティネーション」のようなプロットですが、オリジナルと同様に『死のカントダウン』の時間が迫る緊張感や正体不明の恐怖に終われる不気味な雰囲気なんかは、なかなか良く出ています。
恐怖演出の盛り上げ方やら引っ張り方も割とうまくて、単純にオカルト映画としても出来は悪くない感じ。
また、単なる元ネタの『焼き直し』にとどまらず、アプリの改造を試みる『自称天才ハッカー』やら『悪魔学が好きすぎて神父になった男』とか、主人公に協力する矢鱈と濃いキャラの面々が良い味を出しており、こういった濃い面々が協力して『アプリをハッキングして呪いから逃れようとする』とかってアイデアを盛り込んだりとか、映画のイメージが単純な二番煎じにならないように工夫されているのも好感触。
全体的に「ファイナル・デスティネーション」のフォロワー系の作品としては、なかなかの優等生という印象です。
ただ残念な部分としては、とにかく『犠牲者の数が少なすぎていま一つテンポが悪い』というところ。
アプリの犠牲になる人数が少ないせいで山場となる部分が少ないせいで、どうにもお話の展開が遅くて特に中盤部分の緊張感が薄くて中だるみ気味です。
呪いのアプリによる『殺害方法』もあまり面白みが無いものが多くて、『死のピタゴラスイッチ』みたいな面白い殺害方法で話題になった「ファイナル・デスティネーション」シリーズのフォロワーとしてはどうにも弱さを感じます。
でも、ラストの展開とかは先が読めなくて非常に面白いですし、オチの落としどころなんかも良い感じだったので、全体的には悪くない感じではあるんですよね。
ホントに、もうちょっと派手に犠牲者が出て『盛り上がる内容』なら、なかなかの良作になったんじゃないかと思うので、どうにも勿体ない印象の残る作品でしたよ。
総評としましては、物足りなさはあるものの『割と良く出来た「死の運命」系のオカルトサスペンスホラー映画』って感じですね。
「死の運命」的なノリの映画とかが好きな人で、フォロワー的な作品を求めているのであれば、そこそこ普通に楽しめる一本ではないかと…
設定とかが気になるようであれば観ておいて損は無い作品だとは思いますし、パワーアップした続編の製作に期待して本作は個人的にはプッシュしておきたいところですよ。