■■■「フローズン・ストーム」■■■
(20点/サスペンス)
出産を間近に控えた作家のナオミとその夫のマットは、ノルウェーでのサイン会の帰りに街道脇で車を止めて休憩していたところ、吹雪に巻き込まれて車ごと雪に埋没してしまう。
車のドアも開かずエンジンもかからないうえに、携帯電話も通じない状況で極寒の車内に閉じ込められるという状況に、妻は車の窓を割ってすぐに脱出することを主張するが、夫は車内で助けを待つべきだと主張。
彼らは、夫の主張に従って車の中で助けを待つこととなるが、助けが現れないことによる疲労と焦燥感、2人の意見の対立から、車内の空気は徐々に悪くなって行き…
吹雪に巻き込まれて雪の中に車が埋没してしまい車内に閉じ込められてしまった作家夫婦が、なんとかして危機を乗り越えようとするという、パニックものサバイバルサスペンス映画。
『人里離れた場所で雪の中で車内に閉じ込められる』という極限状況を題材にしたパニック映画で、いわゆる閉鎖環境型のワンシチュエーションスリラー映画ですね。
なんでも『実際にあった事件』をベースとしたお話のようですが、設定から想像がつく通りになんとも地味な作品です。
お話としては『雪の中に埋まった車の車内』でのみ物語が展開していくので、基本的には会話劇が中心といった感じ。
パニックから疑心暗鬼に陥りつつも、夫婦がお互いに隠し事をしている事があったりして徐々に対立しあうようになっていく…みたいなお約束の流れなのですが、基本的に車内から全く外に出ないのでビジュアル的な面白味も無く、雪の中に埋まってるだけなので当然ながら派手な展開もありません。
それに加えて、夫婦が互いに『隠している秘密』もサスペンスとしては微妙な内容で、そこまで激しく対立しあったりピリピリするような緊張感も無いので、とにかく観ていて退屈です。
また単純に『退屈』なだけなら良いのですが、自分がパニック映画で一番腹が立つ『主人公たちの無能な行動』がひたすら繰り返されるのが観ていて辛いんですよ。
最初に『雪に埋まったせいドアや窓が開かなくて外に出れない』という状況に陥るのですが、『窓を開けてみるための努力』を殆どしてみなかったり、『助けを待つ』と言いつつも誰かが通りかかった時にすぐに対応できるように準備をしておかなかったり…等、とにかく主人公たちが無能すぎて非常にイライラさせられます。
そもそも、『彼らがここに居る事を誰も知らない』のに無計画に救助を待ち続けるのも意味不明ですし、数日待って誰も通りかからないようなら諦めて体力のあるうちに『とっとと窓を割って旦那一人で助けを呼びに行けよ』(少なくとも2週間も車内で待ち続ける意味が分からない)としか言いようがありません。(極寒とはいえ車外は晴れてて普通に歩いて外に出れる状況なのに…)
一応、終盤辺りで少しだけ盛り上がる展開もあるのですが、それまでの退屈な部分を帳消しに出来るほどの内容でもないですし、そこまで見るのが既に退屈すぎて辛すぎです。
オチも『最初に窓を割って脱出してたら半日ぐらいで解決してたんじゃない?』みたいな終わり方ですし、久々にあまりにダルすぎて本気で早送りして飛ばしたくなった作品でしたよ…
総評としては、とにかく『退屈でダルい印象のワンシチュエーションサスペンス映画』という感じ。
ひたすら退屈なだけで、バカ映画とかネタとして楽しめる要素も無いですし、なんというか観ていて辛いだけの映画でしたよ…
特にオススメするような要素も無いので、普通にスルーしてしまって問題のない一本ではないかと思いますよ。