■■■「クライマーズ」■■■
(60点/アクション)
1960年。
ファン・ウージョウらの中国登山チームは、世界で初めて不可能と言われた『北稜からのチョモランマへの登頂』に成功。
しかし、登山の途中で滑落した仲間を救うためにカメラを紛失してしまい証拠写真を撮れなかったことから、彼らの偉業は国際的には登頂を認められずにいた。
そして15年後。
冬の時代を終え、政治的に安定した中国政府は再びチョモランマへの登頂に向けて登山隊を派遣することを決定。
地下のボイラー室に引きこもりボイラーの整備士に身をやつしていたファンだったが、今回は自分が隊長となり当時の仲間たちと、気象学者で恋人であるインらの協力を得て、再びチョモランマへの登頂に挑むこととなるが…
1960年にチョモランマへ北稜からの世界初登頂したものの功績を認められなかった登山隊の面々が、15年後に雪辱を果たすために再び登頂に挑む…という、中国製の登山アクション映画。
「クリフハンガー」等で割と定番ネタになった感のある登山を題材とした冒険アクション映画ですが、中国製の登山映画ってあんまり記憶にないので、なかなか新鮮な印象ですね。
作品としては、一応は実話をベースとしてフィクションという感じの設定ではあるのですが、実際の中身の方はどちらかというとアクション映画的なノリが強めの内容。
中国映画らしく、『カンフーの演武』とか『パルクールアクション』と見まがうようなド派手なアクションで、ダイナミックに危機を回避する主人公たちの姿は、ビジュアル的にもなかなか楽しませてくれます。
また、主人公たちの陥る『逆境百連発的』なノリもなかなか熱くて、思わず『ファイト!一発!!』と叫びたくなる(歳がバレる)ような、観ていて力の入ってしまうシーンの連発で見ごたえがあるのも良い感じ。
登山までの準備期間の特訓風景も、いかにも昭和のスポコン作品的なノリでコテコテながらも悪くない印象。
ただ、主人公たちのキャラ立てに関しては少し弱い部分が見られ、特に主人公と恋人以外は『この人たちはどういう性格とか立ち位置なの?』っていうのが、少し見えづらかったのは気になるところ。
あと新隊長とか恋人のエピソードとか、無理やりお涙頂戴的な展開をネジ込んでる感じがして、ちょっと蛇足感を感じてしまいました。
また『中国凄い!』みたいなヨイショ的なノリが強めなので、そういうのが苦手な人は気になってしまう部分かも?(まあ中国の映画なので自国を持ち上げるのは良いと思うのですが…)
あと割とどうでもいい事ですが、『ジャッキー・チェン、パッケージにデカデカと写ってるのに、出番それだけかよ?』と言うツッコミを入れたくなったのは、自分だけではないと思います。(笑)
総評としましては、『普通に良く出来た登山もの冒険アクション映画』って感じの作品ですね。
ビジュアルや映像に加えてアクションも派手で面白いですし、登山ものとか冒険映画とかが好きであれば割と楽しめる映画だと言えるでしょう。
とまれ、あまり細かいことを考えずにサクッと観られる内容なので、気になるようであればチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。