NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ストーカー 3日目の逆襲」(60点/サスペンス)

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■■■「ストーカー 3日目の逆襲」■■■
(60点/サスペンス)


 若くして夫を亡くして未亡人となったジェシカは、人生をやり直すためにアメリカ北西部の郊外へと引っ越す事となる。


 しかし、引っ越し用のコンテナを牽引しつつ森林地帯を走行中に、以上にゆっくり走る黒い車に遭遇。
 強引に車を追い越したところ、それ以降、その黒い車は彼女の事を執拗にパッシングしたり休憩先のガソリンスタンドでも姿を見せたりと、彼女を付け回すような行動を取り始める。


 更に翌日に、その黒い車のドライバーと名乗る男性が『運転中にスマホを観ていて気付かなかった』と謝罪してくるが、男の異様な態度に恐怖を感じた彼女は男を残して逃走。


 しかし、タイヤが何者かにパンクさせられており森の中で立ち往生してしまい、更には不気味な『黒い車』が彼女の元へと出現し…

 


 ある女性が追い抜きをかけた車のドライバーが実はサイコパスの殺人鬼で、理不尽に命を狙われ続ける事となる…というサスペンススリラー映画。


 サイコパス殺人鬼と殺人鬼に狙われた女性の戦いを描いた、いわゆる低予算系のサスペンススリラーなのですが、これが意外となかなか良く出来たスリラー映画になっています。


 お話としては『とある女性が、遠地への引っ越しの途中に車で追い抜きをした相手が実はサイコパスの殺人鬼で、執拗に付け狙われたうえに襲われて拉致監禁されるものの、なんとか監禁から脱出して森の中で殺人鬼との追跡劇を繰り広げる…』みたいな感じの展開。


 タイトルに『ストーカー』と付いていますが、どちらかというと『行きずりで運悪く殺人鬼に目をつけられた』感じなので、あんまりストーカー的な要素は無いかも?


 お話の展開的には、割とオーソドックスな『監禁ものスリラー映画』といった感じなのですが、序盤からあからさまに『不審な黒い車』とそのドライバーの行動とか『不安を煽るような演出』で緊張感を盛り上げつつも、シッカリと主人公である女性のキャラの背景や心情の掘り下げが丁寧に行われており、特に派手な展開は無いものの無駄のない構成で、ストレスを感じる事なく楽しめるようなお話になっているのは良い感じ。


 中盤以降も、『監禁された小屋』から『森の中の追跡劇』へと話を展開させることで、世界観の広がりを持たせつつあまり閉塞感や退屈さ感じさせないような作りになっているのも良く出来ていますし、舞台や状況が二転三転することで先の読めないような作りになっているのも好感触。


 あと、ヒロインのキャラの掘り下げだけじゃなくて、殺人鬼のいかにも『卑劣で下衆な感じの性格』もキャラが良く立っていて、なかなか悪くありません。


 ラストの展開も予想以上に熱い感じで面白かったですし、全体的に低予算ながらもなかなか良く出来たサスペンス映画という印象でした。


 ただ、本作の最大の不満点は『なんで、こんなネタバレみたいなタイトルを付けてしまったのか…』という事。
 タイトルを見ただけで『3日目にヒロインが反撃するのか』とか『3日目までは殺人鬼に追いかけまわされるのか』というのが容易に想像できてしまい、いま一つ展開を素直に楽しむことが出来ませんでしたよ…
 (せめて『最後の反撃』とかならさておき、期日指定でのネタバレはダメだろう?(笑))


 あと中盤に若干山場となる部分が弱くて、ちょっと冗長さを感じたのも残念なところかなぁ。
 お話を盛り上げるために、もう少し殺人鬼の残虐な性格とかの掘り下げがあっても良かったかも?(過去の犠牲者の末路を匂わせるような展開とか…)

 


 総評としましては、低予算でコンパクトながらも『そこそこ良く出来た佳作レベルのサスペンススリラー映画』って感じですね。


 強く推すには弱い気もしますが総じて良くまとまった作品ですので、そういったジャンルが好きであれば普通に楽しめる内容だと思います。


 凡庸すぎる邦題のせいで埋もれそうな作品ですが、設定とかストーリーとかが気になるようであれば、チェックしておいても損は無い一本ではないでしょうか?